驟雨
打ち込もうとして打ち込めなかった文章をまだ引きずらないでいる。
朝は確かにあった邂逅や霹靂を持ち帰らずにいる。
綿を持てずに金具を持ち重さに堪えて夜は深く眠ろうとする。
頭に抱えた重さを同じ重さで揺り起こし、夜にはその頭が和らいでいる。
何故の疑問さえ生まれる前に疲れを癒すことばかり考えている。
「汝、生きるための歯車を用い、違える為に生まれてくる。いずれは死せる物なり。如何に息をする」
この命があった時から、道を外そうとしている。
この道があった時から、目的を歩こうとしている。
この目的があった時から、結果を追い抜こうとしている。
言葉が無限にあった時から、言葉は無限では無かった。
言葉は無限であったが、語る言葉は少なすぎた。
きっと柔らかい何かであったと確信していた。
土も固く沈んでいけば岩となる日が来る。
寿命の無い機械もなければ、後に死なない惑星も無い。
何かが継続されている予感は簡単に想起され、単純なものだけが人生を締め、更に最も単純なことは人生から忘れられる。
名も無い小さな、きっと柔らかいものが息をし続けている。
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