組踊を初めて鑑賞して
今年の1月なので、もう半年以上前になりますが、沖縄に飛んで、伝統芸能である組踊の公演を鑑賞しました。しばらく沖縄に住んでいた身内がよく見に行っていたらしく、私も長く沖縄の歴史や文化に関心があるため、わざわざ沖縄まで見に行くことにしました。
会場の国立劇場おきなわは、浦添市にあり、那覇バスターミナルからは20分くらいの道のり。勢理客というバス停から5分ほど歩くと、独特な建築様式の大きな建物が現れます。一体は「組踊公園」として整備されており、開場公演にご臨席された現在の上皇陛下の御製の石碑もあります。建物は大小の劇場、後継者の教育施設から成っており、さながら組踊の殿堂といった感じです。
国立劇場おきなわ開場20周年とのことで記念公演が多く組まれており、私が見たのは「祝いの宴」という、若手から人間国宝の大御所まで揃った、正に総花取り、揃い踏みの公演でした。思ったより分かりやすく退屈しませんでした。
記念公演ということで、多数のマスコミ各社の取材も入った公演、「神歌(おもろ)・こねり)」での神々しさ、「入子躍」での若さあふれる集団の踊り、「かぎやで風」、人間国宝の大御所による貫禄ある芸でした。
そして後半の新作「祝寿の舞」、母の73歳の生年を祝うという題材での、まさに踊りの饗宴。様式を感じつつ、多彩さもありました。まさにお祝いならでは華やかさでした。
なお、記念公演後には小劇場で開催された新作組踊戯曲大賞の表彰式に参加してきました。沖縄の芸能がこのような形で継承されていく大切さを見ただけでなく、組踊の想像以上の深さ、魅力に触れた機会でした。しばらくして、国立劇場おきなわ友の会にも入会しました。なかなか機会には恵まれないと思いますが、ある意味日本の持つ多彩な文化芸能世界の一つである組踊、今後も見ていきたいと思います。
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