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「バックオフィス」とは何ぞやシリーズを始めてみる。

 スタートアップに入社してみたら、会計周りやら備品管理やら契約書管理やらいわゆるバックオフィスをやることになったけど、一体バックオフィスって何なのさと思っている方やこれから社会に出る学生さん向けにバックオフィスの役割、各機能の解説や実務上覚えておくべきポイントなどつらつら書いていくnoteを始めたいとふと思いました。
 どうやって業務をすすめたらいいのか、どうやってキャリアを考えていったらいいのか悩んでいる方の参考になれば幸いです。

企業のなかでのバックオフィスの役割

バックオフィスとは、フロント(営業部門など)と違い直接お金を稼いでくることはありませんが、会社が成長、存続するための仕組みを整備し、従業員が安心して働くための環境を提供する部門です。コーポレートと呼ばれたりすることもあります。
一定以上の規模になると機能別に専任(兼任も含む)となりますが、最初はこれらをひとりで一手に引き受けていることが多いです。

どんな機能があるの?

まずはお金周りから。
【経理】は日々の売上や使った費用などの情報を会計ソフトなどに入力し、会社が経営判断をするために必要な経営状態の分かる資料を作成する、というのが本来の業務です。毎月決まったタイミングで経営状態を把握するための「月次決算」と、年間で把握する「年次決算」があり、年次決算の結果は税理士さんを通じて税務署に申告し法人税や消費税を納めます。
【財務】は実際にお金を動かす業務を指し、たとえば取引先への支払も財務の仕事ですし、銀行や投資家からお金を調達する仕事も財務業務の範疇です。

経理と財務は小さな会社ではもれなく一体化しています。IPOの準備を始める段階になると、会計情報を登録できる経理とお金を動かす財務が一緒だと不正が出来てしまうので「財務と経理は分けてくださいね」となって初めて担当が分かれることがほとんどだと思います。

【経営企画】は会社が成長してくると出現します。会社が成長していくためにどういう経営戦略に基づいて経営計画を立て、どうお金を使っていくかやどのタイミングでいくらくらい必要になるかの「予算」を策定したり、実際に予算に沿って運営されているかの管理を行ったりします。
会社が小さいうちは経営陣+経理でこの役割を担っていたりもします。

次に人に関するものを。
【採用】は言わずもがな、従業員の採用を行います。どんな会社も立ち上がったばかりころは経験者を採用する「中途採用」のみ行っていることが一般的で、会社が大きくなり人を育てる余裕が出てくると「新卒採用」も始めます。最近は採用の手法も増えてきて、媒体(リクナビなど)やエージェントだけでなく、SNS(Twitter、Bosyuなど)や従業員に知人を紹介してもらうリファラル、いったん退職した人を再び採用するアルムナイなどがありますし、媒体やエージェントも職種に特化したり、スタートアップに特化したりなど細分化されてきています。
【労務】は従業員の勤務時間を管理し給与計算を行ったり、従業員やその家族が病気になったとき、業務上で何か事故があったとき、結婚したり子供が出来たときなどの必要な手続きを行います。おそらく会社の中でいちばん従業員ひとりひとりに寄り添う仕事です。
労働に関する法律や手続きは煩雑なので、給与計算や手続きは外部(社会保険労務士さん)にお任せし、社内では窓口業務だけをしていることも多いです。
【制度】は会社が大きくなっていくと必要な人事評価の仕組みを構築したり、実際に評価制度を運用していく業務です。企業の業態や規模によって違う評価するために適した仕組み、評価基準を考え、運用しながらブラッシュアップし、会社がスケールするために必要な人材を確保できる枠組みをつくっていきます。

そのほかの機能を一手に引き受ける部署として
【総務】があります。
総務の業務は一言でいうと「会社の中の落ちてるボールを拾いまくる」で、
備品やネットワーク関連、PCなどIT周りの管理、オフィスの管理や移転、契約書管理、株主総会や取締役会の運営、会社イベントの運営など多岐に渡ります。具体的には経営陣・株主とのやりとりからトイレットペーパーの補充、会社主催の忘年会の手配などは総務の仕事になります。何なら秘書を別に置かなければ経営陣の接待のお店手配やスケジュール管理なども含まれます。また、契約や法律まわりの業務に関しては会社が一定規模になると【法務】という名の専任が誕生します。
IT周りに関しては【情シス】として早くに専任を置いたり、外注する会社も最近は多い気がします。

バックオフィスとして生きていくために

バックオフィスとして生きていくためには、ゆくゆくこの機能の中から自分がどこに特化していくか選び取っていくことが大事だなと思っていますが、そもそもどの機能も少しづつ被っていることもあり、特化しようと思っている機能の理解を深めるために他の機能を学ぶことも大事だったりします。また、専門家や作業的な部分について外注などパートナーをつかって業務を進めていくのであれば、より一層それぞれの機能がどのように関係してくるのか理解していることも大事な要素です。
次回からは各機能別におさえておくポイントなどについて書いていきたいと思っています。

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