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【恋愛シナリオサンプル】2人だけの放課後勉強会を始めたら

YouTube漫画動画向けのサンプルシナリオを作りました。

○登場人物

ヒロ子
主人公。高校2年生で学級委員長を務める真面目な女の子。大人しい性格で、大勢でつるむのは苦手。頼まれると断れないお人好し。

コウジ
ヒロコと同級生の男の子。髪を染めて、ピアスをつけているやんちゃそうな外見。文化祭でバンドを披露して以来、女子人気が凄まじい。

○あらすじ

学級委員長であるヒロ子は、数学教師からある生徒に課題を渡すように頼まれる。

ある生徒とは、数学の授業中にスマホに夢中になっていたコウジだ。

ヒロ子はコウジに課題を渡して立ち去ろうとした。

しかし突然コウジはヒロ子の腕を掴み、勉強を教えてほしいと頼む。

放課後、2人だけの勉強会が始まって……

・2000文字程度
・【名前】「」…セリフ
・【名前】()…心の声
・ ()   …ト書き
・      //            …背景、効果音

○シナリオ本文

//背景_学校の教室
//SE:チャイムの音/キンコンカンコン

【ヒロ子】「ちょっと、ねぇ、ねぇってば!」

【コウジ】「ああ? なんだよキーキーうるせーな——って委員長!?」

(スマホの画面を見ていたコウジはヒロ子の顔を見て驚き、スマホをパッと隠す)

【ヒロ子】「キーキー言って悪かったわね。もう授業終わったわよ。」

【ヒロ子】(うう……コウジくんって苦手なんだよな……バンドマンなんて私とは正反対の属性だし……)

【コウジ】「へ? 授業終わった? そ、そうか、じゃあ俺帰るわ。」

【ヒロコ】「あ、ちょ、ちょっと待って!」

(ヒロコは立ち去ろうとするコウジの首根っこを掴み引き止める。)

【コウジ】「ぐぇっ。おい、何すんだよ!」

【ヒロ子】「数学の授業中、先生の話をろくに聞かずにスマホに夢中だったんだって?」

【コウジ】「あー……いや、それは……」

【ヒロ子】「これ、数学の課題。先生からのサプライズプレゼントよ。」

(コウジの目の前に課題を突き出すヒロ子。)

【コウジ】「げっ!? マジかよ!?」

(課題をみて青ざめるコウジ)

【ヒロ子】「先生にコレを渡すように頼まれてたの。
      じゃあ、確かに渡したから。」

(そう言って立ち去ろうとした瞬間、ヒロ子はコウジに腕を掴まれる)

【コウジ】「おい。待てよ。」

【ヒロ子】「え? な、なに?」

【ヒロ子】(ヒェェェ……顔が険しい……怒ってる!?) 

【コウジ】「委員長……」

【ヒロ子】(やばいやばいぃぃ……まさか殴られる!?)

(ヒロ子はぎゅっと目を瞑る)

【ヒロ子】「苦情なら先生に——」

【コウジ】「数学教えてくれないか?」

【ヒロ子】「……へ? す、数学? お、教える?」

【コウジ】「なー頼むよ! 俺ひとりでこの課題やるの無理そうだし……
      委員長、頭いいんだろ!?」 

【ヒロ子】「はぁぁ……なんだぁ。」

(ほっとした様子で胸を撫で下ろすヒロ子)

【ヒロ子】「う、うん。いいよ、教えてあげる。」

【コウジ】「ほんとか!? ありがとう!」

(コウジは無邪気な笑顔を浮かべてヒロ子の顔を見る)

【ヒロ子】「う、うん。ほ、ほら早速勉強始めるよ!」

//時間経過

【コウジ】「えーっと……次の問題は……あ〜分かんね〜。」

【ヒロ子】「どれどれ? ああ、この問題はさっきの応用で——」

【コウジ】「ああ、なるほど! じゃあこの公式を使えば解けるのか!」

【ヒロ子】「そう! 分かってきたみたいだね。」

【コウジ】「まぁ、俺って天才だからさ〜。」

【ヒロ子】「まったく、調子いいわね。」

(呆れた顔を見せて笑う主人公)

【コウジ】「まぁ、それは冗談でさ……マジな話、委員長の教え方が上手い
      からだよ。」

【コウジ】「ありがとな。」

(急に真剣な顔になり、ヒロ子の顔を見つめるコウジ)

【ヒロ子】「え……う、うん。」

(少しびっくりした様子で思わずうなずく主人公)

【コウジ】「よしっ! じゃあ勉強の続きするか!」

(コウジは真剣な顔から笑顔に変わりヒロ子に言った)

【ヒロ子】「う、うん! そうだね。」

【ヒロ子】(急に真剣な顔するから驚いた……)

//時間経過

【コウジ】「よっしゃ〜! やっと課題、終わった〜!」

(背伸びをするコウジ)

【コウジ】「こんなに早く終わるなんて委員長のおかげだな——」

【ヒロ子】「すぅすぅ……」

(コウジはヒロ子が机に突っ伏して寝ていることに気が付く)

【コウジ】「なんだ……寝てんのかよ……
      ……ったく、人の気も知らねーでのんきなもんだな。」

【コウジ】「そうだ——」

(コウジはヒロ子の寝顔を写真に撮ろうとスマホを取り出す)

//SE:シャッターを切る音/カシャ

【ヒロ子】「うう〜ん。むにゃむにゃ……」

(ヒロコが起きたことに気付いたコウジは慌ててスマホを隠す)

【ヒロ子】「……はっ! もしかして私……寝てた?」

【コウジ】「ああ、寝てたな。」

【ヒロ子】「えぇ〜うそ……恥ずかしい……」

【コウジ】「安心しろ。委員長の寝顔はバッチリ記録したぞ。」

(意地悪そうに笑いながらコウジはそう言うと、スマホの画面をヒロ子に見せた)

【ヒロ子】「ちょっと!! なに勝手に! そんな写真消してよ——」

【ヒロ子】「……ってこの写真……」

(コウジのスマホの画面を見たヒロ子は驚いたように画面を見つめる)

【コウジ】「……え?」

(ヒロ子の反応を不思議に思ったコウジはスマホの画面を見る)

【コウジ】「あ……こ、これは……」

(みるみる顔が赤くなっていくコウジ)

【ヒロ子】「この写真って、授業中の私……だよね……?」

【コウジ】「え、え〜っと……そ、そうだけど……」

(しどろもどろになるコウジ)

【ヒロ子】「……どうしてこんな写真撮ったの?」

【コウジ】「それは、その〜え〜っとですね……」

(怪しむようにコウジの顔を覗き込むヒロ子)

【コウジ】「……あ〜もうっ! 分かった、言うよ!」

(諦めたように髪をくしゃくしゃとかきあげるコウジ)

【コウジ】「委員長があまりにも真剣な顔だったからさ……
      だから……撮ったんだよ。」

【ヒロ子】「……なにそれ。からかおうとしたの?」

【コウジ】「ち、ちげーよっ! 
      ……可愛かったんだよ……委員長の横顔が!」

【コウジ】「だから……思わず撮っちまったんだよ。」

(恥ずかしそうに下を向くコウジ)

【ヒロ子】「……へ? それって……?
      まさか……数学の授業中にスマホを見てたのって……」

【コウジ】「あ〜もうっ! そうだよ!
      委員長の写真をずっと見てたんだよ!」

【コウジ】「くそぅ……こんなはずじゃ……もこうちゃんとした形で……」

(コウジは思いついたように顔をあげる)

【コウジ】「もとはと言えば〜全部委員長のせいじゃねーか!」

【ヒロ子】「へ? わ、わたしのせい?」

【コウジ】「そうだよ!数学の授業に集中できなかったのも、スマホの写真
      を間違って見せたのも!」    

【コウジ】「委員長がいちいち可愛い顔するのが悪いんだろ!」

【ヒロ子】「そ、そんなの言いがかりだよ!」

【コウジ】「い〜やっ! 委員長が悪い!」

【コウジ】「だからさ——」

//SE:ドンッ

(机に両手をつき、ヒロ子の顔にめいいっぱい近づきコウジはささやいた)

【コウジ】「責任とって、俺と付き合えよ。」


——完——


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