見る

 なにもないまっくらやみの空間に、ひとつ明るい少女のたましいが浮かんでいて、それは、かつての私だったのです。透き通った深い漆黒のなかに私はいた。悪夢にうなされた子羊の私は、しかしながら充溢するすべての明るさでした。その私がはじけるように広がって今の広さになりましたので、すなわち私は特異点であり、あなたがたのすべてなのでございます。
 過去を振り返れば、たくさんの冬をみつけられるが、おなじほどに春が咲き喚いていることも忘れてはならない。君はあなたの人生をつまらないと思っていても、全くそんなことは事実ではありませんです。なぜなら私があなたをおもしろいから。しかし、じつは春がもっとも暴力的で野蛮で激しい季節です。なんたってすべての生命ある物がうごき出す、一挙に動くときは春なのですから。
 心してかからねばなりません。あたたかな横暴の時代を、やさしさと活力による圧迫を君は耐えしのがねばならない。それにくらべてなんと眠りの豊かなことか。起こしてはならない、それがまだ横たわっているうちは。起こしてはならない、鳴らないおもちゃは捨ててよい。精神は高く、姿勢は低く。ゆっくりと息を吸ってすばやく吐き、背のびをして倒れ込み、反動で起き上がって直立して今こそ真実に眼をひらき、その内奥で、かの内奥を見るのです。それが焼け焦げて灰となり、ゆるい風にまぎれてゆくその美の極致まで、待つのです。じっと、じっと、みるのです。


付録:上文章をChatGPTとともにコラージュ
夜空に浮かぶ星星のように、見つめよ。
春の嵐と冬の静寂、木々がしなやかに伸びるのを。

光と影の交錯する灯台を。
銀河が広がる夜空のながれを。
新芽の春と古い年輪、月に輝く雪原を。

心臓の鼓動と深い呼吸、見つめ続ける瞳。
子羊の彫像。
深海の底に輝く宝石、
再生する燃え尽きた森。

見つめる、ただ、見る、見つめつづける。

それが、それだけが、真理。

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