小説を書く。その69【BL小説】
「では、再会を祝して」
「乾杯」
細身のグラスをカチリと合わせる。淡黄色の液体が動きに合わせて揺れる。
「ほんとに久しぶりだな。何年ぶりだ?」
「お前の結婚式以来だから……二十年くらいかな」
いつものバーで懐かしい顔に出会った。高校の同級生だった新見。年月が経ってもヤツのイケメンぶりは相変わらずで、印象はまるで変わらない。いや、目尻の皺や肌の張りはさすがに衰えも見えるが、それが返って男を上げてるというか。年齢を重ねて熟練した味を醸し出している。
「そんなに会ってな