しんどくても何度も観たくなる映画
この映画はコマーシャルを観て知りました。
河合優美さんが呆然とした表情で空を見上げる明け方の街の映像がとても印象的でした。
ストーリーを考えると少し違和感がある言葉かもしれませんが、強く心を惹かれた映像でした。
たまに映像やポスターの景色、広告で使用されているフォントタイプ、音楽などで「どうしても観たい」と思ってしまう映画があります。
この映画がそうでした。
上映する映画館を調べましたが全国一斉公開ではなかったため、上演映画館の場所と上演予定期間を公式サイトでチェックしながらなかなか腰を上げることができずにいました。
上映映画館が決して近い場所ではなかったことや、娘の出産や請け負いの仕事の決算などが重なったこともあるのですが、腰が上がらなかった一番の理由は公式サイトなどで見た物語のあらすじでした。
母が亡くなってから少し不安定だった私にはちょっとしんどい内容かな、と思えました。
数日前に、他の映画を覗いてみようか、とアマゾンプライムを開いたとき、
プライム会員特典で観ることができるようになっていたことに気づきました。
後悔するかも…と思いながら観てしまったのは昨夜。
少しだけ覗いてみるつもりが、結局最後まで観てしまいました。
最初から最後まで気持ちが締めつけられたままでした。
いい夢を見ないだろうな…と思った通り、悲しいような苦しいような夢を見て何度も目が覚めました。
「やっぱり思った通り」と後悔しましたが、あの明け方の街と河合優美さんの表情の魅力には抗えませんでした。
ここでストーリーについては触れません。
私は事前に情報収集をしたのですが、偶然にもここで「あんのこと」という映画があることを知られた方がいたとしたら…、そして興味を持ってこの映画を観ようと思われた方がいたとしたら…ある程度のあらすじを知ってから観るか、先入観なく観るかをご自身で選んでいただきたいなぁ、と勝手に思ったりしています。。
(冒頭に予告編は埋め込んでしまってはいるのですが…)
ストーリーには触れませんが…登場人物それぞれの小説ができてしまうだろうほど、人が生きる…ということ、人生について考えさせられたことはお伝えしたいです。
最初から希望がない人生と、希望を持たされては取り上げられることを繰り返す人生とどちらが苦しいのか…とも。
あんが「希望」を手のひらに握り締めるようにして懸命に生きる日々が、私には美しく、ただただあんを愛おしく思いました。
以前に「不屈の夏」という映画について記事を書いた時につくづく思ったのですが、私はこういう感想を書くのがとても下手です。
読む人の感性によってどのようにも解釈できる映画や小説というのは、感想を書くのがとても難しく思います。
それでも映画を観た時の衝撃や感動をアウトプットしたくなります。
観るのはしんどいけれど、何度も観たくなってしまう。
「あんのこと」はそんな映画です。