立花シキミ

デザイナー・DJ・ライター。 色んな「デザイン」の観点から「メタバース」を考える。

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  • 立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー

    アバター改変のときに考えてることや、コツなんかをまとめた記事たち

最近の記事

  • 固定された記事

[VRChat考察]なぜ人々は「お砂糖」を作るのか。

VRChatにおける恋愛関係、所謂「お砂糖」関係について、日々様々な意見が飛び交っているわけだが、私自身の「お砂糖」についての考えをまとめてみようと思った。 つらつらと私感を書くが、 本記事の主要な考察は、第四章[発達心理学からみた「お砂糖」]に全て集約されているため、時間がない方は、そこだけ読んでもらえれば幸いである。 そもそもメタバースって何よお砂糖について語る前に、まず「メタバース」とは何なのかについて語ろうと思う。 「そんなもん知っとるわい」という方は読み飛ばし

    • デザイン基本解説 〜デザインの和訳は「意匠」でいいのか?〜

       デザインの意味をGoogleで調べてみた。まぁ、間違いではないのだけれど、これは随分と狭い意味でのデザインだなぁと思う。  デザインという言葉を聞いたとき、多くの人は「何か形あるものを設計する」というイメージを持つのだろう。けれど、デザインという言葉はもっと広義な意味を持つ場合がある言葉だ。 形を作らないデザイン 「UXデザイン」という言葉がある。 UXとは、「User Experience」のことであり、サービスや製品を通じて、そのユーザーが「体験する事象」をデザイ

      • 死者の帝国

        お盆なので。そんな話題を。 AIによって、故人を再構築し、仮想的なコミュニケーションを半恒久的に可能にする技術が実現化しようとしている。僕にはこれが怖くて怖くてたまらないのだ。 それは決してディスプレイに写された生気のない故人の顔が無機質に動き出し、人工音声の混じった声で我々に話しかけてくるその光景が不気味であったからではない。(いや、無論それもあるが。しかし、そんなものは技術の進歩でどうとでも解決されうる問題だ。) そもそも、ヒトという存在が生まれて以降、死というもの

        • なぜVRChatにおいて、「何者にもなれない」と感じてしまうのか。

          ツイートのまとめです。雑記。()内は追記。 VRChatを代表とするVRSNS疲れの根底にある「自分は何者にもなれない」っていう虚無感・焦燥感。 こうした感情が想起されるのは何故なのか。 そこにはVRSNSのボリュームゾーンにあたる20〜30代の若者たち(昨年度実施されたソーシャルVRライフスタイル調査参照)が、「あなたらしさ」を求める現代教育に脳味噌を浸されてきたことが背景にあると言えるでしょう。 まず、90年代から00年代以降に教育を受けてきた若者たちは所謂「ゆとり

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        [VRChat考察]なぜ人々は「お砂糖」を作るのか。

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        • 立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー
          2本

        記事

          【メタバースぼくの生き方】デザイン系DJの場合

          本記事はこちらの企画に寄稿するためのものです。 この記事にたどり着いたVRChatterの方は、よければ参加してあげてください。お前のVRChatを見せてくれよ頼むよ。 そういえば、VRChatでの活動をまとめつつ、ちゃんと自己紹介するような記事を書いてなかったな~と思い立ち、ちょうどいい機会なので、企画に参加という体で自己紹介と普段の活動についてを書かせてもらうことにしました。 ■普段こんなことやってるよ とりあえず、改めて自己紹介をさせてください。 立花シキミです。

          【メタバースぼくの生き方】デザイン系DJの場合

          【第2回】立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー(ラフモデリング編)

          では、今回から衣装の制作をやっていきます。 まずラフモデリング(ざっくり形を作るモデリング)からやっていきましょう。  私はいつも衣装を制作する際には、Marvelous Designer(MD)というクロスシミュレーション(布の挙動を物理演算によって再現する方法)に特化したモデリングソフトを使用していますが、どうせラフモデルは形を検討しつつ、ちゃんとしたモデルを制作する前段階的な工程なので、特にMDにこだわらなくて大丈夫です。  別にBlenderでもMayaでもZbru

          【第2回】立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー(ラフモデリング編)

          【第1回】立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー(コンセプトメイク編)

          前略、Twitterがバズりました。ありがとうございます。  このツイートの下に、この簡素なモデルがどうやって衣装になったのか、改変の手順をサラッと書いたんですが、全然わからんってコメントが複数あったので、今回は私なりのやり方をまとめてみたいと思います。  さすがに手順がめちゃくちゃ多いので、小分けにして書いて行こうかなと思ってますので、ゆるりとお付き合い頂けますと幸いです。 なお、今回から紹介していくのは、アバター改変をする際の考え方や手順の紹介がメインになります。

          【第1回】立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー(コンセプトメイク編)

          VRChatアバターにおける少女という存在についての雑記

          私の遅筆はカタツムリもかくやといった具合なのですが、そんな私もありがたいことに、某所でライターとして活動させていただく機会を頂戴して、晴れて物書きの端くれとして活動させていただいています。 とはいえ、某所で性的な話を書くのは基本的にNGなわけであり、普段はVR空間の解説・考察記事なんかを書かせてもらっています。 今回はそうした制約から解き放たれ、自由に文章を書いていいということなので、まさに普段は禁じられている性について書いていこうかと思い、久しぶりに筆を取るに至りました。お

          VRChatアバターにおける少女という存在についての雑記

          VRChatは令和の「萌える都市」なのか

          「趣都の誕生〜萌える都市アキハバラ」が刊行されてから20年が経過した。 時代の流れとともに変わっていくアキバという街、そしてオタク文化に思いを馳せながら、なぜ人々は現在VRChatに惹かれ、そして仮想現実は今後どこに向かっていくのかを考察する。 1.はじめに言うまでもなく秋葉原は「オタクの街」だ。 戦後間もないころ、電気部品を扱う露天商が秋葉原の高架下に集ったことによって成立した電気街が、次第にサブカルチャーの街になり、やがてオタクの聖地となっていった都市である。 私は

          VRChatは令和の「萌える都市」なのか