自分史的なクリッピング史料

酷い殺人事件も止むことはない。人の心は鬼になれるのだろうか?とも考える。でも時として異常な憎しみに燃えることもきっと誰だってあるのではないだろうかとも考えてしまう。最近、「彼は早稲田で死んだ」という本を購入した。現在読み込み中。1972年の早稲田大学で起きた虐殺事件の話。史実だから、余計に身に沁みるのかなぁとも思いながら。現代の日本ではそうした過激な時代を想像することは決して容易ではないのかもしれないけど、どの世界どの時代でも必死に生きようとした人たちがいる。そうした人たちの生きざまは生き抜く力を養う意味でも考察しておきたいと思うけど今の若い人たちはどう思うのだろうか。苦しいという思いはいつの時代でも誰もが遭遇するだろうから、今で言えばレジリエンス能力を高めたいと思う人もきっと多いはずだ。

2024年4月22日 朝日 good locker room guy  麻也は、どこにいても
2024年4月23日 朝日 「次に決めたチームで長くプレーできたら」

最初の記事はスポーツ欄に掲載されたもの。先般長谷部誠が引退を表明したばかりだけど、長谷部の後、日本代表の主将を務めた選手。今も下根来で北米のリーグに参加している。一人での記者会見で、吉田は約10年間もクラブで働いた職員の名前を挙げ、その彼が最後の日であったことを語り、その彼のためにも勝つ必要があったとコメントしたとか。地元の記者も吉田を頭が良くて体の使い方がうまいという評を付している。こうしたピッチ上でのパフォーマンスだけでなく、ピッチ外の振る舞いをも絶賛していたと。

仲間を盛り上げ、いい雰囲気づくりに腐心する存在。good locker room guyだと。吉田は21歳で海外に飛び出し、オランダ、イングランド、イタリア、ドイツ、そして米国と14年近く渡り歩いている。その米国のチームでは加入1年も経たずして主将を任されているのは、まさにコミュニケーション力の賜物。長谷部にしても遠藤にしても海外の所属クラブでキャプテンを任せられるほどだったことを考えると、やはり相当なものだろう。

吉田は日本代表時代、食事会場で若手に海外で生き抜くためには英語が必須であると若手に説いていたという。それはプレーにも直結することもあるだろうけど、それ以上に普段の生活から人それぞれの考え方を吸収する為にも絶対に必要だということだと思う。自分もそう思うし、今の世の中いかに深く掘り下げることができるかをネットを十分活用して自身の知識として蓄えていきたいけど、その時に英語のテキストに直面することは当たり前だと思う必要がある。プレーだけ、言葉だけで、とどちらか一方ではなく、両方が大事だと吉田はコメントしている。グローバル時代の生き方を実体験として示している好例。当然、相当な覚悟を持っている人なのだろう。

一方で翌日の渡辺雄太の会見記事は、夢の舞台NBAでプレーしていたのになぜパリオリンピックがあるこの年に日本に帰還するのだろうか?と。その原因は自身のメンタルの問題と語った。自分では弱さを見せるタイプではないと思っていても、実際はそれを開放した時の安堵感で救われたと言っているので、世界の頂点でプレーすることがいかに激しく厳しい環境なのかを物語っていると思う。何せ皆渡辺雄太を成功者の一人であると思っていたはずだから。彼は、心のケアを含めて改めてメンタルの健康が大事かということをコメントしている。

日本に帰還することで、米国とは違う環境の厳しさもあるかもしれないけど、たぶんプレー自体の質は日本だろうと米国だろうと渡辺自身変わらないだろうから、やはりメンタルが安定的に且つ強靭に再構築されていくのだろうか。そう願いたい。

こうした一流選手のコメントは大きな学びの要素がたくさんある。以前イチローの言葉なる本が刊行されていたけど、スポーツが苦手だという人は藤井聡太なんかの生きざまでもいいし、歴史好きなら戦国武将の生きざまでもいいし、何かこの人の生き方っていいなぁと思えるような人がいたらと思う。
さて自分もたくさんのあこがれる人はいるけど、読書を通じて一番いいなぁと思った人は井上成美かなぁ。阿川弘之の本で、新人の時に上司から成績良好でプレゼントされた本を読んだ時だった。



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