056.衣替えと東山魁夷せとうち美術館の思い出。
昨日からボツボツと衣替えをしている。衣類はかなり処分したので、減っているはずなのだけど、それでもなかなか疲れる。秋冬物を衣装ケースにしまって、春夏物をハンガーにかけてクローゼットに吊るす。立ったり座ったり俯いたりしていると、めまいがするので休み休み行う。間に普段使いのマフラーなど家で洗えるものを洗濯。そんなことをしていると、ポケットから6,000円出てきて、ラッキーな気分(冷静に考えるとラッキーでもなんでもないけど)。そして畳んだマフラーの間から、去年の11月に東山魁夷せとうち美術館に行った時の半券やミニリーフレット、お土産に買った絵葉書などが出てきた。
たまたま父母とドライブに出て、瀬戸大橋を通った時に、「行ってみるか」ということになったのだった。坂出市が魁夷さんのお祖父様の出身地であり、奥さんが版画270点を寄贈されたことでできた美術館である。
東山魁夷さんについて学生の頃の私のイメージは、バブル期の恩恵を受けた不動産屋の事務所の壁にかかっている版画の代表で、好きだと言うと格好悪い画家、であった。…なんというか評価が定まっていてわかりやすい絵というのは、若い人には好まれないのは、ある程度は仕方ないことと許してほしいw 今になってみれば、何故嫌がっていたのかわからないけれど。
で、「魁夷が旅した北欧の風景と、暮らしのデザイン」展を見学した。1962年に約3ヶ月かけて、奥さんと北欧4カ国(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)を旅した成果の版画と、北欧デザインの関連資料(他の資料館が持っている北欧の工業製品など)の展示。
この美術館はこじんまりした大きさながら、現代的ですっきりと美しい建物で、瀬戸内の自然に囲まれており、大変居心地がよかった。
思いつきで入ったのだったが、展示内容が量的質的に丁度よく、満足のいく内容だった。シンプルな日本の風景を描いているイメージだったが、確かに、深緑の森林や空気感、おおらかで暗い(?)北欧の景色!であった。
北欧テーマの展示だったので、カフェでフィーカにすることに。館内にとても眺めの良いカフェがあり、この美術館に来たらここでお茶するのがおすすめです。ビスコッティも美味しかった(粉だらけになるけど)。お店の方も感じが良くてよかった。
帰りに絵葉書を買ったようで(すっかり忘れていた)、なぜかそれをマフラーやショールを重ねているカゴに突っ込んでた。
出てきたハガキを眺めていて、これって、福田平八郎展で「この中から数点買えますよ」という時、どの作品を買う?と考えたのと同じことだな、魁夷さんなら私はコレらが欲しかったんだ、というのと、魁夷さんの「雪」と平八郎さんで選んだ「初雪」がチョット似てて、やっぱり好みというのはあるんだなぁなどと考えた。
明日からまた肌寒いとのことなので、衣替えは一旦中断して様子見。
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