🇮🇳④寝台バスに乗り、タージマハルを見に行く
ー インド7日目 ー
旅も終盤近に差し掛かる。
毎日が怒涛で移動の距離も長く、いつもの旅よりも時間の経過が早く感じる。
昨夜バラナシからアーグラへ移動するべく、
またもや寝台バスで長距離の移動を行ったところだった。
朝8時。
「アーグラだ、降りろ」とバスの運転手に促され、降りた場所は
高速道路の真っ只中だった。
ここからどう移動すれば?と思っていたところで、近くにリキシャがいるのを発見する。
「君もタージマハルに行くの?」と声を掛けてきてくれたのはイスラエル人24歳の男の子だった。
通常より高い料金を払う羽目になったが、
寝台バスで眠りが浅く頭が働いていなかったため、そのままタージ・マハル近くまで、彼と一緒にリキシャに相乗りすることになった。
まずはホテルでシャワーを浴びて仮眠しようと思っていた。
彼はそのまま直接タージ・マハルへ向かうらしい。
話を聞くと、救急救命士を目指す研修医とのこと。
現在約3ヶ月旅をしていたが、タージマハルをみたらそのまま国へ帰るらしかった。
彼もインドにくたびれていて、
リキシャのおじさんの度重なる悪態に、
「this is india」と言っていた。
激しく同感だった。
度重なる長距離の移動からなのか、
それとも前日の食事があたったのか不明だが、
ホテルに着き、インドで初めてお腹を下した。
インドの洗礼がついに来たと思った。
本当はホテルでゆっくり眠りたかったが、旅の終わりは近づいて来ているのだからと自分を鼓舞し、タージ・マハルへ向かうことにした。
タージ・マハルでは電子チケットの方が数百ルピー安くなるのと、入口によっては、紙のチケット売り場まで相当歩くことになるので、
電子チケットをおすすめしたい。
タージ・マハルは、昔の皇帝がなくなった最愛の妻のため、17年掛けて建てたと謂われる世界遺産の一つである。
建物はすべて白の大理石で作られており、テレビでもよく紹介されている。
何度もテレビで見た光景だからなのか、
腹を壊しているからなのか、実物を見てもあぁそうでしょうね、という感じで、高い見物料を払った割には感動はあっさりと終わった。
とにかく敷地が広く、大きな公園というような感じなので、歩き疲れて早く帰りたかった。
途中何度も近くのベンチで休憩をしたが、
流石にタージ・マハルの中に入ったときはひんやりした空間になんだか神聖なものを感じた。
余談だが、旅の途中でかなりの確率でインド人らしき人々に、一緒に写真を撮ってくれと言われた。
最初は、芸能人になった気分で浮かれていたが、旅も終盤に差し掛かると、それすらもうるさく感じられて、帽子を深く被り人と目を合わせないように歩くようになった。
それでも彼らは、戸惑いがなくいきなり隣に座ってきて、はっと思った頃にはカメラが向けられていた。
断っても断っても何度もお願いと言われると仕方なく引き受けることもしばしばだった。
調べたところによると、田舎に住むのインド人の一部は外国人を見たことがなく、珍しく感じる人がいるということ、色白で自分と違う肌の持ち主が憧れの存在であるということなどが書かれていた。
それにしても、芸能人にならなくて良かったと思った瞬間である。
タージ・マハルの帰り道、10歳のキーホルダー売りの男の子が側から離れず、ホテル近くまで着いてこられたので、しかたなくタージ・マハルのキーホルダーを20ルピーで購入することに。
若いのにこうして英語をバリバリと使いこなし、大人相手に大したものだと感心した。
言われた金額は支払ったし、何やら日本の金が欲しいといったので、手元にあった10円玉をあげたのだが、最後は不服そうな顔をして帰っていった。
旅が終わりに近づいている。
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