僕たちはリモートワークに振り回されていた。Gatherを使うまでは。
最初の金曜日
「今までの働き方ではだめだ」代表からそんな発表があった。業績は上向いている。利用者も右肩上がりで増えている。でもだめだ。この程度じゃだめだ。誰しもがそう考えざるを得ないのは分かってたし、みんな壁にぶつかっていたのも分かっていた。もっと圧倒的スピードで成長しなくてはいけないのに、今までのように息を吸うようにコミュニケーションして前に進むことができない。うまく噛み合わない。すれ違う。伝わらない。誰かの失敗と同じ過ちを別の誰かが再現してしまう。会社に重りを結び付けられたかのように思うように進めない。これは一体何なのか。その正体にみんな薄々気づいていた。それは リモートワーク中心によるコミュニケーション不全 という大きな重りだった。
Ubieは決してコミュニケーションを疎かにしているわけではない。必要なミーティングであれば密に行う。スクラムを導入しメンバー間でコミュニケーションを取り、ホラクラシーでフラットなコミュニケーションで組織を作っている。コミュニケーションは他の企業より綿密で多い方だと思う。
「みんな出勤すればいい」と言うのは簡単だ。だが今はコロナだ。医療に関わるUbieはよく知っている。もう今までのようにやるのは無理なんだ。これが現代なんだ。
今までは物理でコミュニケーションしていた時の相互理解の貯金のようなものがあったからうまくやり取りできていた気がする。しかし新たなメンバーが続々と増え、ステークホルダーが増えていくうちにだんだんと、気づかないうちに動きづらくなっていた。
僕は福岡からリモートワークで参加している。最も他人事ではない。リモートワークがうまく機能しないと最も役に立たない人材だ。これは、なんとかしなくてはならない。
普通の企業ではそういうのを管理する部署があって、なんかいい感じにするために奮闘するのだろう。だがここはUbieだ。全社員が当事者であり多くのメンバーが組織開発に参加している。この問題を解決すべきは僕自身であり皆で取り組むべきなのだ。
そもそも僕はリモートワークの働き方をもっと改善したい気持ちがあった。もっとうまくやれるような気がしていた。Ubieではこれを will と呼んでいる。本人がやるべきだと感じたことをやる。これがUbieが大事にする哲学の一つだ。
既にプロダクト開発や採用活動や開発体験向上などで忙殺されていたが、やるしか無いと決めた。それも今じゃないといけない。Ubieのコミュニケーション問題を解決し、さらに活性化するんだ。
Ubieにはもともとコミュニケーション好きな人材が多いので、場さえ提供できれば好転するという期待があった。最終的に導入を決めたのが Gather というバーチャルオフィスサービスだ。これを使えばある程度のコミュニケーションの問題が解決すると思った。
導入の1週間
月曜日、他サービスを含め Gather の実験的なスペース作って数人で触った
火曜日、興味を持った人が集まってきてGatherをいじくり回して破壊した
水曜日、正式なスペースができて情シスが管理し、社内でコミュニケーションスペースとして公開された
木曜日、社員の多くがミーティングをGatherでやるようになった
金曜日、Gatherを管理するチームが生まれ、チーム合同ミーティングをGatherで開催した
最初の金曜日に全社員が「このままではだめだ」と共通認識を持ってから、次の金曜日には新たな解決策でこの苦難を乗り超えていた。
Ubieはまた一気に進み始めた。
Gather導入で起こった変化
というわけで小説調で書き始めましたが、UbieではGatherを導入しました。結論、めちゃくちゃ良かったです。仕事の仕方がめちゃくちゃいい方向に進み出しました。今現在肌で感じる大きな変化は以下の2つです。
「ただ話す」が実現できた
情報の透明性が上がった
「ただ話す」が実現できた
フルリモートワーク下の中「ただ話す」を実現できました。ただ話すは Large Scale Scrum (LeSS) にある言葉です。
フルリモートワーク下ではこれは難しくなっていました。slackなどでコミュニケーションすればいいだけですが、「だれが情報を持っているのか」「どの場所で聞けばいいのか」「今その人は空いているのか?」などなかなかスムーズに情報を得ることができません。Gatherの中では、ただその人のところに歩いてに行って話すだけです。
情報の透明性が上がった
情報の透明性も上がりました。今まで他のチームが開催するミーティングに勝手に入るのはハードルが高い行為でした。しかしGatherでは近づけば会話が聞けるので、雑談だろうがミーティングだろうが、全ての会話を聞くことができます。
これは物理オフィスより優れた仕組みです。物理オフィスでは壁に遮られて気軽に話を聞くことができません。人数制限もあります。しかしGatherではこの問題を取っ払ってくれます。
Ubieのみんなの声
Gatherはかなり自由度の高いコミュニケーションデザインで、使う組織を選ぶと感じています。遊び心が豊富なところ、情報の透明性が高い設計になっているところなど、Ubieと文化がとてもマッチしていました。
Gatherを使った皆の声を紹介します。
Gather使いだしてまだ1~2週間なので、まだまだ使いこなせてないところ、実は社内に好影響を与えている事が隠れているかも知れません。ナレッジが溜まったらまた面白い報告をしていきたいと思います。
ここらでまた小説調に戻って締めたいと思います。
まとめ
まだまだリモートワークの問題が全部解決したわけじゃない。これは穴を埋めたほんの一つの施策にすぎない。
Gather導入の紹介をしたが、これは「Gatherを使ったから問題が解決した」という話ではない。みんなが当事者意識を持ち、積極的に事に当たり、意欲的な人を支える力があるという話だ。Ubieはきっとどんな問題が壁があっても乗り越えていくことができる。
僕がこんな事エモいことを書くのはグレンラガンのテーマソングを同僚と聞きながらブログを書いてるせいかもしれない。だけど大丈夫。リモートワークに振り回されていたのは昨日までだ。
お約束
おいでよ