3・続けて働いていける環境を考える

私は勤務医の時、夜8時まで診療して、そのあとに「紙」カルテを記入し、40分ほどかけて自宅に帰っていました。帰宅するのは平均すると夜10時、とても忙しい日などは11時になることもありました。午前の診療は10時からで、朝礼などもありませんでしたので、朝はゆっくりできたのが幸いでした。ただ、受付さん、助手さん、歯科衛生士さんも、カルテ記入こそありませんが、片付けをして仕事を追われるのは夜8時30分から9時です。早番の人でも7時でした。歯科医院の一般的な勤務時間も同様かと思います。私が入社した当初は、みなさんもほぼ独身だったので、そこまで大変ではなかったかもしれません、しかし、今後結婚出産した時に、正社員としてフルに働き、さらに家でも仕事(家事)をするのはとても大変だろうなあと思っていました。

 自分で医院を持つようになった時、最初は夜7時まで診療をしていました。実際に終わるのは8時近く、新人さんが入って教育しながらとなった場合、まれに9時になることもありました。近隣の歯科医院では夜8時まで診療していたり、日曜診療をやっていたりしているので、うちは短いくらいでした。しかし、私も体調を崩したり、医院に代診のドクターが来てくれるようになってから、自分もスタッフも長く続けるにはこの激務を改善しなければならないと思うようになりました。働き方改革と言われるよりも前の話です。今では診療時間を短縮し、夜7時までだったのが8時までとなり、土曜日の診療は7時30分までにしています。おそらく市内ではダントツ短いです。

 さらに、当初は自分が最後まで残り、鍵を締めて帰っていたのですが、今は片付け掃除はスタッフに任せ、真っ先に帰宅させてもらっています。諸所の仕事がありますが、それらは朝活として朝の診療開始より2時間ほど前に出勤し、診療前に済ませています。スタッフは、うっかりエアコンを消し忘れてしまったりする事もたまにはあるのですが、そのような事が起こった後は、次回は繰り返さないようにと、自ら解決策を考えて提示してくれるまでに成長しました。

 歯科医院を経営していくには、治療ばかりでもダメ、経営ばかりでもダメ、そのバランスが重要なのですが、何かそのヒントになるような情報を、できるだけ具体的な数字や内容を組み込みながら、お送りできればと思います。これからお伝えしたいと思うことは、以下の通りです。まずは1つずつざっくり1から10までお伝えし、その後、1に戻って詳細を掲載していきます。月に1つの記事を予定しています。

1・開業の方法についての提案

2・医院と私の将来を考えながらマネージメントする

3・医院改装、そしてチェア3台から5台、7台へと増設

4・医院を軌道に乗せるためのマーケティングと、軌道に乗ってからのマーケティング

5・採用について

6・新人教育について

7・治療に対する取り組み

8・プライベートの話

9・勤務医として

10・2020年からのコロナ禍における医院経営




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