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声優の凄み

本を「聴き」ながら寝ることが習慣になってしまい、毎晩スマホからボソボソと読み聞かせをしてもらいながら寝落ちしている。

後味が悪い、暗い、切ない、怖い、系の本も好きでよく読むけど、寝る時に聴くのは明るい、楽しいというハッピーな作品が多い。やっぱり嫌な気分になって寝たくはない。睡眠の質にも影響しそうだし…

半沢直樹や陸王でおなじみの池井戸潤の新作、「俺たちの箱根駅伝」、読んでみたいけど上下巻で4000円に尻込みして聴く本で妥協することにした。

箱根駅伝を目指す大学生たちの激しいライバル意識と嫉妬、中継をするテレビ局のスタッフの上司と部下の軋轢。2つの視点で物語が交互に展開するので飽きさせない。

キャラ設定もストレートでわかりやすい。いい奴はずっといい奴で、悪役は最初から最後までずっと嫌な奴。このひねりのなさ、裏表のなさが良くも悪くも池井戸潤の作品世界(あまり褒めてないが)。

憂鬱になったり考え込んだりしないから寝る前に聴くのに最適だった(あまり褒めてないが)。

何より驚いたのが、この本を朗読する声優、浅木俊之さんの声の使い分け。大学生ランナー、監督やコーチ、テレビ局スタッフ、女性、その他、軽く10人は超える登場人物の声音を変えてセリフを読むから聞いていてわかりやすい。とても1人で朗読しているとは思えない職人芸。さすがプロは凄いなと感嘆した。

1ヶ月お試し無料だったから聴き始めたaudible、もう完全に生活必需品。

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