平成28年予備試験民事訴訟法の論述例と若干の補足
第1 設問1⑴
1 弁論主義とは、訴訟資料の提出を当事者の権能かつ責任とする建前をいう。この原理から,裁判所は当事者が主張している事実以外の事実を斟酌してはならないという準則が導かれる(弁論主義第1テーゼ)。
上記準則にいう事実は,主要事実に限定される。弁論主義の趣旨は、民事訴訟の対象である私法上の法律関係に通用する私的自治の原則をその現実化過程である民事訴訟にも反映する点にある。私的自治の原則の本質は,法律関係は私人間の自由意思によってのみ形成され,国家の介入は許されない