我が家の花札ルール
我が家の伝統的な花札ルールが、一般的な花札のルール「八八」「こいこい」「花合わせ」を混ぜたような謎ルールなので、解説記事を書いてみました。祖母の祖父?より前から伝わる楽しいルールで、ぼく自身20年以上遊んでいますが、全く飽きません!
よかったらみなさんも遊んでみてくださいね!
プレイ人数
3~6名。
同時にプレイできるのは3名ですが、12回勝負を行うため4名以上でも交代でプレイすることができます。配られた手札を見て、参加するかどうかを宣言する駆け引きもゲームの一部となります(詳細は後述)
札と点数について
12か月x4枚の計48枚を使用します。
得点は「たん」が5点、動物や風景が描かれた絵札が10点または20点です。
ここまでは他ルールと同じですが、植物だけが描かれたカス札は我が家では0点です。(他のルールだと1点が多い)
基本的には得点が高いカードを集めたら勝ちですが、後半に説明する「役」により点数が変動します。
なお、「1月」から「12月」までの12回勝負を行って勝敗を決定しますが、実際の月が今何月かはゲームに関係ありません。
ゲームの流れ
◆準備
・最初の親を決めます(決め方は、じゃんけん等ご自由に)
2月以降は、前回の勝者が親となります。
・得点を記録するための紙とペンを準備します。
・カードを出す"場"がわかりやすいよう、プレイマットや座布団等を置くと良いでしょう
◆1月(1ゲーム)の流れ
1ゲームの流れです。①~⑤を「1月」から「12月」まで順番に計12回繰り返します。
月によって月役(後述)になるカードが変わってくるので、「次は何月で、どの札か」というのを全員で確認してから始めるようにしましょう。
①親が札を配る
以下のように配ります。トランプのように1枚ずつ配るのではなく、上から既定の枚数ずつを配っていくのが特徴です。
1. 札を裏にしてシャッフルし、ひとつの山にする。
2. 親の次(左隣)のプレイヤーが、任意の位置で札をカット(上下を入れ替え)する。※「チョン」「チョンする」などと呼びます。
3. 各プレイヤーに、山札の上から3枚ずつ配る
4. 場に、山札の上から3枚を表にして並べる
5. 各プレイヤーに、山札の上から4枚ずつ配る
6. 場に、山札の上から3枚の札を表にして並べる
※6人の場合、これで山札が無くなります。
5人以下の場合、残った山札は場の中央に伏せて置きます。
②出場するプレイヤー3人を決める
3人の場合、この手順は飛ばします。
親から順に、自分の手札を見て、「(勝負に)行く」「(勝負から)降りる」を宣言します。親から遠いプレイヤーは意思決定権がなく、人数が不足する場合は強制参加となります。
例えばA~Dの4人で遊ぶ場合、Aが「降りる」と言った場合は残り3名で勝負をすることになりますし、A~Cが「行く」と言った場合、Dは参加できません。参加しないプレイヤーは、山札の上に手札を戻します。
※一般的には4人以上で同時に遊べるルールもありますが、
我が家のルールではここの駆け引きも楽しみの一つです。
(自信満々に出る人がいたら、出るのをやめておく等)
ちなみに親が降りた場合、参加するプレイヤーで一番親に近い順番のプレイヤーがその勝負の親となります。
③手役を宣言する
手札で役が成立している場合は、この段階で宣言して札を公開します。(詳細は後述)
全員の手役の有無を確認後、参加プレイヤーの中で親の次のプレイヤーが「チョン」をしてからゲームスタートです。
④メインのゲームを行う
山札が無くなるまで、親から順に以下の手順を繰り返します。
手番の回数は全プレイヤー同じで、最後には必ず場からカードが無くなります。つまり、すべての札がいずれかのプレイヤーに獲得されます。
1. 手札から1枚の札を表にして場に出す。
場に同じ月の札がある場合、その札と今出した札の計2枚を獲得する
※場に同じ月の札が2枚出ている場合は、いずれか1枚を選び、今出した札と併せて計2枚を獲得します。
※場に同じ月の札が3枚出ている場合は、そのすべてと今出した札の計4枚の札を獲得します。
場に同じ月の札が無い場合、札は獲得できず、今出した札が場に追加されます。
札の獲得を拒否することはできません。
2. 山札の一番上の札をめくって場に出す。
手札から出した時と同じ要領で、札を獲得します。
獲得できなかった場合は、今めくった札が場に追加されます。
3. 次のプレイヤーの番になり、1,2を行います。
ただし、札を獲得した時点で"壊し役"が成立した場合、即その月は終了となります(詳細は後述)
壊し役は固定点なので、⑤⑥の手順は行いません。
ちなみに、我が家では獲得した札はオープンにして、外野も含めて状況を確認しながら遊んでいます。「○○がこの役を狙っているね」「この役は今壊れたね」「それは月役だけど捨てちゃっていいの!?」等々。こうすることで、記憶力が弱い高齢者も不利になることなく、3世代でも遊べるのです。
⑤得点計算
得点計算は、以下の手順で行います。
1. 「ふけ」の判定
獲得した札の点数を単純計算します(役は考慮しません)
この時点で30点以下のプレイヤーがいた場合、この月は無効試合となり、①カードを配るからやり直しになります。
30点以下でやり直しになることを「ふける」と言います。
この時、雨のカードは0点としてカウントします。
せっかく好調でも、他のプレイヤーが「ふける」とノーゲームになってしまうため、他のプレイヤーがふけないように注意をはらっておく必要があります。
逆にあまりにも手札が悪くて得点が望めない場合は、「ふけ」を狙っていくのも戦略となりますが、狙ってふけることは結構難しいです。
2. 「役」の清算
手札にあった「手役」と、獲得した札で成立する「出来役」(詳細は後述)を申告します。役があるプレイヤーは、役が無いプレイヤーに点数分の札を渡します。
お互いに役がある場合は相殺され、差分の点数分の札を渡します。
※札を渡すのは得点をカウントしやすくするためで、制限があるわけではりません。役が多すぎて渡す札が足りなくなっても、得点には反映してください。
例1)
AとBは20点の役があり、Cは役が無い場合
A-B間は相殺、CはAとBに20点ずつ渡します。
例2)
Aは30点、Bは20点の役があり、Cは役が無い場合
CはAに30点、Bに20点渡します。
BはAに差分の10点だけ渡します。
このように、役の得点は単純加算ではなく「点数の受け渡し」になります。したがって、20点の役でも、1人だけ成立すればそのプレイヤーと他のプレイヤーは実質60点の差がついてしまうことになるため、自分が役を作るだけでなく、他人の役を阻止することも大きなポイントとなります。
3. 得点の申告・記録
手元にある札の点数を数えて、80点を基準として申告します。
例えば100点なら「プラス20点」、60点なら「マイナス20点」となります。
全員の得点を合計すると±0点になるようになっているので、そうならない場合は数え間違いが無いかを全員で確認します。
◆総合得点計算
12勝負=12か月分行ったら、合計得点で順位を決めます。
ひと月ごとに都度計算しておくと集計がラクです。
役の一覧
我が家ルールの役の一覧です。
「手役」「出来役」「壊し役」の3種類があります。
「手役」と「出来役」はいくつでも重複可能です。
◆手役
最初に配られた手札で成立する役で、「手札の点数で決まるタイプ」と「手札の種類で決まるタイプ」に大別できます。
<手札の点数で決まるタイプ>
種類が多いですが、「特定の札以外はすべてカス」ということが共通していることをおさえれば、覚えるのは簡単です。「雨」の札は「ふけ」の判定と同様に、カス札として数えます。
<手札の種類で決まるタイプ>
同じ月の枚数によって決まる役です。2つしかないですが「3枚あるやつ」は「飛び込み」という出来役的な要素もあるので要注意です。
◆出来役
獲得した手札で成立する役です。3つだけなので覚えやすいですが、月役は1勝負ごとに札が変わるので要注意です。
◆壊し役
ゲーム中、これらのカードが揃った時点で、その月は終了します。
得点は固定で、それまでに獲得した役などはすべて無効となりますが、すべて高得点の役ばかりです。
用語の補足など
・飛び込み/飛び込む
最初から手札に3枚以上ある月の札を、4枚すべて獲得すること。
手札に2枚以下だった月の札は4枚揃えても「飛び込む」とは言わない。
・ぼうず
8月を満月にちなんでこう呼んでいるが、本来は「すすき」
・雨
11月は雨が降っているのでこう呼んでいるが、本来は「柳」
・決まり札
まだ獲得されていないが、獲得するプレイヤーが決まっている札
・起こす
自分の手番で、山札をめくって場に出すこと
例えば菊の札が欲しい時に「菊を起こす!」と言いながらめくったりする
・捨てる
何も獲得できない札を出すこと
・割る
役が成立できなくなること、およびその状態。「赤たんもう割れてたっけ?」等のように使う。
・チョン(する)
山札をカット(2つに分けて上下を入れ替え)すること。原則として親の次のプレイヤーが行う。カードをシャッフルしたり戻したりするときに作為が入らないようにするためのルール。カットしないという選択肢もあり、その場合は山札の上を文字通り「チョン」と触って終わりにする。
Tips・戦略
・「何にも無い時は藤カス捨てろ」
月役や飛び込み以外の役に絡まないので、取れるものが無い時は藤カスを出せばいいという標語。菖蒲も実は同じ。
・役を狙う時はさりげなく
明らかに狙っているとわかると妨害されやすい。
ただし勝負に参加していないプレイヤーが気づいて言及してしまうこともあるので、真剣勝負をしたいときは助言を禁止しても良いだろう。
・親は初手で取れる札が無かったら降りろ
親の有利なところは、最初に場に出ている札を確実に獲得できるところ。逆に言うと手札は獲得できないこともあるので、初手で取れる札が無いのに勝負にいっても勝てないことが多かったりする。
・最後のプレイヤーは意外と有利
最初に場に出ている高得点札は取られてしまうことが多いが、手札のうち最後に残す1枚は、確実に獲得することができる。それをうまく利用しよう。
・あまり自信満々に「行く!」と言わない
自信満々だと、他のプレイヤーが手役を警戒して引っ込むため。自信ないけど出ようかな~くらいのほうが、他のプレイヤーも大した手札じゃなくても参加してくるので勝ちやすくなる。
・猪鹿蝶より赤たん・青たんのほうが簡単
同じ月の10点札と5点札が場に出ている場合、単純に点数の高い10点札を取ろうとするプレイヤーが多い。そのため猪鹿蝶は3枚とも他プレイヤーと競合しやすく、成立頻度が低い。赤たん・青たんは狙えるプレイヤーや意図的に役を壊そうとするプレイヤー以外狙わないので、サクっとできることもある。
さいごに
というわけで、我が家のルール紹介でした!
これを見て遊んでいただけたら幸いです。
花札画像はこちらからお借りしました。感謝!!