たどっている。

私が眠っているとき


家族は回っている

学校でも クラスメートも 先生も


回っている みんなは

紫外線に折れない矢に強い

その矢が飛び交う世界に強い


私はそんな世界に弱い


雨の日

普段折れない矢は しおれて 力無い

みんなも 弱い しとしとと

回る世界も 元気がない


私は 窓から


垂直な雨粒の余韻と

勢いのない矢の軌道が描いた

いくつもの歪んだ十字架を


視線できつく刺している


立体化した結晶からこぼれる世界が

綺麗で 綺麗で


いつまでも みていたくて



晴れの日にも 雨の日にも

夜をむかえる〝おやすみ〟がある


その頃 私は

地球上のうるさいものたちから逃げ出そうと

嘘をつく

〝おやすみ〟と


細く静かに光る矢の群れをただただ浴びて


暗い匂いを呼吸しながら

視線で星を繋げる


そんな夢を

毎晩みている