電験三種とは。
電験三種とは
電験三種とは、電気事業法に定められた、5万V未満(かつ、出力5千kW未満)の事業用電気工作物の主任技術者として選任されるための資格試験です。
電気事業法上、電気工作物は、一般用電気工作物と、事業用電気工作物に分けられます。
一般用電気工作物は、600V以下で受電している電気工作物などで、代表的なものが家です。
事業用電気工作物は、一般用電気工作物以外の電気工作物で、代表的なものがビル・コンビニ・工場・発電所などです。
事業用電気工作物の設置者は、電気主任技術者免状を保有している人の中から、主任技術者を選任する必要があります(法43条)。その電気主任技術者免状を手に入れるための試験が電験(電気主任技術者試験)です。
電験三種の需要
電験三種の需要は、ビルや工場などの数だけあるといっても過言ではなく、経済産業省の試算(※1)では2030年に800人程度の有資格者が不足することが見込まれています。
又、電験三種の上位に当たる電験二種(17万V未満を監督可)は有資格者不足が顕著で、2030年に1000人の不足が見込まれています。これは、電験二種の監督範囲となるメガソーラーなどが数多く新設されているためです。
電験三種取得後、1万V以上の電気工作物における5年の実務経験を積むことで、電験二種を無試験で取得(認定取得)することが可能です。
電験の試験について
なぜ、電験を受験したか
まあ、大半の人は会社から取れと言われて受験しているんじゃないでしょうか、、、?
私も例に漏れず会社のご命令によって取得することとなりました。
大きめの工場を持っている会社となると、電験2種保有者を一定数在籍させておく必要があります。
電験三種にも、実務経験による認定取得制度(500V以上の電気工作物における実務5年)がありますが、あまり一般的ではなく、ほとんどの人が試験を通じて資格を手に入れています。
一方で、電験二種は試験で取得する場合の難易度が非常に高く、実務経験による認定取得が一般的です。
そのため、会社は電験三種を試験で取得するように奨励しており、その結果私が電験三種を取ることとなりました。
電験三種の試験方式
2022年より、従来のペーパー方式に加え、CBT方式による受験方式が追加されています。
今のところ、ペーパー方式による受験者の方が多いようですが、
① 一定の期間内で、科目を分けて受験可能
② 受験直後に点数が分かる
③ 好きなタイミング(平日等も)で受験可能
④ 試験会場を選べる
等の一定のメリットがあります。
直接問題用紙に書き込んで解くことができないことが難点ですが、特にPCの扱いに長けている若い人にとってはCBT方式によるメリットを享受しやすいと思います。
私は、全科目をCBT方式で受験しました。科目試験と科目試験の間を最大3週間程度開けることができるため、余裕を持って勉強することができました。
試験の勉強時間
私は、学校で若干電気系をかじっていたためあまり参考にならないかもしれませんが、各科目150時間程度を勉強に費やしました。
最初から2回の試験(23年下期、24年上期)で、各試験2科目ずつ(理論+電力、機械+法規)受験する計画だったため、各試験の申し込みを行ってから勉強を始めれば十分合格するレベルに達することが可能でした。
ただ、社会人が働きながら取得すると、時間の面で苦労します。可能であれば学生の内に取っておくと有利だと思います、、、。
さいごに
電験三種についてまとめましたが、いかがでしたでしょうか?
電験は、工業系の会社だとどこでも取れと言われる資格の1つです。
そのくらい需要が高く、また、今後も需要は落ちにくい資格です。
CBT方式の導入によって取得しやすくなっていますが、社会人が働きながら取得するには大変な資格には変わりありません。
学生の内に取得しておくと、いろいろと有利ですよ!そこの学生さん!
※1 電気主任技術者制度について,経済産業省,2024年8月9日アクセス
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/hoan_seido/pdf/013_01_00.pdf