インスタblog 「鹿皮の羊皮紙を作ろうと思ったきっかけ」-革の勉強に行ったらフィレンツェで見つけた羊皮紙-
猟師を始めて3年目
鹿皮をなんとかしようと考え、鞣しを始めて1年ほど経った頃の話
猟で得た皮の難しいところは、家畜化されていない点。単純に皮革にすれば良いとは思えなかった理由
野生は傷が多い、生きている動物だからそりゃー傷がつく。山には虫が多いから虫にも刺される。猟は銃器を使うため皮に穴が開く。山から下す時に引きずるから傷が出来る。解体する際に肉を得ることが目的だからナイフ傷がつき穴が開く。また鮮度があるから皮の保管も大変
とにかく難しいのだ
皮革にすることは鞣しをすること。鞣すことにより、簡単に言えば日常に使うことの出来るカタチに変えてあげることなのだ。(科学的に考えるなら腐敗しない、固くならない、常温化で変質しない、耐薬品性や耐熱性の向上など)
鞣してみたものの仕事で使っている牛革や豚や山羊や羊より良いモノがなかなかに出来なかった(現在は、素晴らしい鞣しをするタンナーさんに出会い考えが一変している)
モヤモヤする日々が続いた
そんなときにイタリアのミラノで革の勉強をしに行く機会があった。フィレンツェにいる友人を訪ねにも行こうと考えた。鹿皮のことなどなんにも考えずイタリアに飛んだ
まさかフィレンツェで鹿皮の利用を考えることになるとは思わなかった
訪ねた友人に紹介されたのが羊皮紙を扱う職人
初めてみる羊皮紙。皮なのに紙、紙なのに皮。単純にかっこよく興味が湧いた。いろんな色の羊皮紙があった。厚さも沢山用意されていた
もしかしたらと考え、帰国したらまた調べようと思った
そして僕らは革の勉強を終え、帰国した
日本には資料がほとんどないので、国会図書館や関係する大学の教授や先生に連絡を取り聞いてみた。興味が自分を突き動かした
皮革と違い、羊皮紙は皮の傷を気にしないで作れることを知った
日本に居る鹿には羊皮紙に向いている可能性を知った。
それだけ揃えば十分
まずはやってみようと一人で始めてみた
そして現在に至る
どこに自分を突き動かす出会いがあるかわからない
鹿皮の羊皮紙「鹿皮紙」を作るきっかけとなったのはイタリアフィレンツェの羊皮紙たち
2022/2/15
鹿皮紙プロジェクト代表 カワダ シュウジ
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