スパロボFF  第二部「黒の騎士団,西暦の日本へ」


 百万人の”にっぽん”日本人と共に〈西暦〉”にほん”日本の埋め立て地〈蓬莱島〉に亡命した黒の騎士団。
 難民に厳しいことで知られる日本であったが違う世界とは言え日本人であることや8年前の負い目から世論が受け入れを支持し、自治権を獲得した。
 
 日本政府との協定で警視庁特車2課と協力し、災害救助活動などに投入される黒の騎士団。しかし、ある日、レインボーブリッジが国籍不明の戦闘機によりミサイル攻撃されるという事件が発生。戦闘機は航空自衛隊のものと疑われ航空団指令が警察により独断で逮捕され、駐屯地に立て籠もる形となった自衛隊と首都を含む都道府県警自治体警察機動隊とがにらみ合いを起こすという事態すら生じてしまう。
 そして、ついには警察力のみでの解決は難しいと考え、陸上自衛隊の東部方面隊を治安出動させ市内に戦闘部隊を投入するまでになる。
 日本全国がまるで内戦前夜かのような空気に包まれる中、黒の騎士団の面々や難民たちも、その空気を敏感に感じ取っていく。
 日本政府は黒の騎士団の動きも十分警戒対象とされ、外出禁止命令。さらにナイトメイアの起動も禁止とされてしまう。

 事態を重く見たゼロ=ルルーシュは、黒の騎士団の面々の外出はまだ禁止されていないうちに私服での情報収集を命じ、メンバーの多くは私服に着替え何かと理由を付けて市内に散っていく。

 ペアは以下の通り

紅月カレン‐ライ

藤堂-千葉

朝比奈-仙波(ライの活躍で生存)

扇-玉城

 東京の街、廃墟もなく破壊されたビルは存在しない。当然ブリタニア人の租界も存在しない。そこは確かに日本人の街だった。

 占領される前と大差ない〈日本”ニッポン”〉の光景がそこにあった。違いと言えば市内を行き来する車から排気ガスの臭いがすることだけだろう(カレンたちはサクラダイトのエネルギー圏から来たのでガソリンエンジンに馴染みが無い)。

 ただ、そんな彼女たちにも

 通りには学校や職場に行く人々があふれ、いつも通りの朝を迎える人々がいる中でただ異彩を放つ存在があった。道を行く人々の傍らにまるで交通整理の警備員や工事車両のように佇む自衛隊の普通科の歩哨や戦闘車両、そして去年からロールアウトされ急速に配備が始まった新型の人型機動兵器-KMF 〈無頼〉と特務自衛隊の戦術装甲機”T.A”17式改〈神電〉、従来からの人型兵器である軍用レイバーの姿も見える。

国会議事堂前。2度にわたる攻撃が空からの物だったこともあり、立法府たる国会には高射特科の03式から11式、93式といった中、短、近距離に対応した複数の地対空ミサイルが配備されていた。周囲には操作手や歩哨が小銃を背負って警備についている。彼らの表情は緊張感に満ちており明らかに張り詰めた空気があった。しかし、その一方でそれを無視するかのような連中がいた。

 服装は放出品と思われる、古い野戦服や戦闘帽、タクティカルベストといった物だ。当然、元の持ち主は異なるのだろう、国籍のバラバラな装備を身に着けている。身のこなしや纏う空気から明らかに軍人でもなければゲリラなどの類でもない。ミリタリールック、あくまでも自分はこういう趣味の人間ですという個性を濃密にアピr-るするファッション、一種の仮想の類だとすぐにわかった。

 確認できるだけでも十人以上。

 彼らは首からかけたカメラやスマートフォン、中にはテレビ局で使うような本格的な撮影機材を持ってきている者もいた(もしかすると本物のマスコミ完成車や雑誌のライターも混じっているのかもしれない)。写真をとるだけのものもいれば仲間内で来たのか地対空ミサイルとそれを警備する自衛官の前で肩を組みピースサインをしている者も確認できた。



千葉「どうしました、藤堂さん?」

藤堂「いや、開戦前夜を思い出してな.....」

千葉も思い出したように応えた

「そうですね.....。違いと言えば、人型機動兵器が居ないことぐらいでしょうか.....」


 

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