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カセットテープ・ダイアリーズ
3月に「パラサイト」を観て以来の久しぶりの映画館。
80年代のイギリス、パキスタン移民の男の子が主人公。僕とほぼ同年代。
パキスタン人であるがゆえ、隣近所や学校でも差別的な扱いを受け、お父さんともうまくいかない。毎日悶々としていたところ、クラスメートから「ボスを聴いてみろ」とカセットテープを渡される。
ボス、すなわちブルース・スプリングスティーンのことだ。
地べたを這いつくばっても必死に生きていこうぜ!
強烈で骨太なロックと、負け犬に成り下がるギリギリのところで勝負するメッセージ性。
衝撃を受けた主人公はボスに心酔して、「坊や」から「男」に成長していく。
わかる、わかるよ…
この頃のアメリカは一方ではマイケル・ジャクソン、その反対側でブルース・スプリングスティーンの時代だった。
もう理屈抜きでかっこよくて痺れたな。
「BORN TO RUN」
俺たちのような放浪者は突っ走るために生まれてきたんだ!
「BORN IN THE USA」
父に初めて買ってもらったアルバム。
発売初期のCDで、まだマスターテープをそのままCDに移しただけだったので音質はとても悪い。それでも聴きまくった。
「LIVE 1975-85」
発売当時はLPレコード4枚組という高価なもので、とてもじゃないけど子供が手を出せるものではなかった。にもかかわらず、同じクラスのお金持ちの友達がこれを持っていて、家まで聴きに行ったことを覚えている。羨ましかった。
大人になってからCD3枚組を買った。オレもこのライブ盤が買えるようになったんだとしみじみと嬉しかった。