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遠巻きに眺めてしまう、キャリアブレイクという選択肢

「キャリアブレイク」という言葉を、最近知った。一時的に仕事を休んだり、辞めたりして、キャリアの見直しやスキルアップを図ることらしい。

キャリアブレイクは「離職・休職などを通じて一時的に雇用から離れ、人生と社会を見つめ直す期間」のことを指します。造語ではなく、欧州では一般的な文化で、旅、留学、自主的な挑戦、勉強やトレーニング、休養、療養、出産、子育て、家族のケアなど、過ごし方は様々です。

引用 : キャリアブレイク研究所 「キャリアブレイクとは

素晴らしい考え方だな、と思った。
と同時に、なかなか自分で選択するには勇気がいるな、とも思った。

たとえば私は今、育休中だが、所属している会社に暗雲が立ち込め、戻ると過酷な労働を強いられることが確定している。(書いてて泣けてきた…。)
1歳になっていない双子を育てながらそんな仕事に戻るのも、転職して4月の保育園入園とともに始めるのも、どちらも過酷な道だ。

そんな私にはまさに、キャリアブレイクにうってつけ、むしろキャリアブレイクすべきとも言える状態ではないだろうか。復職も転職もせず仕事を手放し、1~2年くらいは子育てに力を入れながら次のキャリアのことをゆっくり考える。なるほど、悪くない話だ。
しかし、その選択肢を選ぶ予定はない。

もしこれが他人ごとなら、私は迷わずこう言うだろう。
「どうせなら、仕事しないで少しのんびりしたら?子どもが双子で大変だろうし、子どもとずっと一緒にいられるなんて今の時期だけだし!」

子どもとの時間をたくさん過ごせるのは、幸せなことだ。仕事だって、一度辞めたってたぶんどうとでもなる。どうにかなる。大丈夫。他人の話ならそうポジティブに信じられる。
むしろ、キャリアブレイクをしてまで今後の自分のキャリアについて考えていることに、「すごい」「えらい」という感想まで抱くかもしれない。

それが自分ごととなると、途端にネガティブなことしか考えられなくなる。

「仕事しないと収入が減るし、働き続けないと生涯年収も下がっちゃうし、年収UPで転職できるようなスキルもないし、子ども3人もいてお金かかるし…」

あれ!?お金の心配ばっかりだな!

冷静に考えてみると、別にそんなにお金に困っているわけではない。裕福ではないけれど住む家はあるし、車も持てているし、猫も飼っている。夫婦で貯金だってそれなりにあるし、夫はもちろん働いてくれている。
これまた他人ごととして見たら「じゅうぶん」なのだが、何故だか常に不安がつき纏っている。

それなのにお金の心配ばかりしている方が問題では??という部分もあるが、それは一旦置いておいて。

そもそも、子育てとキャリアブレイクって本来、相性が良いものではないのか?と思う。特に女性は妊娠出産で否応なく、大なり小なりキャリアが分断されるわけで、その期間とキャリアブレイクの考え方が重なれば、未来への不安を少なく過ごせるはずではないか。
しかし現実、子どもがいて育てる責任を負っているからこそ、キャリアブレイクに踏み出す勇気が持てない。(お金のことが心配なのも一番は子どもたちのためだし。)

堅実と言えば堅実なのだが、なんだか自分がとても勇気のない人間のような気がして、時々とても苦しくなる。
キャリアブレイクという選択肢を”遠巻きに”眺めてしまうのは、実行も諦めも出来ず、羨ましいなあという気持ちがあるからだ。

泣いても笑っても道が決まる4月までは、まだ時間がある。
キャリアブレイクのことも視界の隅に捉えながら、後悔の無い道を引き続き探っていきたい。


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