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自分史的なクリッピング史料
とはいえ、兵庫県知事の出直し選挙と石破内閣の総選挙騒ぎ等々世間的には一旦落ち着いたのだろうか。当然、それぞれの結果はまた騒ぎになるのかもしれないけど。
前回、街路樹の話などしていたら、昨日は愛犬との散歩に出ると、近所の街路樹がバッサリと伐採されていて、見通しはよくなったが、そこまで切らなくてもというほどになっていた。全体的な外観はどうなんだろうか?と思いつつ、その側をやり過ごす。でも外観というののとても大事だと思う。近所の景色は目の奥に焼きつくものだから、毎日のちょっとした変化や季節ごとの変化に趣きがあっていいなぁと思う。深呼吸を時折しながら、犬のリードを決して離すまいと頭の片隅で身体に指令しながらの散歩ながら。
2019年4月1日 日経 美術品取引 個人も気軽に
年齢を重ねるごとにそれなりに美術品への関心は高まってきたものの、別にコレクターでもないので、相場観やら価値観などを到底身につけている訳ではないけど、少なくともこの記事をクリッピングした5年ほど前には、アートの価値って何だろう?とは考えていた時期だった。
冒頭ではスタートアップが相次いで美術取引関連サービスに参入すると紹介されている。最初に紹介されているのはスタートバーンという会社。ブロックチェーンを使った電子証明書を発行し、次に紹介されている会社、アートゲートは1人数万円で共同購入できる仕組みを作ったと記されている。
アートバーンはその後も資金調達なども順調に行っている様子で、事業を拡張している様子。要は美術品は富裕層だけの市場で終わらせることなく、取引参入の壁を低く下げることで、取引層を拡張して行きたいということで仕組み作りにチャレンジしたということだろう。
当時、スタートバーンは、内装デザインの丹青社などと組んで、美術品の作者情報や取引履歴、担保評価などが分かる電子証明書サービスを始めると記載がある。履歴管理には改ざんが困難なブロックチェーンを活用し、作品への信頼性を高めるとある。電通や東京大学エッジキャピタルなどが出資していて、同社社長(施井泰平社長)は「古く偏った評価基準」が残る美術品市場を、電子証明書の発行で多様性のある開かれた場にしたいという構想を描くと記されている。そして作品の転売が進むたびに作家の収益が還元される仕組みを作ることも視野に入れていると。もうその視野は拓けているのだろうか。
日本はアート取引では発展途上国と言われているとあって、UBSグループによると、2018年の流通総額は世界で674億ドル(約7兆4000億円:当時)で前年比プラス6%。でも日本のシェアは5%にも満たないと。
個人が気軽にアートに触れる機会をつくるという気概を述べていらっしゃるのがアートゲートの社長さん。同社はサイバーエージェントなどが出資していると。こちらは現在アンドオーナーズに社名変更されていた。作品の優先鑑賞など特典付きのオーナー権を売買できて、オーナー権も売買できる。相場次第では差益も入るとあるので、まさにマーケットクリエーション的な取り組み。マネタイズって意外と難しいので、色々なアイデアが創造されるところが面白い。
上記の2社以外にも企業が紹介されていて、スマドナという会社も共同購入サービスを始めると紹介されていて同社も社名変更して現在はストレイム アート アンド カルチャー株式会社となっている。急激な価格変動を抑える仕組みや、少数持分の強制取得といった株式取引にも似た取り組みを展開したいと(当時)。売買が活発になれば、時価が決まり芸術品の資産価値を「見える化」できると。
もう1社、ザ・チェーンミュージアムという会社が。スープストックトーキョーの創業者の会社でもある。それだけで、なんか商売上手の雰囲気が醸し出されている。
海外では美術品取引を新たな仕組みで活性化しようという取り組みはそれなりにある様子で、市場形成も上手くいっているのかもしれないと思わせるテキストが並ぶ。例えばアンディ・ウォーホルの作品の共同購入だったりと。
日本の作品も海外では人気のものが多いだろうから、当然その対象としてターゲットに置かれているのかも知れない。ただ最後の結びの文にもあるように、日本人には、芸術作品というのは、どうしても富裕層のものという先入観がある。だからアートの売買と聞いて一歩下がってしまう人もきっと多いだろうと思う。だからこそチャレンジングな市場なのかも知れない。
課題のある市場、新しい技術の融合、そうした取り組みに挑むアントレプレナーたち。この気概は自分の頭の片隅に残しておきたいと思う。でもいかんせん、美術品などの鑑定眼を持ち合わせていないし、その興味が深いところから湧き出ていない以上、到底自分には無理な状況とわかりつつも、この記事に目がいったことは間違いない。