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版画屋 #1 Trim and Glideトロフィー製作

2016年10月に宮崎県日向市で行われた
 WSL(World Surf League) Trump Hyuga Proというサーフィンの世界大会の中でのエキシビジョンマッチ
" Trim and Glide " のトロフィーを製作風景を紹介します。

1.デザイン

このお仕事の話を頂いた時、すでに大会開催まであまり時間のない時でしたので、すぐにデザインに取りかかりました。普段はヒアリングや訪問などをさせて頂いてからになりますが、私は学生の頃からサーフィンをしていましたので大会の趣旨や会場のサーフポイントなどは大体は、理解していたこともあり、すぐにスポンサー(Trump Wetsuits)様に仕上がりのデザインを提案しました。

打ち合わせをしていくうちに、スポンサー様から画像を頂き、こんな感じで!と言う発案がありました。

それをもとに数点のイメージを作った後、1つに決定しました。

2.製作

まず今回は、作品のみではなくトロフィーであるということです。
木版画製作に取りかかる前に、スポンサー様より送って頂いたロゴなどのデータを台紙に配置し、印刷を発注しました。台紙の印刷が出来上がるまでに木版画製作に取りかかります。

木版画(彫り・刷り)を終わらせ乾燥させる間に、出来上がってきた台紙を完成させます。印刷されてきた台紙はこちら↓

トロフィーなので順位があります。
これを絵画などをフレーミングする時に使うマット紙という厚紙に貼ります。
版画を入れる部分のサイズに合わせて、マット専用カッターで切り抜きます。

3.フレーミング  - 額装 -

次に乾燥を終えた版画をセットし、額装します。

もう一息です。

4.箱詰め

海外からの選手が多いのでCAUTION注意書きも忘れずに…
箱詰め完了!

5.配達

まだ終わりではありません。
海まで配達です。

ここまで1週間くらいの作業で何とか完成させることができました。
正直、「終わらない仕事はない」と何度呟いたことか。(切羽詰まった時によく呟く魔法の言葉)

配達後、並べてもらえました。あぁ〜、ただただ達成感。無事に出来上がった〜!ありがたやありがたや。

トロフィーを手にした日本人選手がいなかったのが残念でしたが、私の作品が世界へと飛び立って行くことになり、嬉しいやら残念やら複雑な心境で幕を閉じました。

6.おまけ

この作品がトロフィーに使っていただけたことで、日本国内のアマチュアサーフィン大会でも作品を採用してもらえました。
また、作品のみの販売もしております。
なんと、オーダーメイドのサーフボードに入れてくれたお客様も。

ありがたやありがたや。

※ サーフボードは特殊なディケール用の用紙に、溶剤で流れることのないインクで刷ったものを使用しています。


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