プロット:藤並律(男主人公)ルート

 衛星軌道上に展開するザフトの航宙艦。そのハンガーにて。

 一機の降下ポッドが待機中。やがて、艦がDZに近づくとポッドにとりついていたザフトにメカニックたちが離れていった。一人のメカニックが言う。

「それではお気をつけて、良き空の旅を!」

 ポッドの中に格納された機体。その操縦席に座った青年はカメラ通話越しに親指を立てた。

 DZに到達、艦内にブザーが鳴りひびき、機体は軌道上に投げ出されるとデブリに交じり地球への降下を開始した。

 降下した先は、かつての彼の故郷....もう一つの日本。降下地点はナリタ連山。しかし、突然やってきた謎の物体がポッドに衝突、軌道がずれてしまいポッドはシンジュクゲットーに落ちてしまった。

 ポッドの扉がい苛立たしげにこじ開けられ、中から全長約6mの巨人が現れる。背中に突き出した操縦席、装甲に覆われた手足と人間のそれを思わせる腰の関節、異形さを醸し出す赤く光る6つのセンサー・アイが目立つ頭部。日本国特務自衛隊試作多用途人型戦術機〈鵺〉は姿を現した。

「チクショウ!何だったんだあれは?スペースデブリか!?」

操縦席で悪態をつきつつ、暗号化された秘匿通信を入れる。

「こちらキメラ・エクスレイ・ワン、キメラ・エクスレイ・ワン。エリア11への侵入に成功するもアクシデントにより予定地点よりはるかにずれた。事後の指示があるまで潜伏する。通信終わり」

一方、律のポッドと衝突した物体。その正体は異なる時空から来た異星人クトゥルフの人造戦士〈イクサー3〉だった。

「いてててて。何かにぶつかったよう......」

幼い少女のような姿をしている彼女は、かつての戦いで自分たちの宿敵ビッグ・ゴールドを倒し、新たな住処を探して旅を推していた(原作とは異なる形で〈ビッグ・ゴールド〉との戦いが繰り広げられていた)。

 地表、律と同じくゲットーに降りた彼女は周囲を見回してみる。見覚えのある街、恐らく地球の街だ、ひどく破壊されている。〈ゴールド〉との戦いの傷跡がまだ癒えていないのだろうか?

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