志幸塾~長期経営の経験と知識をアウトプットします〜 1入門編

1入門編・・
美容室の開業と経営

美容室や理容室やネイル・エステなど美容業に関わらず、開業するには、一大決心が必要になりますよね。
資金に余裕があれば、なんとなくで開業もあり得ると思いますが、多くは借入をして、材料屋さんやディーラーと相談しながらやるパターンでしょう。その際、一般的な基礎知識は、教わると思います。

しかし、実際にお店の経営に入ると一般的な基礎知識は当たり前。
今日の案件をどう決断するかで明日以降の仕事や生活が変わるなんてざらです。
私は、我流でしたが、開店前に働いたいくつかのサロン経営を分析し、最低限必要な理念やビジョン、基本方針やサロンワークのマニュアルを作成しておきました。
最初の数年で、状況や状態が変わる度に修正して現在の形になっています。

私の時代、セミナーや講習会は、技術が中心で経営の勉強会や啓発セミナーなんてありませんでしたから。
組合以外の会費を払って勉強会や組織を作る経営団体に幾つか属し、駆け出しのどこも団体でしたから、互いに研鑽し、議論を交えながら学びました。時には、熱くなり過ぎて口論にもなった位です。

そんな中から考え、実行し、成功事例や失敗事例を山ほど作りました。

時代は、流れやり方もツールも変わって来ていますが、感じるのは、在り方は、いつの時代も変わらないなぁーと感じます。
積み上げた経験をアウトプットしながら、今の時代の問いにも答えながら、ディベートしたり、私が思いもつかなかった発想に出会えたりしたら、楽しいだろうなぁと思い、発信します。

過去の記事に書いた内容と被るとこもあるかと思いますが、頭に再度入れて損はない内容になると言えますので、楽しくやり取り出来て、成果があったり、次の壁にぶつかって悩んでいたりしたりしたら、書き込んで頂けたら幸いです。

では、スタートしましょう。

STEP1


1.明確なサロンコンセプト


サロンコンセプトとは、何をしてくれる美容室なのか。
何が他店と違うのかが、わかりやすくなっている事が大事です。

外観・外看板・メニュー・内装・装飾などどんな物事をお客様に提供したいのかを、自身の中で決める事だと思います。

良く思うのは、「君の店のコンセプトは何?」

多くのレジェンド経営者とお酒を挟んでお話をさせて頂きました。
必ず聞かれるのが、この質問でした。
漠然と「楽しく仲良く」みたいな話をはじめはしてた様に思います。
しかし、その話をすると皆さんからの反応はいつも同じで、首をかしげられました。

話をしている中で、聞かれている事と答えが噛み合ってない事に気付き、次からは、「髪を綺麗にするお店です」と答える様になりました。
現に開店前に作ったチラシにもしっかりこの言葉が入っていたからです。

経営者談議をするなかで、唐突に
「どうしたら繁盛しますか?」
「お客様は、どうしたら来てくれますか?」
と聞かれるのですが、答えに困るのが実際です。
経営者談議の私の主軸は、ポリシーなので、手法の話は、その人が持つポリシーがわからないと何が合っているのか、一概に言いづらいからです。

私は、お客様に喜んで頂くと言う最終目的があるわけですが、その方向が綺麗にするに特化する事だったからです。

2.丁寧な技術と接客


「綺麗にする」と一言で言いましても、物理的に綺麗になるのは、もちろんですが、それは、果たしてお客様が最高に望む「喜び」で合っているのか?といつも自問自答してました。

なぜかと言うと、修行時代の私は、指名を月300名、頭数で650名のお客様を抱えていました。
技術を磨き、商材を常に新しい良い物を探して、もっと綺麗にをやっていましたが、ある時男性のお客様に、
「お兄ちゃんは、いつも好みのスタイルにしてくれるから来てるけど、実は、あまり頭をやるのは苦手だったんだよね。でもね、ここに来る様になってお兄ちゃんの話を聞くのが楽しくて指名して来てんだよ」
って言われました。

「えっ!俺の腕に惚れたんじゃないの?」
って照れ臭さから冗談で返しましたが、今でも駆け出しのガキの私には、強烈な言葉だった。

そのお客様は、
「丁寧に説明もするし、素人に技術の解説までするし、聞いてるだけで毎回首が疲れるけどなっ」
と付け加えられました。

私的には、大笑いしました。
でも、実は、その一連の話や言葉や丁寧さの方が、はるかに技術を上回る行為なんだなと思わせてくれたエピソードでした。

3.ガラス張りの経理


さて、ここまでは、
「お客様に何を売るか」
「お客様にどう喜んで貰うか」
の話をしました。

実際には、それだけでは、経営とは言えませんよね。
お客様から頂いたお金をどう使うか、現実問題として、必要不可欠です。

毎日の売上、メニュー別売上、お客様ニーズを知り、経費はいか程か、来月は、いくら掛かる?税金は?などの出費を把握する必要があります。

そして、事業計画を立てて、確定申告して、利益は、いくらだったか。
私は、常に分析魔だったので、開業当時は、まだPCなんてなかったので、ワープロを買い、打ちながら資料をまとめていました。

1997年後半にWindows95のPCを買い、リピート率、来店サイクル、利益率など毎月手作業でグラフ化し、来店客様の地図も作成。人口動態統計から、撒くチラシや内容も変えてました。
スタッフが入り、すべての資料を見てもらいながら、ミーティングを繰り返し、良い店づくりを始めましたね。

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