自己紹介
自己紹介をする時、私はいつも好きな四字熟語を言います。
「明窓浄机」これが私の好きな四字熟語。何も深い意味はありません。教訓、人生訓もない。探せばあるのかもしれませんが、単純に明るい窓と清らかな机。それでいい。子どもの頃の家が思い浮かびます。3部屋しかない小さな家でしたが、そこは私の大切な世界で、その家の、光が降り注ぐ窓辺で私は机に向かい、本を読みます。至福の時でした。時には雨が降る窓辺で、雨に打たれる椿と、その根元にできる小さな水たまりをぼんやり眺めるのも幸せなことでした。
「以心伝心」これが私の嫌いな四字熟語。心を以て心を伝ふ、ということですが、そんなこと言われると困惑します。言いたいことはきちんと言葉にして言おうよ、と言いたくなってしまいます。言わなくてもわかるだろう、というのは、とても我儘なことと思うのです。とはいうものの、そのような思いは変わらないのですが、最近は、自分自身のそういうデリカシーのなさ、表情で察してあげようとしないところが、今まで長い人生で何か弊害をもたらしてきた部分があるのだろうと思わないでもありません。また、世界には言葉では伝わらない何か、例えば、お釈迦様の弟子の周利槃特という人はひたすら掃除をして悟りの境地に至ったと説かれていますが、こういう言い方でしか、伝えられないものもあるのだろうとは思います。
それにプラスして、苦手な言葉がいくつかあります。
「絶対」という言葉が苦手です。もちろん日常気軽に使うのは構わないのですが、例外を認めようとしない態度を見せられると逃げ出したくなります。さらに「正義」とう言葉がつながると勘弁して下さいと思います。絶対正しいものがあるのではなく、より良いと思われる、より良いと判断できるものがあるのだと思います。
そんな言葉感覚でちょっと説明できるのが私です。