6)渡航二日目 ①Baguioのナイトライフ~旅の仲間~

ホテルで出会ったカナダ人

さてそもそも私は一人旅では好んでドミトリーに宿泊する。
その理由は大きく二つあり、
一つは施設が新しく、個室の安ホテルよりも水回りとベットが清潔なケースが多いこと。
二つは知り合いのいない街で、拠点の同じ友人を作ることが出来る為だ。
だれか知り合いができれば、一緒に飲みに行っても手持ち無沙汰になることもないし、その街を知るには彼が入手した情報と、自分のものとで収集力が倍になるだけでなく、他の人からの情報も一人でいる際よりも得やすい事が多い。
というわけで、利己的に誰か手頃な男はいないかと思いながら過ごしていた。

そこで出会ったのがHennyである。
夕方に私はビールを探してホテルの周囲を散策したが見つからず、結局
ホテルのレセプションがカフェを兼ねているとのことで、
そこでビールをもらって飲んでいた。
そこに黒人男性がやってきて、
コーヒーを飲みながらべらべらと受付のスタッフに管を巻いていた。
彼がHennyだ。
「今日は〇〇に行ってすげえ映像を撮ったぜ」「あの〇〇公園のスタチューはやばいな、そこで出会ったやつに飯屋を聞こうとしたら、意味不明でクレイジーなやつだった、まったく」・・・・など

日本人以外と話して毎回思うのだが、会話のスタイルが違う。
日本人は漫才のように一言、一言のやり取りを交換していくが、
海外ではべらべらと自分の意見を続けることが多い。
特に欧米人は話が長く、個人的には多くの場合イラついてしまう。
(なげえよ)(こっちにも話をさせろ)(こっちの表情みて何も感じないのか?)など。
まあ、近頃では図々しくなったもので、
強引にカットインしたり、途中から聞かなかったり、スマホをいじったりするようになった。

とにかく、Hennyも話が長い。ベラベラベラベラ…。
ただ、そこに一縷の「相手を盛り上げよう」という意志を感じとれる人間だったので、
私は当初の目的通りお近づきになることにした。
まったく打算的で、これを読んでいる方からすると、
好感を持てないだろうと思うが、私にはそういう一面と、そういう思考回路があります。
そのあたりできる限り、素直に、ありのままに書きたいと思っています。

Hennyもなんとなく私に興味を持ったようで、
多少の会話を交わした。
彼はどうやらYoutuberで、世界中を回っているが、今はフィリピンの取材でいるとのこと。
そして、連絡先を交換した。

ただ、後からわかったが旅チャンネルと言っても日本人の想像する、
目的に沿って旅をするようなイメージではなく(例えばUSAルート66横断、アフリカ大陸一周など)、
現地の観光地や見どころなどを巡って、それを動画にしているものだ。
何か目的や取材、というよりは観光地を動画でまとめ情報提供しているようなイメージ。

そして、その後にメッセージで「(金曜の)夜にクラブに行こう」ということになった。
私としては、願ったり叶ったりでWelcomeだ。
一人で回ってもつまらないし、そもそもクラブに行くまで尻込みして至らない可能性もある。
そこで女の子をフックしてどうのこうの、とまでは思っていないが、
入学前に色々巡って情報を持っておけば、周りとの会話もスムーズかと思った。
とにかく、夜の予定が決まった。

つづく





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