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【呟き】実写化唯一の希望は健在だった【映画感想_03】

 どうも、式です。

 巷では何やらマンボウやら緊急事態宣言やらで大騒ぎのようですが、僕自身のライフスタイルというか生活基盤自体はそこまで大きく変わっていません。

 というわけで先日公開になった『劇場版るろうに剣心-The Final』を観てきたのでその感想記事です。

 例の如く大量のネタバレをクソデカ感情に乗せてお送りするので映画をまだ観ていない方はここで読むのをやめてブラウザバックしてください。

 また、僕自身るろ剣は原作勢ではなく実写映画で初めてストーリーを知った勢ですので、そちら視点の見識が多分に含まれます。原作ファンの方にはすみません。

1.新田真剣佑が完璧すぎる


 まずはこれです。というかこれを語りたいがためにこのnoteを書いていると言っても過言ではありません。

 僕自身、熱狂的なファンというわけではないんですが、それでも惹き込まれる魅力が凄まじかった。

 新田真剣佑さんが出てる作品は図らずもいくつか観てきたんですが、これまであそこまでバッキバキに動くアクションって多分なかったと思います。何かのインタビューで大友監督が真剣佑さんにツバつけておいたって話を聞いたので、この時まで取って置いたんだろうなぁと。

 肉体美もさることながら、とにかくめちゃくちゃ動くんですよ。るろ剣の見所の一つに、「これ絶対実写化できんやろ」っていうアクションがあるんですが、それらを魅せてくるのがすげぇ。


 特に凄すぎて思わず笑ってしまったのが、真剣佑さん演じる雪代縁が初登場する列車のシーン。列車という横の広がりがない空間で機敏に動くのも、列車を飛び出して縦横無尽に飛び回るのも、あまりにすごい。

 これは後述もしますが、どこからがワイヤーアクションでどこからが素のアクションなのかの境目がまじでわからないくらいスムーズなんですよ。

 加えてその演技もすごいなぁと。

 観る限り縁というキャラクターはあまり多くを語らず、かつ感情を大きく発露するような人物ではないんですが、その少ない台詞や描写で魅力的に表現できるのもすごい。剣心が絡んでくる時だけ感情を露わにして激昂するのも、オンとオフの切り替えというのが伝わってくるし、彼が復讐の鬼に落ちたんだなというのがわかりやすいので。

 最終章のボスというハードルがある中でクッソかっこよく縁というキャラクターを演じた真剣佑さん、本当にすごい。


2.ハイスピードアクションは最新作でも健在


 既に前述してしまいましたが、るろ剣の代名詞である息もつかせぬ怒涛のアクションは本作でも健在でした。

 特に一対多、多対多といったスケール大きめのアクションシーンは見応え抜群でしたね。

 敵のガトリング攻撃を屋根に飛び移って避けたり、飛び道具を紙一重で避けてキャッチしたり。

 先日感想記事を書いた『劇場版モンスターハンター』と違って凄いなと感じたのは、ワンカットあたりのアクションの濃度でした。

 僕は映画素人なので詳しい人に言わせれば大したことない感想だと思うんですが、アクションってワンカットの時間が長くなればなるほど演じる側は大変だと思うんですね。

 『モンハン』だと戦闘シーン(特に対人戦)のカット割が多くて、ちょっと何が起こっているのか分かりづらかったんですよ。

 もちろん細かくカット割がされているシーンもあるんですが、それでも大きくカメラワークを回しすぎず、シームレスに動きが繋がっているので「何が起こっているか」がすごく分かりやすいし、観ている側がそれに置いてかれずについていけるので技巧が凄いなと。

 このアクションが全シーン通して展開されていたので、アクション好きというだけでもこの映画は観て損はないと感じました。結構アクション多めなので。


3.歴代敵キャラオールスター登場はアツい


 でもやっぱり個人的にはこれが一番激アツでした。

 前作で剣心に倒された御庭番衆の四乃森蒼紫(演・伊勢谷友介)や、瀬田宗次郎(演・神木隆之介)がここぞという場面で登場して活躍するのはめちゃくちゃ良かった。というか伊勢谷さんいつの間にか復帰されてたんですね、嬉しすぎる。少ない台詞の中でも四乃森蒼紫を体現していて流石だなぁと。


 神木隆之介演じる宗次郎が出てきた時、めちゃくちゃ興奮しました。神木隆之介さんのファンというのもあるんですが、前作であれだけの激闘を繰り広げたキャラが再登場し、再戦するのかと思わせて実は味方になるというのが実に少年漫画的展開で最高でした。

 かつての好敵手が味方になって背中合わせになって戦うのは観ている側にとって最高のスパイスですし、それを本作でも観られたのは良かった……

 剣心に負けて流浪人になった宗次郎がなぜ剣心に手を貸したのか。その胸中を考察するだけでもお腹いっぱいになれます。


4.でもちょっと詰め込みすぎ感もある


 全編通してかなり満足度が高かったんですが、一点だけ気になるのは全体的な詰め込み度合いでしょうか。

 もちろんあれだけ詰め込んで尚、一つのストーリーとして描き切っているのは脚本の技量が凄まじいんですが、それでもやはり詰め込んでいるな、という感覚は残りました。

 歴代の敵キャラ(刀狩の張、御庭番衆の四乃森、天剣の宗次郎)を様々な形で出してくれるのは前作までを観たファンへのサービス的要素もあるんですが、いまいちその魅力を描ききれてない気がしましたね。

 張は(今も明治政府への反感を抱いている)味方になりきっていたキャラではなかったけどあっさり死んでしまった(=噛ませ犬要素が強かった)し、四乃森もせっかく再登場したのに敵の幹部を撃破できず砲弾による爆撃で負傷し退場、敵を引き受けて剣心を縁の元に行かせた宗次郎のその後は描かれず、といった具合に、各キャラの描き方に尻切れトンボ感があるんですよ。

 もちろん各場面での活躍はあるので魅力は十二分にあるし、この物語は剣心vs亡き妻の弟という因縁を主軸にしているのでそれ以外の戦闘はそこまでのプロセスでしかないんですが、メリハリはもう少しあっても良かったのでは?と思います。

 あとは左之助が毎回敵にボロカスにやられるやられキャラ的立ち位置なのもちょっと可哀想だなと。剣心の人間関係を描く以上左之助も登場させないと成立しないのはわかるんですが、今作の左之助って縁に手も足も出せずボロボロにやられた以外は最後の合戦に手負いの状態でちょっと参加しただけなんですよ。


 といった風に、ストーリー全体のカタルシスとか、剣心という人物の抱える過去の傷に対する掘り下げとかは本当に良かったし、少ない描写の中で雪代巴というキャラクターの魅力を引き出した有村架純さんは本当に素晴らしい女優だと思う一方で、細かなところで引っ掛かる点がありました。


 もちろん作品としての完成度は高いと感じたので満足だと思っているんですが、それだけに気になった、という感じですね。


 完結となる『The Beginning』は6月公開なので、コロナ禍で公開延期にならないことを祈りつつ、続きを楽しみに待つことにします。


 それではまた。

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