ベートーヴェンのアトリエ
コンビニでバイトをしている大学生佐々原律はバイト先にいつも買い物に来るサラリーマンにほのかな思いを寄せていた。気むずかしそうな見た目から、律はその人にベートーヴェンさんとあだ名をつけていた。ところがここ数ヶ月、姿をみかけない。バイトを辞めようかと思っていた矢先に、久しぶりにベートーヴェンさんが買い物に来た。しばらく見ない間に雰囲気が随分変わっている。その日のバイト帰りに表で声をかけられ、絵のモデルを頼まれる。
ベートーヴェンさんの名前は人見靖彦といった。
描くことと歌うこと、表現者二人の共鳴し、ひとつの物語となる。