♯16 『社会人1年目の教科書 「伸びる人」の習慣 「伸びない人」の習慣』の表紙から学ぶ、見せ方力アップのヒント
「この本、表紙が面白くて/秀逸で気になっていたけど、具体的に言葉で説明できない」というもの、ありませんか?
本の売れ行きは表紙で決まる! といわれるほど、『表紙』は重要なパーツ。そしてそこには、あなたの情報発信の表現力アップにつながるヒントが、いくつも込められているんです!
そこで、元編集者の僕・しかシカが、ヒット本の表紙に込められた魅力を解き明かしていきます。
|今回取り上げる「表紙」はこちら
『社会人1年目の教科書 「伸びる人」の習慣 「伸びない人」の習慣』
出版社:クロスメディア・パブリッシング
発売日:2019/3/1
著者:菅沼勇基
内容は文字通り、社会人1年目の過ごし方・働き方について書かれたものですね。
|本書の表紙の、ここが学べるところ!
本書『社会人1年目の教科書』の表紙を見て、魅力を感じたのは以下の3つのポイント。
・キーワードを「縦」に流す(強い印象付け)
・「できる人」と「できない人」の対比(仮想敵)
・「○○1年目」
実は、以前ブログでレビュー記事を書いた『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』という本も、
・キーワードを「縦」に流す(記号的な印象付け)
・「できる人」と「できない人」の対比(仮想敵)
において同じアプローチです。
こちらの方が出版日が2017年と古いから、オマージュしたのかな。
本の表紙を考えるときは、同じジャンルからまったく異なるジャンルまでありとあらゆる表紙を研究して、いいところをパクリます。
担当編集者のこの積極的なスタンス、同じ情報発信者として見習いたいところ。
えー話が逸れましたが笑、ともかくポイントについて説明していきますね。
|1. キーワードを「縦」に流す(強い印象付け)
これは雑誌の表紙でもよく使われる手法で、印象付けたいキーワードやキャッチコピーを「縦」に流すというものです。
通常は本も雑誌もWebメディアにしても文字は「横」に流すのが基本ですから、それだけで目立つんですね。
これは書店でこっそり撮った写真ですが、どうでしょう? ほかの本がタイトルを「横置き」しているなか、「縦置き」の本は非常に目に飛び込んできますよね。
|2. 「できる人」と「できない人」の対比(仮想敵)
本書でいう「伸びない人」の習慣を取り上げることで、「こうなってはいけない!」という強烈な恐怖を、社会人1年生に感じさせますよね。
・「できる人」と「できない人」を対比し
・「できない人」(仮想敵)を暗に批判して
・「(社会人として成功したいなら)できて当然だ」という問題定義を
ターゲットに発信しているわけです。
しかも、文字が「縦置き」されていることと相まって、よりメッセージ性が強くなっていますね。
この対比アプローチ、noteのタイトルでも使ってみてください。
・ブログで読まれる文章と読まれない文章
・ダイエットで成功する人、しない人の習慣
・お金が貯まる人と貯まらない人の、お金の使い方
「ヤバ! おれできない方かも⁈」と恐怖を感じて、記事の中身が気になりますよね。
|3. 「○○1年目」
「1年目」系は、僕が現役で編集者をしていた頃から鉄板のテーマでした。
社会人1年目、管理職1年目、プログラマー1年目、起業1年目、投資1年目…などなど。
あらゆる切り口・経験に「1年目」はありますよね。1年目だけを限定的に切り取ることで、ターゲットを明確に絞ることもできます。
これも、あなたの発信にもそのまま生かせるはずです。
たとえば「ソロキャンプ1年目」をそのままnoteのコンセプトにしてもいいし、note2年目以降のあなたが「note1年目のときに知っておきたかった文章術」みたいなくくりで、記事をシリーズ化してもいいですね。
|欲をいえばこんなところに注文
文字を「縦」に流すと強い印象を感じさせてくれる反面、記号的になって視認性が落ちる、というデメリットもあります。
ですから要所要所で使いたいものなんですが、本書では表紙に存在する文字の6割が「縦」。
全体的に情報量が多いことも相まって、「何を強調して見せたいのかなー」と感じました。
これに比べると、『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』の方が、上手に情報の整理がなされていますね。
|まとめ〜本書から学べる見せ方表現力アップの秘訣
本書の表紙に込められた魅力は、
・キーワードを「縦」に流す(強い印象付け)
・「できる人」と「できない人」の対比(仮想敵)
・「○○1年目」
でした。
このなかの『キーワードを「縦」に流す』ですが、特にアイキャッチ画像(サムネイル)の作成に活用できますよ。
・noteのアイキャッチ画像
・YouTube動画のアイキャッチ画像
・ツイッターで何かしらの企画告知をする際の画像
要所要所である必要はありますが、情報は目で見て→読むかどうか判断するものですから、読者に内容を印象づける強力な武器にすることができます。
たとえば、ワンポイントで「縦置き」を使って、こんな感じに。
ぜひぜひ、活用してみてくださいね。
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