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あなたもスポンサーになれる……大喜利セーフ22と大喜利22:22


落語家たちによるネット配信が面白すぎる

自宅での勤務が長くなって、テレビを見る時間が長くなるのかなと思ったら、逆に短くなってしまった。家族と食事の時にちらっと見るくらい。

代わりに、YouTubeなどのネット動画配信を見る時間がやたらと増えた。

とにかく、落語家の動画配信が多いのだ。
好きな落語家の番組だけでも、とても全部は見きれないくらい。有料だったり無料だったり、落語だったりトーク番組だったり、生だったり編集されてたり、実に多彩だ。

また、たいていの番組は音だけでも面白いので、ラジオのように聴きながら作業していることも多い。

そんな落語家ネット配信番組のなかでも、特に気に入っている番組を紹介したい。立川こしら師匠と、弟子の立川かしめさんが配信している大喜利のコンテンツだ。

立川こしら師匠が始めた『大喜利セーフ22』

2020-06-21 17_01_42-大喜利セーフ22 第73回 2020年6月17日 22_30~ - YouTube

まず、立川こしら師匠による『大喜利セーフ22』。
落語会がバタバタと中止になり、ついに寄席まで休みに入った3月28日にスタートした生中継番組。当初は毎日23時くらいから放送していた。現在は月水金の22:30から。

『笑点』の大喜利(とんち)形式の番組で、仕事がなくなった仲間の落語家たちが、それぞれの自宅からZoomで出演する。カメラはスマホだったり、PCのWebカメラだったりのようだ。

普通のテレビ番組は複数のカメラが回っていて、スイッチャーが切り替えたりしているのだと思うけど、この番組ではZoomのスピーカービュー機能で喋っている落語家にフォーカスが行くようになっている。行かないこともあるけど、それはまあそれで愛嬌。

30分くらいの番組で、3つのお題に対して出演者が答えを返し、視聴者は笑い転げて終了。毎回の視聴者は100人に満たないことが多いけど、全てアーカイブされているので後から見ることもできる。

6/19にはリアルイベントも開催。客を入れてZoomで大喜利やってるのが、また面白い。

収益源……スポンサーと投げ銭

番組の収益源は「番組スポンサー」「出演者スポンサー」と「出演者への投げ銭」の3つ。

スポンサー枠はBASEで作られているECサイト「伝統組通販」で購入できる。番組スポンサーになると番組の前後でスポンサー名を読み上げてもらえる。テロップも出る。
出演者それぞれのスポンサーになることも可能で、こちらは出演者の自己紹介のときに読み上げられる。

またpringも実装されていて、個々の出演者や、出演していないけどお題を作成した落語家に直接投げ銭することができる。

OOGIRI 22:22 分派した新番組

大喜利セーフ22』に出演していたこしら師匠の弟子、立川かしめさんが「大喜利・破門」となり、さらに若手の仲間を集めてスタートした大喜利生配信番組が『OOGIRI 22:22』。

最初は毎日22:22のスタートでやはり30分くらい。しばらくの間は毎日『OOGIRI 22:22』『大喜利セーフ22』が連続して生配信されていた。現在は火木土の22:22に配信されていて、日曜日は合同の大喜利などのスペシャル企画が流れている。結局、毎日やっているわけだ。

仕組みは『大喜利セーフ22』とほぼ同じで、番組スポンサー枠・個々の落語家スポンサー枠とpringによる投げ銭が実装されている。

スポンサー、してみた

2020-06-21 17_39_10-OOGIRI 22_22 2020_5_28(アーカイブです) - YouTube

立川かしめさんとは、今年3月に僕の主宰している落語会『シェアする落語』に出演していただいた縁もあり、ちょっとスポンサーになってみた。

なんと、1回500円。ワンコイン・スポンサーだ。祝儀の真似事にしても安すぎる。なので毎日提供している人も多い。

スポンサーには他にも特典があって、スポンサー限定のコンテンツ「アフター」を視聴できるのだ。このあたりも商売がうまい。

さらにVIPスポンサーになってみた。

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なんか自己顕示欲丸出しなのが恥ずかしいが、まあこれもシャレである。VIPは1回1000円。やすい。

なんといっても、好きな芸人への支援、つまり祝儀が、わずかな額から自宅にいながらカード決済できてしまうのが、ありがたい。

小さくクルクルと回るコンテンツビジネス

毎日生放送するのは大変だと思うけど、『OOGIRI 22:22』『大喜利セーフ22』どちらもスポンサー枠は毎回それなりに埋まっている。個々の落語家へのpring投げ銭もけっこうあるらしい。画面デザインや通信費などの経費を引いても、収入はそれなりになるのかもしれない。

それにしても、だ。
気に入った番組に1000円出せば、スポンサー様として生配信動画コンテンツの中で出演者にひたすら感謝され、本番だけでなくスペシャルコンテンツまで見て笑い転げることもできる。

演芸好きの暇つぶしとして、こんな楽しいことはない

他にも楽しい番組がいくつもあるので、地上波テレビの出番はどんどん減ってしまう。液晶テレビでさえ、いまやYouTubeを見る端末になりつつある。

そして、おそらくスポンサーになっているファン有志によって、番組の記録がWikipediaに記録されている。
大喜利セーフ22 - Wikipedia

いや全く、すごい時代になったものだと思う。

自粛要請も解除され、落語会も徐々に開催されるようになってきて、僕もぼちぼちと寄席や落語会に顔を出している。やはり、落語は配信より生のほうがずっと面白い。

でも、こういう落語家同士のバラエティ・トーク番組は、ネット経由でも僕ら演芸ファンにとって、とても楽しいし、手軽に祝儀を切れるのも、またいい。ファンとしては、お気に入りの落語家が、こんなご時世のなかで、とりあえず元気にやってるのを確認するだけでも嬉しいものだ。

一部の売れっ子YouTuberたちに比べたら、とてもささやかではあるけど、このコンテンツビジネスは、小さく小さく、クルクルと回っている。

ウイルスの影響がなくなった後にも、回数を減らしてもいいから、この「小さくクルクル回るコンテンツビジネス」を続けてほしいなと思う。
特に若手落語家にとっては、些細とはいえ収入源になるし、修行にもなるし、ファンづくりにもつながるだろうから。

自粛解除後、はじめて行った落語会は、『OOGIRI 22:22』で活躍中の三遊亭ぽん太さんの会でありました。

関連ノートはこちら。


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shike(四家正紀)…話芸(落語・講談・浪曲)×IT・マーケティング
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