夏すべなしっ!
蛙が鳴いていて。夕飯も鱈腹腹に詰め込み、まったりしつくしている今だ。なんでこんなに安心感があるのだろう。それは先日、短編のフィクションにしたが。決して自ら語らぬ蛙だが、仲間の声には必ず答える優しい奴だ。その蛙心とは何ぞやを、じっくり雨の降る梅雨にでも、説いてほしい。そしてそれが身に染みたころ、本当の夏が訪れるだなんて乙な話じゃないか。
そんなこと考えている。
大分遅くなった夜にまだ青い夕空を見つめる幸せを。好きな本を真剣に読める幸せを。その心地を支えてくれる、僕にとっての夏という概念を。手ぬぐいすらまだ濡れていないが、すぐそこ、という保証は何にも代えがたい。確定したものを待つ、それほどの贅沢とはないのだ。
あ、ま、そんな感じで鹿田です、よろしくね。
うーん、またネタなんて思いついてないわ。でも楽しいからいっか、と根拠もなく楽観的な鹿田である。根拠のない自信ほど強いものがないなら、きっと根拠のない楽観も同緯度にいるはずだろ。深く考えるな、いや、深く考えなくていいのだ、いや、深く考えなくなる。それは大いなる夏の力だ。
夏以外の季節ならくよくよ考えてしまうことも、夏にさらせば真っ白なシャツのように浄化されてしまう。そしたらそのまま着てしまえばいい。身も心も服までも白だ、白は光を反射する。となれば白いシャツをきた僕自身も疑似太陽になることができる。世界中のみんなが夏に、真っ白いシャツを着たらどうなると思う。僕はそれを考えるだけで笑みがこぼれて仕方ない。こぼれても勿体なくないしな。
ビール持ってくる。生ジョッキ缶♪まだもう1ケース残ってるんだ。
うまい。旨いなぁ。夏を思って飲むビールってなんでこんなにうまいんだろう。夏=ビールだもんな、夏の話をしていたらビールも贔屓してくれるんだろ。少し眠気の集う瞼にもつけてさ、そっと目を閉じると妄想そこには今年の夏の景色がまばゆい白光とともに映る。コロナもあるけれどさ。夏の神髄はそんなのに左右されてしまうほどヤワじゃないよ。
ね、本当に僕はそう思うのさ。夏の本質とは、それはきっと夏バカの鹿田だけに働くものではなくて、それはみんなに共通するものだと思うんだ。夏の日差し、朝起きて、もう分厚いカーテン越しにさえ分かる夏の日差し。隙間から差し込んではいたずらに埃の粒子を照らす夏の朝陽。カーテンをつかめばもう暑くて、一気に開け放つ。そして差し込む朝の日差しさ!僕は考えただけで、少し鼻先が痛む。もう酔ったかな?まだビール明けてから1分もたってないのに。
そんでね、太陽を見るんだ。勿論まぶしくて直視なんてできないよ。東の山の緑、朝風にたなびく、その緑の波の美しさよ。もう外に出たくて仕方ない、外に飛び出る。僕は下駄をはく、パジャマのまま飛び出て朝陽を全身に受ける。ジワリと汗をかく。水道水を頭からかぶる。蝉が鳴き出す、虫が鳴き出す!深く深く、深呼吸をしては「夏だ」と確信する。それが毎日だ。ほんと、あきれるほど夏バカなんだよ。
ラジオ体操が流れる。べつにね、出張じゃなくたっていいんだ、だって、ラジオ体操している人なんて、家でだってするんだから。おんなじ時間にね。どこに居ようとみんな今、この時間にラジオ体操をしている。カムチャッカの若者がキリンの夢を見ていてもね。それは、その本質は何も変わらないだろ?
そして朝ご飯を食べる。夏の朝ごはんはおいしい。それはしっかり目が覚めた朝のごはんだから、ビタミンDの成す業さ。そして考える。今年の夏こそは考える。コロナなんかに負けてはいられないと。大切な人生の中の1夏なのだ。満喫してやる。大丈夫、僕は夏の本質を知っている。そうして僕は近くの草原に横になるだろう。海もいいが、この草原もいい。だって、ずっと草がおいでおいでいってるんだよ。強い夏風が止まずにずっと吹いている。少し、朝の穏やかな夏風が。それが心地いいんだ、心地よくて仕方ないんだよ。だから僕は、そこに贅沢に横になって大の字になる。太陽を見上げる。虫が飛んでく、虫が鳴く。草の匂い。草いきれの匂い。
そしてだんだん日が昇るにつれ、気温も急激な上昇をする。もうそうろそろ家に戻ろうか。1匹のトンボが僕の頭の上をくるりと通っていく。日陰の縁側に座る。手ぬぐいで汗を拭く。日になれた目には部屋の中は真っ暗に見える。真っ暗な部屋から真っ青な空と真っ白な入道雲を見てる。時折聞こえる車の音。あとは蛙鳴蝉噪が埋め尽くす。それでいい、それが最高なんだ。だって、僕はそこにいるなら、夏の小説なんて読まなくていいし、夏の映画なんて見なくていいんだ。僕の人生の目的はここなんだから!
でも泣きもしない。鼻の頭がつんともしない。それは夏の奇跡だ。僕はむかし「夏の奇跡」という詩を書いたがそのままだ。(あ、気になる人は僕の昔のブログ「銀河と四季の道標」で調べてみてほしい。多分結構初期の頃のはずだ)
夏は暑くて暑くて頭も茹だち、そんなまじめなことなんて考えていられない。だってさ、もし夏にまじめなことを考えることができたら僕は、このなつだってすぐ終わる、という事を日々思いながら過ごす羽目になる。でも夏は凄いんだ。そんな暇与えない。暑くて暑くてそれどころじゃなくしてくれる。それは、夏のやさしさ以外、なんと受け取れる?夏はやさしいんだよ。
ああ、酔った。嬉しく酔った。
そんな夏ももう目の前、あとは待つのみ。待つ楽しさったらないのさ。
そんなこんなだ!
ありがとう!
またね。