耳で聴く本の話
Twitterで『聴く本、いいですよ』なんて話をいつも目にしていた。
【通勤時間にいいですよ、読まなくてもいいから手が空いてその他のことができるし。】
【音楽を聴くように読みたい本の内容が頭に入ってくる。】
・・・え、何それ最高じゃん。
私は働いている人のように忙しくはないし、時間もあるんだけど、家事の間にいいかな、なんて思って試してみることにした。
ふっふふん♪聴く読書♪聴く読書♪心は踊っていた。
以前から読みたいと思っていた、
『think clearly』
さぁ、私も聴く読書ユーザーの仲間入りだ。
耳で聴けば一冊の本も余裕で読める。買い溜めしていた本もあっさり読み終えるだろう。
洗濯物を干している時に聴いてみることにした。
ふんふふん♪ふんふふん♪ふんふふん♪
速度も変えられるのね、よし、1.5倍速!!
『あれ?なんか今のところ頭に入らなかったな』
そうね、初心者には1.5倍速は無理よね、普通の速度に戻そう。
ふんふふん♪ふんふふん♪ふ、ん??
『あれ?今のところなんか頭に入ってこなかったような・・・。よし、少し戻して、聴き直そう。』
『ん?どういうことだろう?もう一回戻って・・・』
気づけば 洗濯物>聴く読書 が、聴く読書>洗濯物 になっていることに気がついた。
これじゃ本末転倒だ。
自慢じゃないけど、普段私は同時に何個かのタスクをこなすことができる。
高校時代、授業中に友達とおしゃべりしていて、先生に『今私が何と言っていたか分かるのか!!』と言われ、先生の言っていたことを答えると『お前は聖徳太子か!!』と言われたこともあるんだぞ。
そんな私が、聴く読書が、出来ない・・・だと???
その他にも何作か試しに聴いてみたんだけど、やはりダメだった。
よく分からないけれど、私には合わなかった。
さっき踊っていた心はそのまま遠くの舞台に行き、儚くも消えていった。
私は文字を読みたいのかもしれない。
目で追って読んでいきたい生物なのかもしれない。
はたまた、私は聖徳太子的な能力をその時ばかりは手放してしまうのかもしれない。
聴く読書、したかったな。。。
後日『聴く読書は頭に入っていく場所が違う』のようなTwitterを見つけ、
『そうかそうか、それなら意味がわかるかもしれない。』
と、また聴く読書を試そうと思っている私を、どなたか引っ叩いてくれないだろうか。
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