共通の判断軸があると、チームはまとまりやすい
私たちが考える「いい園」とは?
僕らは創業時から保育業界専門にチームづくりのご支援をしており、「いい園」の定義を下記のように定めています。
いい園とは、「自法人の大切にしている価値観の共有度が高く、心理的安全性の高い園」(ここで言う価値観とは、「経営理念や保育理念、保育方針、行動指針」のことを指します。)
今日はその定義の1つの軸の価値観の共有度、の話をします。
園でよく起きるコミュニケーションのエラーのひとつに「保育観の違いからくる関わり方のズレ」あります。例えば、
「滑り台で逆さのぼりをしていいかどうか」
「人がいなければいいんじゃないか?」という人もいれば、「滑るものなんだからダメだ」という人もいると思います。
私が思うに、保育観には正解・不正解はありませんが、自分の保育観があたかも「正解」と捉えてしまい、それを押しつけてしまい、衝突や陰の対立(本人には言えないけど、他の人に愚痴る)に繋がっていくケースをよく見てきました。
こういった場合に大切なのが、「園としては、どうなのか?」です。どこの園にも理念があると思います。例えば、
保育理念:「子どもをまんなかに考える」
そのために、どのようなことを大切にするのか?が保育方針や保育をする上でのスタンス(心構えや姿勢)です。
1人ひとりの個性を大切にする。
子どもたちの「やりたい」を叶える。
どうすれば、できるのか?を一緒に考える。
上記のように明文化されていると、「具体的に日常の保育」ではどのように立ち振る舞ったら良いのか?が見えやすくなります。
逆にこれらがあっても、日常的に「自分たちの保育は理念や方針に沿っているのか?」を照らし合わせる(ふりかえる)仕組みがないと、絵に描いた餅状態になります。
よくあるのが「他の法人から転職してきた声の大きい人」や「職歴が長い人」がスタンダードとなり、園が本来大切にしたい保育とはかけ離れていっているケースです。
こう言った時に大切なのが、僕が言うには職員会議やクラス会議、行事終わりにふりかえれるような仕組みにしておくことと、仕事をする上での職員同士のスタンス(姿勢・心構え)も作っておくことです。
何かが起きたら、当事者同士で本音で話し合う。(陰口を言わない)
常に理念とスタンスをもとに考える。
職員同士のスタンスを作っておくことで、よりまとまりやすくなります。
最後に
僕らが園の価値観を明文化するためのご支援をする際は、5つの枠組み(保育観、保護者観、職員観、地域観、組織観)で考えていただいてます。(5つの枠組みをもとに考えると、整理しやすくなります。)
参考までに、私たちがお客様と一緒に考えている問いの一例を紹介して終わります。(こういった問いを経営者とのインタビューや幹部職員とのワークショップで深めていきます。)
自園では、「子ども」をどんな存在として考えていますか?(保育観)
保護者にとって、どんな存在でありたいと思っていますか?(保護者観)
「うちの保育園らしい」「理想の」職員を想像した上で、
共通する行動や言動はどんなことがありますか?(職員観)
地域の中で、自園はどのような存在でありたいですか?(地域観)
自園の存在意義、使命は何ですか?今後、社会にとってどのような存在になりたいですか?(組織観)
これらの問いに答えていただくことで、大切にしている想いや考えの解像度が上がっていきます。
何か少しでもこの記事が参考になれば、嬉しいです。