そのひとらしさを写すために
写真を撮影させていただいていると
特にポートレートを撮影させていただいていると
「その人らしさを引き出すためのコツ」を聞かれる。
そしてそのコツは
スラスラと出てこない!
誰か出てくる方いたら教えてくださいな。
「出てこない」って言ってるのは
なんとなく、ぼんやりとわかっているものの
きちんと言語化をする努力をしていないだけなんだけど。
逆に、被写体になった時のことを思い出してみる。
私は自然体で写真を撮られることが苦手なのだ。
YOUTUBERになりたい人には2パターンあって
1)動画を発信したい人
2)動画に写ってる自分を発信したい人
がいると聞いたけど
写真にも同じことが言える。
私は確実に「写真を撮りたい人」であって「写真に載りたい人」ではない。だからカメラを向けられると、一気に緊張して、一気に頭の中が真っ白になり、訳のわからないような事ばかりを話し出す。
どんなにカメラマンが笑わせようが
「私が緊張しているから笑わせようとしている」と勘ぐる。
「こうやって写ると喜んでくれるかな」
「こういう動きをするとカメラマンも楽かな」と
発想は確実に「撮る側」。
カメラマンの先を行こうとする。
そんなワケなので、相手の努力も虚しく
私らしい写真なんて今までに一枚もない(はず)
いや、こうやって挙動不審なのが「私らしさ」なんだと思う。
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自分の黒歴史を思い出しながら
いくつかのコツというのを捻り出そうと思う。
1)本気で綺麗だと思う。
自分の経験から「どんなにカメラマンが努力をして盛り上げても、ダメな人にはダメ」というのがわかっているので、無理して「綺麗だよ」とか「かわいい」とか言わないのである。いや、言えない。そういうタイプではない。
本気じゃない言葉って相手にも伝わる。
だから綺麗に見える場所を一生懸命探して、さっき撮影した写真よりも1ミリでも綺麗に撮れていたり見えていたりすると、すっごく嬉しくなって
「綺麗!」って言い続ける。
2)主役は相手に譲る。
自分の作品を撮影している以外は、常にクライアントが居る状態なので、クライアントに満足をしていただかないと仕事として成り立たない。そして相手が喜んでくれるために写真を撮っている。そしてそれが嬉しい。
「どう思いますか?」って聞かれるが、逆に「どう思います?」って聞きたくなる。私は自分で「これは綺麗だな」と思うカットしか相手に見せないから、私は自信を持ってオススメできるからだ。
頼んでくれた方が喜んでくれるように、全身全霊で全ての細胞を使って相手の雰囲気をみて撮影を続けていく。撮影時の私は、今話題の「繊細さん」になっているに違いない。
面白いことに、相手をカメラごしにみていると、相手がどんどん輝いて見えてくる。それが本当に楽しいのだ。相手が輝いて見えることに嬉しくなってくる。
3)私の巨匠感のなさ(笑)
私は数秒で相手の心を開かせるタイプではない。そしてそれを目指さない。長い間、時間をかけて、ゆっくりと写真を撮っていく。私の声は通らないし、人見知りなんだけど、相手に威圧感を与えないという事は、今となっては良かったのかもしれない。
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絞り出してみて、「これですか!?」という感じではありますが、
相手を尊重して、相手の好きなように振る舞ってもらうことに喜びを感じるし、
私自身が友達の友達に似ているというタイプらしいので、被写体さんが知らない間に知り合いに会っている感覚になるそうで、その辺りは強みというか、転校生万歳って感じで思いたいと思う。
そのひとらしさを出すための撮影は、みんなそれぞれの方法があると思うよ。
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