「犯」
◇ご存じの様に首都圏にて連続強盗事件が起こっている
ニュースで事件現場の近所の人が「まさかここで強盗が起きるとは思わなかった」とインタビューに答えており、これで納得してしまった。
「自分は大丈夫」
そう思って油断している所に入る方が強盗としてはやりやすいに決まっているからだ。ここら一帯はリサーチされていたに違いない。
水道の点検させてください
屋根の梁(ハリ)が壊れてますよ
食器の買取させてください
etc…
古典的な手法だが無条件で信じる人が多いから
古典はずっと有効であり続ける
別に詐欺や犯罪に限った事ではないが
「無知は罪」
小学生の時にコレを教えてくれた担任は
凄いと改めて思った。
◇こう思っている人の方が返って危ない
自分は詐欺に引っかからない
自分は騙されない
自分は洗脳されない
これはむしろ相手からすれば逆にやりやすい
柔道みたいなもので、重心がそこにあるのが予め分かれば後はそれを崩せばいいだけで、これは自ら弱点を晒しているのと同じだからだ。
◇認知バイアスの働き。
「自分は大丈夫」に保証や根拠を論理立てて持って言っているわけじゃない場合が殆どだと思う。
つまりこの場合は相手に「根拠」を立てられると呆気なく倒される。これが「自分は大丈夫」と信じている人こそ騙されやすい仕組み。
だから正確に言えば「大丈夫」ではなく「大丈夫だと信じたい」という事であり、もはや「ただの願い事」だと言える。
こんなの危ないに決まってる。
ちなみに、これはごく一般的なセールスのトークと同じ仕組みである。営業や販売をやった事ない人だとピンとこないかもしれない。
◇また実行役に対しTVコメンテーターは決まって
なんで人生を棒に振ることをやるんだ
なぜ警察に言わないんだ
楽して稼げるわけがないじゃないか
と異口同音に言う
これも想像力が欠如している
世間が短絡的かつ感情的にそう思うであろう事は指示役からすれば「既にわかっている」という事がわかっていない。
それを見越しているからこそ
実際に事件が起きているわけだ
人生を棒に振ってでもやらざる得ない動機を作り
警察に言えない状態にさせて
楽して稼げる仕事ではなく
普通の仕事としてリクルートしてくる
そうやって事件を起こしている。
◇思考の先読み。
悪い事で儲けてやろうと日夜思考を巡らす玄人の悪人に対して、素人で凡人の感情的で根拠もない浅知恵で勝てるだろうか?
これは例えれば喧嘩自慢がプロ格闘家に勝てると信じているのとなんら変わらない。精神論で勝とうとするのは日本人の悪い癖だ。
きっと指示役はTVを見ながら憤慨して怒っているコメンテーターを笑っていることだろう。
そもそも相手を知らない
相手の強さも分からない
それで勝てるわけない
ただ、相手の強さが分かれば、勝てない事ぐらいはわかる。
それが分かれば、基本戦略は2つに絞られる。
相手より強くなるか 相手から逃げるか
◇今回の事件について参考になる事を言っている人がいた。
これは結構重要な指摘だと思う。
なぜなら「自分は関係ない」と心底信じている人が狙われるからだ。加えて、臭いものに蓋をする慣習が日本にあるが、そもそも臭いものが無くなったわけじゃないと言う事でもある。
今回の事件は「もう蓋が締め切れなくなった」その予兆かもしれない。
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