洗濯機を掃除しよう(1)
引越しを機に買った洗濯機。
使って半年で洗濯物に海苔のかけらみたいなものがつき始めた。
ひと目で洗濯槽の裏に溜まった洗剤カスや皮脂汚れとカビが混ざったいわゆる「ビロビロわかめ汚れ」というやつだ…とわかった。
汚れが溜まるのは仕方ないことだとわかっていた。
にしても、である。
買って半年で新品の洗濯機からビロビロわかめが出てくるなんてちょっと早過ぎない?と思ってしまった。
洗濯機を使った後は蓋を開けて乾かすようにしていたのはあまり効果はなかったようだ。
新品でこれなら中古では?と考えるとゾッとする。
引越しの時に一応中古も考えたのだが、中古にしなくて本当によかった。
他人が使った洗濯機から早々にビロビロわかめが出没しようものなら結局新品の洗濯機に買い替えていたと思う。
ここまで書いといてなんだが、汚れをわかめと表現するのはわかめに失礼だし、私はわかめ好きだから以下ビロビロと呼ぶことにする。
今回買った洗濯機はこちら。
某電気店で冷蔵庫とセットで売っていたのであまり選択の余地なくこれになったとはいえ、もともと乾燥機能がついていない、シンプルに洗いと脱水機能だけの安価な縦型の洗濯機を買うつもりだったのでちょうどよいのが見つかり喜んで買った。
今回の引越しでは乾燥機能の付いている洗濯機を買いたくなかった。
理由は3つ。
(1)乾燥機能付きの洗濯機は単純に値段が高い。
しかも大きいものが多く、古い賃貸物件だと洗濯機置き場が狭くて置けないことも稀ではない。
今の家に何年住むかもわからないし、次の引越しがどういう条件で行われるか分からない以上、大きくて高価で容易に買い替えられない洗濯機が物件探しのハードルになる可能性が高い。
もし誰かと住むことになったら最悪処分しなくてはいけない場合もあると考えるとお金をかけるべきではないと思った。
(2)乾燥機能付きの洗濯機は手入れが結構めんどくさい。
以前ドラム式の乾燥機能付きの洗濯機を使っていたことがある。
乾燥機能を使うたびにフィルターを掃除していても、長い筒状になっている排気部分に湿ったホコリが詰まって取るのが大変だった。
奥まで手が届かないので、針金でひっかけるようにして固まったホコリを取り出していたが、いつか筒に穴が開くんじゃないかとヒヤヒヤしながらやっていた。
手入れしないと乾燥性能が落ちて乾きづらくなる。
それをずっと気にして生活するめんどくささが便利さを上回っていると私は思うのだが、使ってる方はその辺どう思われているのですかね?
(3)タオルや部屋着なんかはガンガン乾燥しても問題ないが、デリケートな衣類やシワになると面倒なシャツなどを誤って乾燥してしまうと取り返しのつかないことになる。
これらのマイナス点から逃れるには「浴室乾燥機能付きの物件に住む」というのが最適解であるという閃きに至った私の明晰な頭脳は、予算に合う物件を血眼になって探し、聞いたこともないような辺境の駅(もちろん各駅停車しか停まらない)ではあるが周辺の商店街はそここそ賑わっており、そこから徒歩5分、家賃6万5千円鉄筋コンクリートマンションワンルーム浴室乾燥機能付きという物件を見つけてきた。
しかしこの物件、クローゼットどころか押し入れすらなく、服をしまう場所が一つもないという欠点があった。
下駄箱と申し訳程度の収納はあるにしても、服をしまう場所が一切ないというのは賃貸物件においてかなり致命的な欠点と言えるのではないか。
極狭でクローゼットをつけたらベッドも置けないような広さでもなく、全然余裕があるのになぜクローゼットをつけなかったのか、オーナーに会う機会があればぜひ問い詰め…いや、理由を聞いてみたいところではあるが、格安の家賃と立地の良さ、そして最重要事項の浴室乾燥機付きという点が決め手となって契約に至った。
浴室に洗濯物を干して乾燥機能をオンにすれば3時間ほどで全てのものが乾く。
ハンガーにかけて乾かすのでシワになりにくいし、部屋干しより圧倒的に早く乾くので雑菌の繁殖が抑えられ部屋干し臭もしにくい。
浴室乾燥機能マジ最高である。
などと色々な条件をクリアした上で買った安価な洗濯機に汚れが溜まる速度は予想以上であったが汚れが溜まる事自体は想定内、むしろこの時のために私はドラム式ではなく、縦型の洗濯機にしたのだ!とドヤ顔で洗濯槽クリーナーを注文した。
このクリーナーを知ったのはもう10年以上前だ。
その時は縦型の洗濯機を使っており、ビロビロが出た時にこれを使ったらそれはもう衝撃的な収穫具合だったことから全幅の信頼を置くようになった。
それまで洗濯した服に少々付着したものでしか見ることのできなかった汚れが大量に可視化された光景は忘れがたい興奮を私の胸に刻み込んだ。
その後、引越しを機になんだかカッコいいし便利そうだし使ってみたいという若気の至りで乾燥機能付きドラム型洗濯機に買い換えた。
しばらくして、ふと洗濯槽の掃除でもしようかねと思い立ち、なんの疑いももたない純粋無垢な瞳を輝かせながら再度このクリーナーを買おうとした時、ドラム式では使えないという注意書きをみて、中学受験に失敗した時と同じくらい落胆した。
ドラム式ではこのクリーナーのような酸素系のものは泡が立ちすぎるので使えないのだ。
そして塩素系では汚れを溶かしてしまうのでビロビロが収穫できない。
塩素系でも汚れは落ちるが、あのビロビロが水面に漂う光景がみたい…そのために今回、ドラム式ではなくあえて縦型の洗濯機を買ったのだ。
洗濯槽が汚れたというガッカリより、またあの衝撃シーンが見られるというワクワクの方がはるかに大きかった。
長くなったので一旦終わります。
(2)に続きます。
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