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【第二回】キーパーソン・バトン 赤星美奈子さん

昨今のSNS時代、自己発信も重要になり「自分自身のポートレートが欲しい!」というニーズが高まり、撮影会社である株式会社シキラマにも多数お声が集まるようになって参りました。

そのニーズにお応えするため、ポートレートをはじめご自身のSNSなどでも発信できるように、インタビューを組み込んだ企画でございます。インタビューの最後に次のキーパーソンをご紹介いただき、毎月連載でご紹介させて頂こうと思っております。


2回目となる今回は、コンラッド東京のウエディングマネージャー、赤星美奈子さんにご登場いただきます。
赤星さん、よろしくお願いいたします。


プロフィール
コンラッド東京
ウエディングマネージャー 赤星美奈子氏
※ホテル情報は
こちら



これまでの経歴

古賀
早速ですが、赤星さんのこれまでの経歴を教えていただけますか?

赤星
最初に就職したのは「チャート式」で知られる数研出版という出版社です。営業のサポート職で楽しく働いていたのですが、同じ会社で働いていた夫と結婚することになり退職しました。当時は社内に夫婦が働いているケースがなくて。今では信じられないですよね。それから10年くらいは専業主婦で、子育てをしていました。

31歳の時にウエディングの仕事がしたいと思って、学校などには通わずホテル椿山荘東京にパートで入社しました。ホテル内の売店でおまんじゅうを売っていたんですよ。そこで働くうちに営業の仕事に興味を持ち、婚礼課に異動させてもらって。次第に成績を出せるようになり、社員になりました。その後マネジメントにも携わるようになり、別のウエディングのあり方も知りたいと、思い切って外資系に転職。グランドハイアット東京に入社しました。その後コンラッド東京に移り、現在6年になります。

古賀
椿山荘からキャリアをスタートし、外資系へ移られたんですね。日系との違いは感じましたか?

赤星
別世界でしたね。まずはグランドハイアットに行きましたが、文化、言葉、教育も違うし、集まっている人たちの雰囲気も違う。ホテルとしての機能が高いので、色々な部署の人たちとのコミュニケーション、ネゴシエーション能力が必要で、たくさん学ばせてもらいました。

一番の違いは教育ですね。椿山荘では研修で「次はこれを覚えましょう」っていう見通しを立てて人を育てていくスタイルでしたが、外資系でそれはない。なので、受け身の姿勢ではなく、スキルアップするためには教えてもらう環境を自分で作り出さないといけないんだなと思いました。

古賀
なるほど。長年ウエディングのキャリアを積んでこられた赤星さんにとって、最も記憶に残っている仕事を聞かせていただけますか。


一番記憶に残る仕事

赤星
椿山荘は11年在籍し、また営業セールスという仕事の面白さを知った場所なんです。なので、私の「基」になっているのは椿山荘での経験だと思っていますし、当時の仕事は強く印象に残っていますね。実は「1年間で何件セールスをして、何件打ち合わせができるか」に挑戦したんです。1年目の実績は97件。2年目も頑張ったけれど、それでもやっぱり98件。100件って1人で達成するのは難しいんだなと分かりました。でも、これは椿山荘だからできたことで。

古賀
椿山荘はたくさんの婚礼を施行する仕組みができていますからね。そんな椿山荘での経験を経て、今度は外資系ホテルへ。現在のコンラッド東京では具体的にどういうお仕事をされているんですか?


今の仕事内容

赤星
ウエディングマネージャーという立場でマネジメント業務を行っています。

古賀
マネジメントを行う上で一番気をつけていること、大事にしていることはありますか?

赤星
あります。やっぱり人として誠実な考え方をすること、判断を間違えないこと。それから「平等な対応」を常に念頭に置いています。自分が女性なので、もしかしたら男性よりも感情的になっているのではと思うことがあって、余裕を持っていたいなと。それは若い時と違いますね。

あとは、仕事をする前の準備。朝の出勤時間もそうですし、お客様に対しても「万が一こういうことがあった場合はこうしよう」と前もって対応を考えておくことはすごく気をつけています。

古賀
今の会社でも、現在携わっている仕事でも構わないのですが、これから成し遂げたいこと、赤星さんの目標はありますか?

赤星
一緒に働いている仲間には女性が多いんですね。彼女たちがこれから結婚して、子どもを産んでからも仕事を長く続けて欲しいし、ウエディングの仕事を通して成長してもらいたい。出会うお客様に素敵なお客様がたくさんいらっしゃるんですよね。そんなお客様と色々な話をしながら自分自身も成長させてもらえるのがこの仕事の魅力でもあるので、そういうものを感じられるプランナーを育てていきたいなと思います。

古賀
そういう感覚は、どんな教育をすれば身につけられると考えていますか?

赤星
プランナー自身がいろんな体験をして、それをしっかり言葉に出せること。例えば嬉しいことは嬉しいと言い、疑問に思うことがあれば「どうしてなんだろう」と発信して自分で解決していく。そういう経験を積み重ねていくと、この仕事は面白い、と思えるんじゃないかなと。私自身、お客様にも質問して学ばせていただくことも多いです。

古賀
お客様との会話やお付き合いを通して自己成長していくところもあるんですね。そんな赤星さんにとって「仕事」とは何ですか?

赤星さんにとって、仕事とは?

赤星
自分を成長させ、社会的役割を教えてくれるものでしょうか。専業主婦をしていた時期もあるし、仕事とプライベート、どちらも同じ距離感でバランスを取ってやってきたせいか、わりと仕事を客観的に捉えているかもしれません。

古賀
なるほど。では、仕事でこれから大きく成長しようとしている若いスタッフに対して、何かアドバイスはありますか?

赤星
2つありますね。まず今あるもので考えること。私も若い時は「あれが足りないこれが足りない」と無い物ねだりだった。でも、今あるもの、持っているものでどうにかすることを考えて、工夫してみると思いがけない効果が出るんです。その思考は大事にしてほしいですね。

もう一つは、プライベートの時間を充実させること。ウエディングの仕事は重労働だったり拘束時間が長かったりするので、やっぱりメンタルやモチベーションを保つのが大変なんです。だから、大切な人と過ごす時間や自分の趣味の時間も仕事と同じ幅で大事にしたほうがいい。同じ距離でバランスを保っていくことが長く働ける秘訣なのかなと思います。

古賀
ありがとうございます。では、ここからはちょっと仕事を離れてプライベートのお話を伺います。お休みの日は何をされていることが多いですか?


プライベートについて

赤星
料理ですね。家事ももちろんですが。外食よりも自分で作って食べることが好きなんです。子どもの誕生日や何かいいことがあった時は、良い食材を買ってきて料理をします。上手くできなかった時はホテルのシェフに作り方のコツや調味料の使い方などを教えてもらえるので、面白いです。

古賀
最近作ったスペシャリテは何ですか?

赤星
ドライカレーかな。あとは、イタリアンは作りやすいので魚介類を使ったカルパッチョとか。ビーフシチューやレバーパテもよく作ります。

古賀
そうなんですね。料理のほかに熱中していること、何かハマっていることはありますか?

赤星
野球観戦です。社内の周りの人たちがヤクルトファンなんです。あと、観戦していると打席に立って打つのはウエディングの新規(新しい顧客を案内する営業)と一緒だなと思うようになって。どう勝負するか、長いシーズンをどうやって勝ち抜くか、調整していくのかなど、仕事と重ねて見ていますね。監督の采配やチームの中のキーマンは誰だろうって考えることも。球場でのグッズの売り方や、人を惹きつける発信の仕方にも注目しています。

古賀
ご家族との時間はいかがですか? お子さんとのコミュニケーションなどについてもお聞かせください。

赤星
母としては至らない点が多くて。子どもの話をしっかり聞いていないことも多かったし、もっと細やかに色々なことを見てあげればよかったと思います。おやつを手作りしたり、PTAに熱心に参加したりすることもなかったですし。みんなのお母さんとはちょっと違うけど、ずっと仕事を続けてきたからこそ、今後子どもたちが働く中で迷ったり困ったりすることについては何かアドバイスができると思うし、教えられる関係でいたいなと思います。

影響を受けたもの

古賀
赤星さんにとって「わたしの一冊(バイブル書)」は何ですか?

赤星
「走ることについて語るときに僕の語ること」/村上春樹(著)
です。趣味がマラソンという作家さんなので「走っている時にどんな景色が見られるのかを書いているのかな」と思って読み始めたんです。そうしたら、走りながら集中力を高めていく時に考えることや、限界を感じた時にそれをどう捉えるか、という人生の哲学について書かれていて。

印象深いのは「辛い、きつい」ことからは逃れられないけれど、「もうダメだ」と思うのは自分の裁量だ、という考え。走ることは人生と一緒で、ゆっくり歩いてでもいいから止まらずに進み続けること、地道に努力して自分を磨き続けることが大切なんだ、という言葉に仕事で悩んだときには背中を押してもらいました。何回も何回も読み返しています。

古賀
続いて、おすすめの飲食店を紹介してください。

赤星
王朝(ヒルトン東京・新宿)
広東料理のレストランで、丁寧に作られた料理が素晴らしいお店です。美味しいっていうのはこういうことなんだろうなって思います。

古賀
ありがとうございます。では、最後に次の方をご紹介いただきたいのですが、どなたでしょうか?

次回のインタビューのご紹介

赤星
ホテル雅叙園東京・総支配人の森木岳明さんです。

古賀
どのような方ですか?

赤星
同じ歳で、たまに会うとなぜだか私がとても、元気になれる方。 熱い気持ちを持ち続けることのできる、信頼できる方です。

古賀
赤星さん、ありがとうございました。それでは次回は、ホテル雅叙園東京の森木さんにインタビューをさせていただきたいと思います。