6)渡航二日目 ③Baguioのナイトライフ~ようやっと出発~

Henny合流 いきなり想定と違う

受付でHennyと合流した。
待たせて悪びれることもなく、私も別に言及しない。
それより「早く行こうぜ」「どこのバーとクラブに行く?」そんな会話から始まった。また、受付の前でチャージャーを貸し、ちゃんと返せよ、今日の夜ホテルに戻って来る時が期限だ、と念を押した。

彼は随分とプランが沢山あることを、(またべらべらと長く)話してくれた。
「もうすべての店のリスト化と、優先順位はつけてある」「ベストのプランだ、で最高の夜にしようぜ兄弟」、そんな会話。
余談だが黒人男性同士がブロ(兄弟)と言い合うのをニュースや映画でよく見かける。ただし、黒人同士の会話であり、それ以外の人種の連中に「ブロ」と言われるのを嫌がると思っているので、「へ〜〜、本当にブロブロ言うんだなあ」とただ感心していた。

よし、じゃあ行こうか、と立ち上がったところ、
彼は彼のスマホとジンバルを私に渡し、何か一生懸命説明をし始めた。

いきなりカメラマンに

最初Hennyが何を言いたいのか分からなかった。
「いいか、天井を仰いだアングルから、下げて、ブーン!俺を映して」
「ん?何の話?」
「いいか、天井から、ブーン!そしてそのまま俺が出口に向かって歩くから後ろに下がりながら撮り続けてくれ」

どうやら、本日の夜の旅もコンテンツ化するようで、
私はそのカメラマンの役を拝命したらしい(勝手に、すごいねー!)。

更に彼は、バーやクラブの取材だけでなく、この安宿の3BUホステルも紹介するらしく、
まずはここの撮影から始まったのだ。

その時の感じていたこと

その時の私の気持ちは、「全然OK!」だった。
カナダ人と二人で過ごす手持ち無沙汰も解消されるし、
Youtuberのやり方がどんなもんか好奇心がくすぐられた。
うまく撮れようが撮れまいが、
任せたのは彼だし、私は金ももらって無いので特に責任感も無い。
彼の図々しさを好意的に関心しながら(意思のある人や、わがままな人や変な人が好きなので)、
せいぜいお供しますよ、と思っていた。
唯一ネガティブな感情としては、さっさとこのホテルを出て早く繰り出したい!ぐらいの気持ちでした。
見ていると多くの店はAM2時で閉まるようで、ただでさえ既にほぼ0時なのに、
このままもたついてるとどこもいけなくなる、という思いだ。

撮影について 驚き

さあ、ただまあ撮ると言い出して、OKと返事したので撮影します。
アングルについては指示を受けた通り、天井を仰いだところからブーン!
で撮影開始です。

ジンバルの操作に不慣れだったので、
ブーン!でカメラが追いついてくるまでの1秒程度に不安を感じましたが、
なんとかしながら撮りはじめました。

ここで驚いたのが、Hennyの演技力と言うか、態度。
ホテルの画を撮りながら、一言二言話すだけかと思っていましたが、
いざカメラを向けると、
元気の良い挨拶から始まり、黒人らしいHip Hopなポーズを取りながら、
そのままベラベラと、このホテルの良いところを紹介し始めました。
「Hey!Hennyのチャンネルだぜ、今日はBaguioの最高のホテルを紹介する!
ここ3BUホステルはBaguioに唯一あるドミトリーだ。値段も安いし、スタッフも愛想が良い(受付に声をかけ握手、彼女とHennyに近づきアップに撮る)、(そのまま私は後ろに下がりながら引きで撮り続ける)、他にも〇〇が最高で、立地が〇〇で、旅の仲間も見つけられるぜ」と一気にまくしたて、
何か締めの言葉、最後はLets go!と言いカメラに手を被せて撮影を停めた。

なかなかプロじゃん!日本人が持っていないテンション

正直、感心しました。
恥ずかしがるとか、言い淀むとか一切なく、表情もポーズもスムーズに1分程度の撮影を軽くこなします。
また、何よりその切替の感じというか、
私や受付スタッフの目を気にせず、自分の場所としてペースを作り、堂々としている感じが、
日本人ではテレビに出るようなプロでないと、
なかなか持っていないテンション(一面)だなと思いました。
内容はともかく、日本のYoutuberのようなアマ感が無い。

いよいよホテル出ます

このあと、3,4回撮り直しもあり、
また旅の仲間として私も撮影するVer.など、様々やったのですが、
正直に私は今晩がちょっと楽しみになってきていました。

これまでの人生で経験したことないタイプの出歩きができるかもしれない、と期待しました。
32歳にもなると、殆どのことが経験したパターンの中での生活になりませんか。
私は場所も人も変えても(海外であれ)、最近は「似たようなもんだな」、
と停滞感を感じていたので、
この撮影はなにか期待感を持て、フレッシュで嬉しく感じました。

さて、そして外でタクシーを停め、
いよいよ出発します。

それまで私はフィリピン移動はGrabしか使っていなかったので、
流しのタクシーに乗るのには驚きました。
町中でさんざん見かけるのですが、アジアでタクシーに外国人が乗ると
絶対ローカル料金では乗れない、と思っていたので驚いたのです。
まあ後からわかるのですが、それは結果安心で、
むしろことBaguioに置いてはタクシーはボッタクリが無いので
Grabより3割程度安く、使いやすいものと知りました。

つづく


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