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⓬失敗の再現性「贈り手から受け手へ」

問題が尽きない店舗で共通している事。

共通して言える事は【細部に神宿る】を信じていない事。

●顧客の手に渡る瞬間が見えていない
●顧客の気持ちが想像できていない


完全にコレ。

普段マーケティングで上流を担当している会社が小売で一個数百円のお菓子の販売をしたら苦戦して思うようにいかないというツイートを見た。

森を見て木を見ない、木を見て森を見ない。
だからこういう言葉があるんだなと思った。

「商品が贈り手から受け手に渡るその瞬間」

舐められがちの販売員の価値と醍醐味は此処にある。

店員に横柄に迫ったり販売員を下にして舐めている人はそれが解っていない。

現地・現物・現場に全ては宿る。


革命から成熟、そして社会へ。

iPhoneの仕掛け

iPhoneがなんで売れたか?高機能だから?オシャレだから?高級感あるから?

個人的に思うのは「商品の開発から製造流通から顧客の手に渡る瞬間とその後日々iPhoneを使う人々“全てに熱狂を伝えた”から」だと考えている。

今でこそ特に世間を賑わす事もないが、それは既に生活の一部になったから。つまり成熟してiPhone(スマートフォン)は“社会”になったから。つまり社会を変えてそれが普通というフェーズに入ったからだと思う。

とても語り尽くない当時の熱狂はスティーブ・ジョブスの伝記や書籍や映像から読み取ることができるからオススメ。実際に一部でもそれを体感している場合の自身の体験と重ねるとより楽しめると思う。

「細部に神宿る」これを世界規模でやった人はジョブズしか僕は知らない。


「細部に神宿る」

細部に神を宿したiPhone

●顧客の手に渡る瞬間
当時のiPhoneは一般的なケータイの包装と明らかに異なっていた。

日本のケータイの包装が「ただ商品を傷つけないため」の包装だとしたらiPhoneは「顧客の高揚感を最大限に高める包装」になっていた。

iPhoneを収める箱はビニールで包装されており事前に中身を見ることはできない様になっている。販売マニュアルは店舗に在庫が納品された時の所作から既に始まっているという徹底ぶり。
※ルールを逸脱するとiPhoneの販売権が取り消される

そのマニュアルには「販売時は必ず顧客の目の前で開封する」とある。
ここに仕掛けがある。

上箱と下箱がピッタリと設計された箱は空気圧の関係でゆっくりとしか開けられない仕様になっていた。開けるのには「ちょうど3秒」という設計。

商品の発表から予約、そして販売日、店頭に向かい契約。もう顧客の気持ちは最高潮に高鳴っている。

そしていよいよ待ちに待った憧れのiPhoneが自分のモノになる。

その開封にかかるゆっくりとした「その瞬間の3秒」は最高に気持ちを高めるのに効果絶大だった。

顧客は目を輝かせ溢れる喜びが販売員まで伝わってくる。そういう「3秒」なのだ。

2秒では早く4秒では長い「ちょうど3秒」これが顧客の気持ちを最大限に高める時間としての設計。

世界的大企業は「細部に神を宿していたからこそ」世界を変える事ができたのだ。


以上

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