奥ゆかしき美
香梅、観梅、零れ梅
ある雑誌で学んだ言葉です。
春の訪れを香りで知らせ、楚々とした花を楽しませてくれたあと、ひっそりと花を落とす梅。
何とも趣のある言葉です。
寒さが身に染み入るなか、ほのかな香りとともに、凛とした姿を現し、その姿は人々に春へのときめきを与えてくれる。
そして、心に春への想いを温めたあと、その温もりを冷めさせぬようにと静かに去ってゆく姿。
控え目で、身を引く姿は桜のようにけっして派手ではないが、しっかりと人々の心に存在を残してゆく。
その姿に奥ゆかしき美を感じる。
ゆえに、梅にはほころびを見せた時から、素敵な名が付けられているのだろう。
梅に倣い、静かに人々の心に残る、深みある品を纏った人になりたい。