「志高く」バックナンバー⑲~暗記~
こんにちは、志高塾です。
連日、厳しい暑さが続いております。みなさま、体調を崩されませんよう、くれぐれもご自愛ください。
志高塾は先週から夏期講習が始まっていますが、その風物詩(?)の一つに、「漢字丸暗記コース」があります。
通常の授業に加えて用意されている自由参加のコースで、2009年から現在まで毎年行われています。
漢字を練習して、覚えて、テストをする。
合格点に届かなかったら、合格するまで勉強し、再テストに挑む。
とてもシンプルですが、これがなかなか長い戦いになります。子どもたちにとっても、講師たちにとっても。
だからこそ、子どもたちがその熱闘の先で得られるものは、漢字だけではないのです。
Vol.29「暗記」(2009年9月/内部向け発行)
夏休みの漢字丸暗記コースには、13人の子ども達が参加してくれました。毎回20問のテストを行い、8割以上を合格とし、不合格の場合は、居残って勉強し直し、再テストをするという形を取りました。また、範囲は、新しく勉強する所だけではなく、それまでに勉強したところも含めるという形を取りましたので、最後のテストの時には、1学年全ての漢字が対象となりました。
結果、5人の生徒が最後の全範囲のテストに合格しました。その中の2人は、毎回1回で合格をして、1人は、1回だけ不合格だったものの、それ以外は全て1回で合格していました。最後のテストに合格していない他の生徒たちには、夏休み後も引き続き、合格するまで勉強してもらうことにしています。
はっきりとは覚えていませんが、おそらく高校生になった頃に、自分の記憶力がよくないことを自覚しました。その時に考えたのは、次の2つのことです。1つは覚えなくてもいいことは覚えない。そして、もう1つは覚えることは徹底して覚えるということです。
例えば、数学の公式などは、覚えなくても自分で導き出せるものがたくさんあります。「それではテストの時に時間がかかる」と思われるかもしれませんが、練習の時に何回も自分で導いていると、それにかかる時間は減っていき、限りなくゼロに近づきます。最初は紙に書くのも考えながらで時間がかかっていたものが、少しずつ時間がかからなくなり、しまいには、頭の中でそれができるようになるので、暗記をしているのとほぼ同じ状態になるからです。また、公式を自ら導き出せれば、それを使う範囲に関する理解は自ずと進むという効果もあります。
一方で、覚えることは、徹底的に復習をすることで補いました。それは新しいことを覚える前に、必ず前の範囲を覚えているかをチェックすることと、コンスタントに毎日同じことを繰り返すことでした。
私自身、小学生の頃に覚えることを特別意識したこともなく、いい加減にしかしていなかったので、3年生や4年生でそれに気づくのは簡単ではないと思います。ただ、今回のコースを通して実感したことを、これからの勉強に生かしてほしいと思っています。また、覚えた漢字を作文の中でどんどん使うことで、覚えることの大事さを感じてほしいです。
あっという間に過ぎ去っていった夏休みに、勉強に限らず、子どもたちが「これだけはやった」と胸を張れるものが1つでもあれば、きっとそれは有意義な時間を過ごせたことの表れに違いありません。
松蔭俊輔
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