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大人で子供な17歳を生きる推しと、17歳だった私と。《ののかまると犬の散歩~すくすく成長中~》

大人のようで子供な。
子供のようで大人な。

強くて脆くて、儚い。
そんな曖昧な瞬間を生きる彼女が、
私の胸を突き刺している。



風見和香、17歳。


13歳、加入当時中学2年生だった推しは、
いつの間にか高校2年、
いや、中学5年になっていて。
私が彼女に出会った16歳という年齢を越してることに気づいた。


華のseventeen!!
なんて言われる歳だけど。

推しよりほんの少し早く生まれた私が17歳の頃には、
華なんて呼ばれた記憶も思い出も何一つなくて。

それでも、
その一瞬を笑顔で謳歌してる彼女に
存在しなかった青春を重ねている。


17歳、と27ヶ月。
私は何か変わっただろうか。


変われたんだろうか。


午前6時、生誕祭に向かうため家を出たとき
ふと思ってしまった。思い出してしまった。

ちょっとだけ、苦しくなった。



でも。

「努力は必ず報われる」


いつの日からか嘘だと思い込んできたこの言葉だけど。

彼女に出逢って、応援している今だからこそ、
もう一度、信じてみようと思った。

私は私立恵比寿中学えびちゅうヲタクだ。
通称、えびちゅうファミリー
2024年8月25日17歳となった風見和香(ののかまる)推しであり、ののかまるの犬(ファン名称)である。


9月。まだまだ日差しも強くて暑い。

春ツアーも終わって夏の恒例ライブのファミえんも終わって。
過ぎ行く時間があっという間すぎて信じたくはないけど、駅前のマックで月見バーガーを売り始めてた。


秋ってことなんだと思う。(朝並んで買った)


春に北海道から引っ越して、いつの間にか夏が終わった。
こっちの生活にもだいぶ慣れてきたけど、
夏休みなんてバイト漬けで朝から夜までヘロヘロだし、
暑さで干からびそうになりながらオタクしてる。

大学デビューするぞ!なんて意気込んでいたけど、
結局私は変わってないんだな。

静岡から横浜。
近いと思い込んでいたけど案外遠いよなぁ、なんて。
月見マフィン片手に高速バスに乗り込んだ。




「最前です!行けないのです。」



そう連絡があったのは、
生誕ソロライブの席がわかった日。

バイト疲れてふわふわした無感情でTLを眺めていたその時、
届いたDMでぎゅぅん!と現実に引き戻され目が冴えた。

チケットのスクショには
B列、と確かに書いていて。(A列は潰れるため最前はB列)

いつもお世話になってるファミリーからの連絡だったのだが
どうやらお仕事で行けなくなってしまったそうで。


風見和香生誕ソロライブ ののかまると犬の散歩


去年は泣く泣く行くことが叶わなかった生誕祭。
3回目の開催にして私は初参戦になる。


元々自分が持っていたチケットは、
悪くもないけど周り次第で埋もれるだろうな…という席。

中学生の頃からサイズのほとんど変わらないミニマムなこの体は
ライブハウスには特に不向きで。

肩と肩のわずかな隙間から推しを追いかける目線。
スタンディング前方(TIF)では呼吸するのもやっと。
見えればいい。できれば、近ければ嬉しい。それだけ。


最前。B列。


つまり、遮るものは一切なく、
目と鼻の先で風見和香が歌い踊り話すという世界。

そんな世界、今まで見たことない。


ほ、本当にいいの……?
喜びなんかより、後ろめたさと申し訳なさでいっぱいで。
両親と心許すオタクに相談し悩みまくる。

「いいんですか…?」と返信すると
「最前引いたらその推しの知り合いに譲ろうと! 盛りあげてきて!」と…!


こりゃもう、この想い背負うしかない。
楽しむ他答えはない。

こうして、元々持っていたチケットを
風見さんが気になっているという方に譲り、
最前の景色を目に焼き付けることにした。
(スロウさん本当にありがとうございました)





そわそわしているうちに横浜へ到着。
迷子になってるところを会場まで案内してもらったり、
おいしいごはん連れてってもらったり…

午前中に着いたのにあっという間に物販の時間になって
会場前にはたくさんのえびちゅうファミリーで溢れていた。

お久しぶりな方やずっとお話ししてみたかった方ともおしゃべりできて
生誕初参戦が最高現場と化した。

新高島駅にいたののかまるさん(Let's Go!!)
その隣にいた風見和香さんと翌日の生誕ライブに急遽行くことになる桜井えまさん(アツアツ)
お花(愛!!!)


ここからはライブレポートを!!

と思っていたのですが。


今まで感じたことない幸福感により
文字数を抑えきれず。
このままだと恵比寿駅のポスターをガチで使うことになる
長編小説「ののかまると犬の散歩③」が出来上がってしまう…


なので、毎度のことで申し訳ないのですが…

詳しいレポは音楽ナタリー様をご覧ください。
(かわいい写真もいっぱいありがとうございます)


私は、私の目で見たものを、
私の耳で聴いたものを、
感じたものを、つまんで書こうと思います。





「新しいことにも挑戦しますよ!」


そう、TikTokに書き込んでいた6月15日。

それからしばらくした8月25日、誕生日当日に
「風見和香、生誕祭で弾き語りします!!」と本人が配信で発表した。


…おっと。


予想(という名の願望の塊)、大当たり…(泣)


5月頃に「最近ピアノ弾いてるんですよ~」
と話してたこともあって
もしかしたら弾き語りとかあるかもな予感はしてたけど…

まさか本当に夏のハードスケジュールの中でやるとは!!
(しかも2曲)

今年は春ツアーが7月末まであって、
8月頭はTIFや15周年イベント、
そこからファミえんと立て続けにライブが続いてる中で
「新しい挑戦をする」という選択をしたこと。
改めてストイックだし、すごすぎる。尊敬。


ライブ中盤、「次は弾き語りを〜」と話しながら
スタッフさんがステージ下手にキーボードを設置し、楽譜を広げた。

音がピアノにならない!みたいなプチハプニングも重なり、
今までノーミスでできたことがないとか止まっちゃったらごめんなさいとか、ちょっと早口になって不安を口にするののかまる。
相当緊張していた。正真正銘17歳の女の子だった。


頑張れー!

頑張るよ…!


椅子に座ったその瞬間、
会場の空気がすーっとひんやりして、
ただその一点を、全員が、
息を呑むように見守る。

緊張感が走る。



響く。



『変わらないもの』

透明で突き抜けた高音が
奏でられている音色とともに
体にゆっくりと浸透していく。

彼女の緊張が伝わってさっきまでこっちもガチガチだったのに…
急に全身の力が抜けてしまって。

緩んでしまった隙間から
ふと、得体の知れない何かが
流れ出てしまいそうで。


私のいた上手側前方の客席ではキーボードの前に立て掛けた楽譜で体が隠れ、足だけが確認できる。

「変わらないもの 探していた」
「あの日の君を忘れはしない」

スクリーンにはエモさを引き立てる背景に歌詞が流れる。

見えないけれど、そこにいて。
奏でていて。歌っていて。

きっと、優しい顔をしていたんだろうな。
歌声とともに頭の中に彼女の優しい笑顔が浮かんでいた。



『晩餐歌』

コード進行ではなく、歌とは別ラインのメロディーを同時に弾く形。
明らかに難易度が上がっている。

後から調べてみると歌手のtukiさんは15歳。高校1年生、らしい。
…え!!のんちゃんより年下!??08!??私の3つ下!???
これまた時代を感じる。令和だ…

先ほどとはまた違い、芯のある力強さを感じる。
あんなに緊張してたとは思えない音色と歌声。

一度も止まることなく駆け抜け、
もう、さすがとしか言いようがなかった。



体が宙に浮いた感覚でいると、
いつの間にか、大きくて柔らかい拍手が会場を包んでいた。




「これが最後の曲です!」


あっという間に最後の曲に。
イントロが流れ出した瞬間に
心臓がぎゅっと締め付けられる感覚になる。

私の青春が、そうさせてるんだと思う。


ポップコーントーン



大好きな曲。大切な曲。

私が17歳だったとき、
すごく救われていた曲。

年度初めに#えびちゅう(エビ中)履歴書 を書くのが春のファミリー風物詩みたいなところあるけど、
好きな曲の欄には絶対に「ポップコーントーン」と書くくらい、好き。

この曲のパフォーマンス中は撮影可能ということで、曲が始まるなり一斉に会場中の犬たちがスマホやでっけぇカメラをステージ中央に立つ風見和香に向けた。

私自身、撮影可能なライブ現場は初めまして。
自分のスマホに自分の撮った推しが記録されることが嬉しくて嬉しくて。
今じゃSNSが当たり前に普及して常にたくさんの動画や写真が回ってくるけれど、やっぱり私の見た記憶が薄れず自分の手元に残ることはありがたい限りである。

(傲慢になってしまった自分に悲しく淋しくなるけど…)

お高いカメラでも画質の良いiphoneでもない、でも遮るものが一切ない環境。
こんなこと、きっともう二度とない。


私の目はスマホのカメラになった。

画面越しに見るのんちゃんはアイドルで。

当たり前のことだけど。
目の前にいる彼女がスマホの中にすっぽり入ってて、小さくて。
夢みたいで。
ほんの数メートル先にいるこの子は"アイドル"なんだと
改めて気付かされたというか。

心の支えなんだと、思い出したというか。


あの日も、
私が17歳だったあんな日も、
この曲を聴いて救われて。
風見和香さんを見て、もうちょっとだけ頑張ってみようって。


いろいろあって心がやられてた時期。
17歳の記憶は良い思い出ではないし、
これから先で良い思い出に変わることでもないけれど。

今の、17歳の風見和香が歌ってくれることで
笑って話せる話になる。そんな気がする。笑



スマホで数枚だけ撮ってから、
下に置いていた重たいフィルムカメラを持ち上げる。

じいちゃんのカメラ。コニカⅢ。お下がり。

どうやら1958年頃に発売されていたものらしく
カメラについての知識が全くなければ、説明書もない。
ネットで調べた知識だけで、なんとか撮ってみてる。


昨年、大好きだったじいちゃんが空に旅立ってしまった。
亡くなる直前に押し入れから出てきて、譲り受けたこのカメラ。
弱り切ったじいちゃんにカメラの話は聞けなかったけど、
父曰く、旅行好きだったじいちゃんは世界中に持って行ってたらしい。

大切な人が、大切な人を、景色を残したカメラで
私も大切な人や景色を残したい。

カシャ、カシャ、とフィルムをレバーで送り
カチッとシャッターを切る。

何が撮れているかはわからないし、
シャッター速度なり露出なり間違えると真っ白な写真ができあがる。

ISO400 F4 1/125

今でもよく意味は理解できてないしほぼ勘な呪文。
ただ、現像してみたらこの目で見たより青みがかった一瞬が
しっかりと写されていた。


夢中になってシャッターを切ってるうちに曲も終盤に。
しっかりとこの体についた二つの目でも焼き付けたくてカメラを置く。


広い空の下で もう一度笑う


瞬きを忘れていた。
忘れていたはずなのに、
目が熱くなって、ぼやけた。

よく見えなかった。


我に返って瞬きすると、やっと彼女が見えた。
頬を伝う生ぬるい液体を手首に巻いたラバーバンドで拭く。


目の前で歌う風見和香は、
カメラなんかに納められないくらい大きくて。
キラキラ眩しくて。
無邪気で、子供で、でも、私なんかより大人で。


紛れもなく青春だった。
彼女の、いや、会場にいた私たちの、青春になった。



16歳の目標は「自分らしさを突き詰める」だった彼女の
ゴールを見せてもらったと同時に、
あの子らしい17歳の幕開けだった。





「シマまるさん、ののかまるってどんな子ですか?」


よく聞かれることがある。


一言で風見和香のキャラクターをわかりやすく表すなら
MCコーナー「No.1を当てよう!」「風見和香の推しポイント」
「努力家」である、ということだろう。

ブログより

17歳の目標は「変化を恐れない」
変化することにはきっと挑戦や努力が不可欠である。
(何もしない、というのも一変化だけど)

でも、
こんな世の中だ。



努力なんて早々報われない。



どれだけ頑張ったところでどうにもならないことなんて
この世の中じゃ星の数ほどある。


努力して、

努力して、、

努力して、、、

やっと…!!!
目指すものを掴みとれるところまで来ても、



生まれ持った才能や
運に勝てないことなんてたくさんある。



まだ何も知らないような13歳の彼女の姿を
画面越しに見てきてしまったし、
コンセプト的にずっと中学生だし。

いつもニコニコ笑ってるところしか見せないから
どうも私は「まだ17歳」だと思ってしまうけど。


知ってる。

もう、17歳なのだ。


17歳は、そんな子供じゃない。


こんなこと知らないでほしい。
そんな綺麗事みたいな願望と裏腹に
17歳の推しは、風見和香は
とっくに気づいてしまっているだろう。


悩み事だってたくさんあるだろう。
嫌なことだってたくさんあるだろう。
それでも表舞台で歌い続けてくれて
ずっと笑っていてくれて。

アイドルだって人間なわけで。
溢れる感情にもみくちゃにされて
もしかしたら、消えたくなる日だってあるのかもしれない。

(あれもこれもオタクの勝手な妄想だけども。)



風見和香さん。


でもね。

これだけは言わせてほしい。



君が「頑張ります」と言って、
頑張ってる姿を見て、
救われた人はいっぱいいるんだよ。


ここにいるんだよ。



あなたはよく
「〇km走ったんです!」
「最近こんなこと頑張ってて~」
とお話ししてくれて。

だから私も頑張ってみようって思えて。

それだけじゃなくて。
見せない努力もあることも
ちゃんとわかってるよ。

その中には結果として報われていない努力も
きっといっぱいあって。


コンシーラーで隠した面皰。
スカートから伸びる脚筋。
TikTokで不意に見えた掌の傷。


かっけぇよ。


かっこよすぎるのよ。



頑張ってる。

頑張ってるよ。

頑張れるって
すごい、本当に。




「風見和香はどんな子ですか?」と聞かれれば、
今の私のアンサーは

努力家で、何事にもまっすぐで。

自分で決めたことはやり抜いて。
ブログやTikTok、インスタやYouTubeも
供給が何もない日がほとんどないようになってて。

あっ、でもちょっとめんどくさがり。笑

いつも表情がうるせぇくらいにコロコロ変わって。
パフォーマンスもみるみるうちに伸びていて。

おもしろいことが大好きで
普段普通そうにしてるくせに(言い方!笑)
自分の生誕祭で変なおじさんになっちゃうくらい
頭のネジぶっ飛んでて。

羨ましいくらい家族仲良しな
かわいい末っ子ちゃんで。
家族を愛していて、愛されてる。
家族が配信乱入すると出てった瞬間に
「いつもはあんな声じゃない!」って顔真っ赤にして悪口言って。笑

クーちゃん(風見家のわんちゃん)のことが本当に大好きで
私たちは犬になっちゃったわけで…笑

あとね!あとね!!

やったら走るし、やったら食う。

料理特訓中。

手がすごく綺麗。

好きな少女漫画の話し出すと止まらない。


書きすぎか…もっともっといっぱいある。
まぁ、まとめると、頑張り屋さんなちょっと変な子。


あくまで私の見ているのは
17歳で私立恵比寿中学のメンバー
風見和香の姿、でしかないが。

(本当は裏でめちゃくちゃグレてる…とかだったらおもろいなって思う。笑)



努力は必ず報われる。

とは言い切れないけど。
報われない努力だって確かにあるけど。

(そもそも、報われるということが
どういうことか私もわかってないけど。笑)


風見和香の努力は絶対に報われる。
あんなに頑張ってんだ。そう信じてる。
幸せでいてほしい。笑って過ごせる日々が続きますように。


風見和香さん。

でも、
どうか、無理だけはせず。

たぶん無理してるときは自分で気づけないだろうから
風見家の皆様なりメンバーやスタッフさんなりが止めたときは
ちょっとだけ一休みしてくださいな。



17歳。
来年で成人。どんな大人になるんだろう。

結構時間経ってしまったけど、改めて。
お誕生日おめでとう。


かわいい
えらいよ
応援してる
楽しかった
無理せずにね

いつもSNSのコメントにはそんな言葉しか紡げない。
不器用すぎる。
こんなクソ長いnote書くならもうちょっとマシな言葉送りたいのに…


でも、本当はこのnoteだってすごく単純で。
伝えたいことはきっと一つしかない。


だから、それで締めようと思う。



ありがとう!おめでとう!!

頑張れ、のんちゃん!!




大好きです。
私も大学頑張ろっと。

風見和香の犬
シマまる

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