▶【短編小説】 もしかして:
もしかして:
橋本大也という彼の名前はそれほど珍しくない。
世間には橋本大也という名前の人間がきっと何百人かぐらい存在しているはずだ。そして他の橋本大也もそれぞれの生活を謳歌しているだろう。
だから、彼がふと自分の名前でエゴサーチをしようと思ったのも、それほど深い理由があるわけではない。単なる思いつきだ。
この世界で生活している他の橋本大也がどんな風な人間なのか少し知りたかったのである。
彼は大学から帰宅すると、部屋の明かりをつけ、ベッドに寝転がりスマホをポケットから取