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ありがたいけど、なんでやねん!夫の育休物語。
男性の育休が、最近だいぶ当たり前になりつつあるらしい。
とはいえそれを実感できるかどうかは、身を置いている会社次第というところだろう。
第一子が生まれた時、夫は金融関係に勤めていた。飲み会も多く帰りも遅く、有給すら滅多に取れないような仕事だ。
当然、男性が育休を取れるような環境ではなかった。私は望みすらしなかったし、夫も考えもしなかった。
なんなら、出産当日、緊急帝王切開だったのに夫が急遽仕事を休んだのをみて、「あ、休めるんだ。」と思ったくらいだ。
今考えると、だいぶブラックな思考に毒されてるな…。
時は流れて下の子を妊娠した。これがなんと双子である。
夫は転職していた。いくつも支店があるような前の会社とは違い、大変少人数の会社に勤めていた。
少人数であるがゆえ、夫が休むと人員的に穴が大きい。これまた有給を気軽に使える社風ではなく、普通に育休なんて無理だろう、と私は判断していた。
夫も普通に「無理だと思う」と言っていた。
別に苛立ったりはしなかった。私もアラフォーになるので、仕事ってそういうもん、みたいな古い考えがわりとあった。
男性が育休を取れないのは仕方ないし、だから責める気も湧かない。そういう風に思っていた。
しかし、いよいよ妊娠後期にさしかかり、来月には生まれそうだという頃。
夫が突然言った。
「育休取れるわ。たぶん1か月くらい」
え?取れるの???
嬉しいより、なんで??が先に立った。無理だと言い張ってきたことがやっぱ大丈夫!になる理由が理解できなかった。
夫が言うには、
「社長たちの間で、双子だしさすがに育休必要では?ってなったらしい」
いや、なんでやねん!!
頭の中でものすごく突っ込んだ。感謝とかよりツッコミしか浮かばなかった。
そりゃ双子は誰がどう考えても分かりやすく大変だろうけど、でも育休ってそういうもんじゃない。子どもの人数で決めるものじゃないはずだ。
子どもが生まれたら!取れるもの!
人数は関係ないので!取れるなら最初から取らせてください!!!
その後、夫は無事にまるまる1か月パパ育休を取得した。
実際双子の新生児期は大変だったし、私の緊急入院などもあったので夫が休まざるを得ない部分も多かった。
夫と協力して乗り越えたことも財産になったし、夫の会社にはとてもとても感謝している。
だけどとにかく、突然降って湧いた育休になんだかずっこけたことが強く記憶に残っている。
でも、こういう会社って多いんじゃないかな。まだまだ男性の育休が普及するのには時間がかかると思う。
そして、私ももっと強く夫に「育休取って!」とお願いしてみるべきだったと反省した。夫の方から働きかければ、会社だってもっと早く動いてくれたかもしれなかった。
そういう意識の積み重ねがこれからの未来を創るのだから、私も諦めないで、もっともっと違和感には抵抗していかなくては。
子どもたちが育つ頃には、女性の産休育休も、男性の育休も、もっと当たり前でフレキシブルで優しいものになっていて欲しいから。