ダイエットについての考え方
本当のダイエット 講座
~ 意識と無意識の大きな違い ~
【質問】
・今までダイエットをしたことはありますか?
それは成功しましたか?
・どんなダイエット方法を知っていますか?
・ダイエットに対してどんなイメージを持っていますか?
フィットネスクラブやパーソナルトレーニング利用をされる方のほとんどが体重を落としたいと仰います。ボクシングやボディビルのように体重別の階級が設けられている競技をされる方には必要ですが、一般の方にはあまり意味のない評価になります。(モチベーションなどには多少影響します)体重とは『骨・筋肉・脂肪・内臓・水分・疲労物質・排泄物・残留物など』を含めた全ての重さになります。体重が2kg減ったとして、それは何がどのくらい減ったんでしょうね?というお話です。それぞれ減らしたいものを減らすには、方法がちゃんとあります。
ここではきっと皆さんが落としたいと考えている脂肪に焦点を当ててご紹介します。
◎ 脂肪を 増やさない方法 と 減らす方法 は別です
増やす = 保存すること
減らす = 消費すること
さらに分かりやすく言うと『保存は蓄えること』『消費は使うこと』です。
つまり『蓄えるよりも使い続ける(消費>保存)』のような生活習慣を日々送ることが大切になります。この蓄える行為と使う行為は、一般的に 食べること と 動くこと と認識されがちですが、実際はそれだけではありません。
◎ 『蓄える』ということ
蓄えることとはエネルギーを充満させる、巡らせる、保存することになります。
保存されてしまう理由はいくつかありますが、代表的なものは以下の通りです。
・エネルギーを余分に取っている
・エネルギーを使えない状態で結果的に余らせている
・エネルギーを使っていないことで余らせている
・体が危険を感じることでエネルギー貯蔵を優先する
食べても保存に回されないのであれば蓄えることにはなりません。
◎ 『使う』ということ
エネルギーを使うと言われると、皆さん運動をイメージされるのではないでしょうか?
ここに落とし穴があります。もちろん、運動することは大きくエネルギーを使うということになり、体や心の健康にも大きな影響を与えてくれます。ただ、体を動かす(運動する)ということ以外にも使うということはたくさんあり、代表的なものを紹介します。
・呼吸による生命維持
・消化による内臓代謝
・姿勢保持による抗重力作用
・心臓の活動
・脳機能
ランニングや筋トレだけを活動(運動)と捉えてしまうと、本来の目的と効果にズレが生じてしまいます。トレーニングとは体の機能を伸ばすということ。より生活が楽に、体は快調に、元気にする為にするものです。(価値観は人それぞれですけどね)遺伝的なものや期限があるなどの例外を除いて、運動を痩せるために行うことはオススメしません。
また、これらを意識して行うことと無意識で行えることでは大きな違いがあります。
意識してしまうと、、、
エネルギーが余分にならないように食事制限をしたり、エネルギーを消費しようと過度な運動をしたりしてしまいます。← これがNGなワケです
そもそも、そんなん続かないよね?ということです。
無意識ということは、、、
自然と過食しなくなったり、最小限のストレスで活動量が増えたり、やめたい習慣を我慢せずに減らせたり、なかなか続かないことの頻度が増えるということです。
結論:無意識化(≒習慣化)にすることがポイント!!
ホメオスタシスの機能を改善することで
セットポイントを正常にしましょう
ということになります。
◎ ホメオスタシスとは
ホメオスタシス(生体恒常性)は身体を一定の状態に保とうとする調節機能のことです。
*『同一の状態』:ギリシャ語が語源。
日本成人病予防協会によると、ホメオスタシスには、自律神経・内分泌・免疫という「3大システム」があります。外からストレスが加わり、ホメオスタシスが乱されそうになったとき、この3大システムが機能します。体内の状況が正常範囲から逸脱しそうな時に正常範囲内に戻そうとします。
◎日頃どういったもので体験しているか?
ホメオスタシスが働く具体例
・気温にかかわらず、体温を36度程度に保つ。
・身体のなかに細菌などの異物がない状態を保つ。
・塩分濃度や血糖値など、体液の組成を一定に保つ。
・体内の水分量を一定に保つ。
などなど
◎ セットポイント(*ダイエットとの関与)
ホメオスタシスは体重(体脂肪の増減など)にも働き、体重の『セットポイント』というものを作っていて、血圧や血糖値が上がりすぎないようにするのと同様に、食欲についても自動調節してくれることがわかっています。(*自律神経と内分泌(ホルモン)は空腹感と満足感を作ります。)
摂取カロリーの増減などに応じて「レプチン=食欲の抑制」「グレリン=食欲の増進」といった食欲に関わるホルモンの量が変わります。
また、このセットポイントは、およそ40~70%が遺伝で決まっていると考えられていて、双子が同じ総カロリーを食べたとしても、遺伝の違いによって4倍も脂肪がつくペースが変わることもある研究結果もあります。
遺伝による太りやすさの違いがあったとしても本来は人間の体は太らないようにできています。
野生動物や現在、存在する狩猟民族の多くに肥満がないことを考えると、食事の安定した供給率や食材の偏りを考慮したとしても生物が太るということは不自然だと考えられます。
現代社会における生活習慣を考えると自然と言えます。
本来は、、、
◎ 乱れる(崩れる)とどうなるのか?
ホメオスタシスが正常に働いていないことで起こる具体例が次のようなものです。
・お腹がいっぱいなのにデザートを食べてしまう。
・毎朝(いつでも)甘いものが食べたくて仕方ない。
・お腹いっぱいになるまで食べないと満足できない。
・食べても食べてもいつも何かを食べたいと考えている。など
こうした状況であれば体重調整に関わるホメオスタシスが機能していないため、太りやすい行動を習慣にしてしまいます。つまり、人が太ってしまう根本的原因はこの食欲を自動で正常値に戻してくれる(ホメオスタシス)が機能不全を起こしていることにあるのです。
だからホメオスタシスの機能を改善してセットポイントを正常に戻そうという話です。
ここでは『太っている体にセットされる方法』と『セットが乱れてしまう方法』それらの対策や対応を紹介します。
A.太っている体にセットされる理由
・遺伝的な要因
両親が肥満傾向にあると遺伝的によるインスリン反応や母体感染による腸内環境に大きな影響を与えます。幸せホルモンであるセロトニンの90%は小腸で作られるため、腸内環境が悪いとセロトニンがうまく作れません。不足することで食欲の増進(抑制効果があるため)や鬱などの精神疾患の発症にも大きく影響します。
セロトニンの生成、分泌の簡単な方法は以下の通りになります。
『腸内環境の改善』
『ビタミンB6/B12、葉酸、亜鉛の摂取』
『朝日を浴びる』
『朝食時にトリプトファン(バナナ、卵、納豆など)の摂取』
『歩行や縄跳びなどの軽いリズム運動』
✳︎ 朝食をよく噛んで食べて、歩きましょう(買い物や出勤時)ということですね(笑)
・幼少期の生活環境
上記と関わる内容になりますが、子どもの頃の食生活やストレス値なども影響してしまいます。
これらは、大人になってからの生活習慣にも大きく影響を与える原因になりますが、今から変えることはできないものなので無視して良いものになります。
ただ、成果が出てくるスピードの過度な期待を持たなくなる一つの指標になります。早さを求めすぎる方は、ゆっくり変えていこう!と切り替えてくださいね!
・太っている期間
長期における太る生活習慣は脳が正常反応できずに、誤作動を起こしやすくしてしまいます。
脳の報酬系が刺激されることで依存し、特定のホルモン分泌(インスリンやレプチンなど)が大量に行われ続けることで、正しい反応ができなくなってしまいます。代表的なものとして『レプチン抵抗性』があります。
いったん肥満になってしまった方のなかには、いくら食べても空腹感がおさまらず、逆に代謝は下がって脂肪が燃えないって状態になってしまうのが、レプチン抵抗性と呼ばれる現象です。
ホルモンのバランスが崩れちゃった状態。レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脳に「満腹」という情報を伝える役目を持っております。
そのため、本当なら脂肪が多いほど簡単に満腹感を得られるはずなんですが、「レプチン抵抗性」が上がると反応が鈍くなってしまいます。脳がレプチンに反応しにくくなるので、どれだけ食べても食欲がおさまらなくなるんです。つまり、肥満の人というのは、見ためはいくら太っていても脳のなかは飢餓状態と同じなわけですね。
B.セットが乱れてしまう方法
・脳の報酬型に強い刺激を送る食事
快楽物質のドーパミンが大量に出ることで空腹や満足感とは別の部分で精神的な依存傾向をもたらします。加工食品やファーストフードのような近代の食品には人工甘味料や食品添加物が多く、より甘く、濃く、美味しいと感じるように味がついています。その刺激に体と脳が勝てないわけです。結果的に脳への刺激が正常の快楽レベルを超えてしまいます。その結果、異常な食欲になるというわけです。麻薬や依存症と同じ現象ですので、それらを認め、誕生日や大切な方とのお食事などのイベントを除き、意識的に頻度のコントロールをすることから始めると良いです。
(代表的な食品キーワードは高脂質・高塩分・高糖質)
・バイキングやパーティーなど料理の種類が多い食事
脳のセットポイントを上げるものには『食事の多様性』が挙げられます。人は好物を見ることで胃の空間を広げ、食べられる内容量を増やします。これは別腹の仕組みですね。また、今までの経験などから見たものを美味しそう!と思うことで、脳が必要以上に欲してしまう点も挙げられます。食事のバラエティーが豊富になるほど食欲が増す事は、いくつかの実験でも確認されております。食事の多様性とカロリー摂取について研究した39の論文を調べたところ、いずれも食事の種類が多くなるほど、体重と脂肪が増える傾向が確認されたようです。人間を食物の種類が乏しい環境で進化してきたためバラエティーに富んだ食事を見ると脳が必要以上に喜んでしまうんです。
・睡眠不足
いきなり基本的なことですが、睡眠における健康効果。また、睡眠不足における健康被害は計り知れません。皆さんが思っている以上に身体作りに影響を与えます。
ストレス、内臓代謝、腸内環境、脳内メンテナンス、ホルモンバランスの調整など
これらのおかげで健康的に生活でき、これらのおかげで何事も行う余裕『行動力』と続けるモチベーションや楽しむ余裕『精神力』が保たれます。休養学の中でも最も大切な睡眠ですので、まずは睡眠時間の確保、難しい方は睡眠の質を下げないことを試してみてください。
睡眠時間は平均7時間を確保
様々な研究結果を元に基準とされる推奨睡眠時間は6~7時間です。
それ以下をショートスリーパー、それ以上をロングスリーパーと呼び、最も休息できる時間は個人差がある場合も多いです。現代社会の中では仕事や趣味などで、睡眠時間の確保が難しい場合もあり、限られた時間の中で最大の効果を得る為にも質の向上を目指すのが良いでしょう!
◎ 質の低下にあげられる代表的なもの
① ブルーライト
ブルーライトとは、波長が380~500nm(ナノメートル)の青色光のこと。
ヒトの目で見ることのできる光=可視光線の中でも、もっとも波長が短く、強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。
紫外線にもっとも近い強いエネルギーを持つ光がブルーライトというわけです。
パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明には、このブルーライトが多く含まれています。
ヒトの目の網膜には、光の色を感知する「錐体」と、暗い所でも明暗を感知する「桿体」という2つの視細胞が存在します。近年、この2種類の他にも「第3の視細胞」が発見され、サーカディアンリズム(体内リズム)をコントロールする役割を果たしていることがわかってきました。
この「第3の光受容体」は、460nmという強いエネルギーを持つ光のみに反応します。
つまり、ブルーライトこそ、体内リズムを整え、健康を維持する上で重要な役割を果たしている光ということになります。現代社会では自然界では浴びることのない頻度、時間帯に過度なブルーライトの刺激によって、本来の活動時間と休息時間のリズムを崩してしまいます。
これらは睡眠障害だけでなく、肥満、精神疾患、癌などにも影響があると言われています。
② 就寝前3時間以内の食事
睡眠中は深部体温を下げることで脳と身体を休ませる状態を作り出しています。
しかし、胃のなかに食べ物が残っている場合、内臓の活動は弱まりはするものの動き続ける必要があるため、体温を下げる障害となります。
また、身体が活動してしまうと、身体を休息し、脳の記憶・情報処理をするレム睡眠にも影響を及ぼすため、脳の機能を下げてしまう場合もあります。
体内に残る残留物は日中と違い、体温で保温されたまま長い時間をかけて、腐敗していきます。起床とともに内臓の活動が活発になると、腐敗が進んだ栄養素から吸収が始まる為、腸内環境の悪化と共に身体ストレスは大きくなります。
特に、分解・消化に時間のかかるものや、内臓負担が高いもの、腸内環境を悪化させるものは睡眠の質の低下だけでなく、直接的に健康への影響があるため、控えるのが良いと言えます。
③ 就寝前の運動
睡眠に大きく関わる自律神経の交感神経と副交感神経には定期的なリズムを刻む波があります。日中に交感神経を優位(覚醒)にさせることで、夜に副交感神経を優位(睡眠)の状態にしやすくする期待が持てます。これが日中の運動が健康に良いとされる理由の一つでもあり、脂肪燃焼や筋肉量を増やす要因にもなります。
しかし、就寝前の夜間の過度な運動(心拍数が急激に上昇するようなもの)は特に交感神経を優位にするため、入眠を阻害する恐れがあります。
また、睡眠時の体温上昇は睡眠中の休息機能を妨害する恐れがあります。
運動をする午後、18時以内に終了することが理想的と言われております。
ただ、運動する時間がそもそもない方も多く、自律神経の波を作り出すことができない生活の方も多いです。健康には欠かせない要素ですので上手に取り入れましょう。
④ アルコール(少量もNG)
アルコールを摂取すると、睡眠サイクルの中で、まずは深い眠りに入ってしまいます。
そのため、入眠だけがよく、約3時間後にアセトアルデヒドという毒素に分解される為、喉がかわき、交感神経が刺激され睡眠が浅くなってしまう現象が起こります。
最も大切な入眠後3時間以内のノンレム睡眠が十分に取れず、成長ホルモンの分泌量低下につながってしまう為、太りやすく痩せづらい身体、自律神経の乱れから疲れやすい・イライラする・集中力の低下などの症状に繋がります。
⑤ カフェイン
一般的には4~6時間以内の摂取を控えることを推奨されています。
遺伝的などの個人差があり、最近の研究では睡眠に影響が出ない(特に時間)とされています。しかし、実際に覚醒作用があるのは変わらず、朝1杯の緑茶で眠れなくなるケースもあります。精神的に飲んだから眠れなくなるという精神的なケースも考えられます。
基本、カフェインは蓄積されることはなく、健康な成人であれば3~4時間以内で排泄されますが、過剰摂取した場合は不眠以外にも焦燥感、不安やイライラの原因となり、頭痛や不整脈、または他の問題を引き起こす場合もあります。
機能を低下させない(セットポイントを乱さない)ためには以上のものを気をつけることと同様に、
正しくコントロールすることが必要です。その方法をご紹介します。
自律神経と内分泌へのアプローチ
・好き、気持ち良い、楽しいと思う運動を続けてください
・呼吸(自然呼吸・深呼吸)を意識した生活をしてみましょう
・ご飯(炭水化物)は食べましょう(腹八分目、少し物足りないくらいが良いです)
・食事には旬の野菜、間食やデザートには旬の果物を取り入れましょう
・睡眠を最優先してください
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