神在月に巡る、出雲大社と夕日とモミジ-電車とバスで行く!日本の絶景ひとり旅- #9
こんにちは、絶景プロデューサーの詩歩(@shiho_zekkei)です。
「電車とバスで行く!日本の絶景ひとり旅」シリーズ第9回、今回は2022年11月に行ってきた「神在月に巡る、出雲大社と夕日とモミジ-電車とバスで行く!日本の絶景ひとり旅- #9」をお届けします。
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旅のしおり
今回の旅の目的
日程を決める
一般的に「10月」は「神無月(かんなづき)」と呼ばれています。
それは諸国にいる神々が出雲国に集合し、諸国では神が不在になるから。ではその神々が大集合した出雲では10月はどう呼ばれているのか。
神様が”在る”月と書いて「神在月(かみありづき)」と呼ばれています。
これまで「神無月」が「神在月」になるエリアがあるなんて考えたことがなかった私。旧暦10月は現在の暦では11月にあたることが多いので、紅葉とあわせて出雲旅行を計画してみることにしました。
神在月は具体的にいつなのか
旧暦10月を現在の暦にあわせると、具体的な日付は毎年変動します。私が訪れた2022年は出雲全体では10月25日〜11月23日で、出雲大社では11月3日~11月19日。
日程を2種類記載したのは、「神在月」期間に神様も出雲の中を移動するからです。
神事は一般観光客に開放されていない物が多かったのと(コロナ対応もあるかも)、まず混むだろうし、神事って撮影して良いものでもないよなあと思ったので、今回の旅では神事を見る観光はしないことに。
神事を見なくたって、全国八百万の神様がいらっしゃる期間に出雲に行くことに意味がある…よね!?
旅のはじまり
DAY1:羽田空港→JR出雲市駅
まずは出雲の玄関口である「出雲縁結び空港」へ。
空港からバスでJR出雲市駅まで行き、先にホテルへ荷物だけ預けます。
今回宿泊するホテルは、JR出雲市駅前にある「センチュリオンホテル&スパ クラシック出雲」。
出雲大社まではバスで行けるのと、これから行く紅葉スポットにも電車で行けるので出雲市駅を拠点にすることにしました。サウナ設備が整っている新しいホテルで、デザインもかわいくて大正解でした◎
JR出雲市駅→鰐淵寺
島根県で紅葉スポットはないかしら…とリサーチしていたときに見つけたのが、出雲市内にある「鰐淵寺(がくえんじ)」。
山の中にある静かなお寺で、紅葉の中でも”散り紅葉”が美しいらしい!
最寄り駅が「雲州平田駅」ということで、まず電車で向かいます。
ここから鰐淵寺までは「平田生活バス」というコミュニティバスも出ているのですが、本数が90分に1本。
到着時には次のバスまで1時間も待たねばならなかったので、駅前にいたタクシーで鰐淵寺まで行きました。山の中にある場所は暗くなるのも早いので、15時までには観光を終えたい!
駐車場でタクシーを下り、少し歩いて鰐淵寺の入り口へ。入山料(500円)を支払って門をくぐると、今年(2022年)の紅葉の見頃情報が書いてありました。
入り口を進むと、ひたすら階段が続きます。
写真をちゃんと撮影するに、とりあえず一番上まで登ってみることにします。
目指すは、最奥にある「根本堂」。
事前に調べていた限りだと「かなり階段を登る、キツイ」という情報が多かったものの、目の前の階段をのぼっていたらすんなりと目の前に根本堂が登場。なんだ、全然きつくないじゃん!
上から振り返ると、モミジのトンネルが広がっていました。
日の光があたっている西側(右側)がとってもキレイ。左側の木も紅葉する種類なはずだけど、日当たりの影響かなんなのか、まだ緑色の葉が多かったです。
モミジが広がる枝を、真下から見下ろす構図。この角度から見るモミジが実は好きで。
モミジの葉って星と形が似ているから、なんだかプラネタリウムを見ているみたいなんだよなあ〜・・・分かる人いる?笑
お参りしたあと、根本堂と紅葉を一緒に撮れそうな場所をさがして1枚パシャリ。
11月下旬頃になるともう少し色づきが進んで、さらに散り紅葉が地面を赤く染めてくるのかな…☺
登りを急いで登ってきてしまっていたので、ゆっくり降りながら撮影することに。この時期に散り紅葉がキレイだったのは下の方だったので、こちらの階段で撮影しました。
手前の地面が、落葉したモミジで真っ赤!
拝観ルートは左で立っているこの場所は通る人がいないので、この撮影スポットは穴場かもしれません。
この日は平日ですが観光客もそれなりに来ていたので、人が途切れるのを待ちます。
待ちます・・・が! 途切れない!笑笑
どれだけ待ってもこの2名の方が階段付近で撮影を続けていたので、完全なる無人ショットは断念することに。まあ良いスポットなんだから、仕方がない…!
鰐淵寺はあの有名な「弁慶」の伝説が残る地としても知られている場所。なんと弁慶は松江出身らしい。
そんな弁慶が修行していたとされる「浮浪の滝」があり、こちらは別の山を登ったところにあるということで少し見に行ってみることにしました。
歩いたのは徒歩10分ほど。スニーカーで普通に歩くことができる散策路に整備されていました。
最奥に見えた景色がこちら。これが…滝!?
一般的にイメージする流れ落ちる滝ではなく、現在ではチョロチョロと水が落ちているほどの滝でした。かつては修験道の地として修行に使われていたそうなので、水量が減ったのかな。
ここまで来る人は少ないようで、静かで神秘的な雰囲気が漂っていました。
鰐淵寺→宍道湖の夕日
当初の予定ではこのまま宿に帰る予定でしたが、Googleマップをみていて急遽ひらめき、逆方面の電車へ乗って松江市方面へ。
ひらめいた目的は、宍道湖(しんじこ)の夕日!
一度見に行ったことがあったのですが、別の角度から撮影してみたい場所があったので、急遽 目指してみることにしました。
一畑電車は宍道湖沿いをぐるりと走っているので、車窓からも沈みゆく夕日ときらめく湖が見られます。この景色が本当にキレイ…。
なのですが、そんな美しい景色を前に、内心はヒヤヒヤ。というのも、急に思い立ったスケジュールなので、日の入り前に撮影場所に到着できるか超ギリギリだったから!
電車は予定通り16:19に駅に到着。
「駅からバスだと間に合わないかもしれないけど、タクシーに乗れば10分で着くから余裕だな!」と考えていたのに、なんと松江しんじ湖温泉駅に待機しているタクシーがいない!!!がーん!!
しかも長時間待っているという先客がいて、話を聞くとしばらく駅にタクシーは来ていないそう。
これでは埒が明かないと思い、同じ場所へ向かうためにタクシーに乗ろうとしていた観光客の女性ふたり組と手分けして配車してくれるタクシー会社へ電話してみるも、ピーク時間ということでどこも配車はお断りされ・・・
そうこうしているうちに、どんどん日は沈んでいきます。協力していた2人組はタクシーを待つ選択を、私は一か八か路線バスで向かってみる選択をし、互い健闘を祈りながら別れました。
路線バスの怖いところは、一度乗ってしまうと途中で簡単に下りれないこと。
ちょうど帰宅ラッシュ時と重なったため、本来は11分で到着するはずが全然先に進みません。窓からはオレンジ色に染まりゆく空が…! ああ、お願いだから間に合って!!!
目的地である「島根県立美術館」前に到着するな否や、ダッシュで美術館に館内へ。どうして夕日を見るために屋内へ入るかって?
この美術館は「夕日を見るための美術館」だからなんです!
見よ、この美しい曲線の窓と奥に広がるグラデーションの空を…!
宍道湖側にそのまま出られたので外に出てみると、今にも日が沈むところ!
雲ひとつない快晴だったのに、この空のカラフルな色づき。これは珍しいなあ〜。いいものを見せてもらいました🙏
とにもかくにも、間に合ってよかった〜!!!
駅で解散した2人組にも無事再会できて、互いに「あ、よかったね〜」と会話。ちょっと一息つくために湖畔に立つお気に入りのカフェ「宍道湖サンセットカフェ」へ向かいました。
サンセットカフェ
「夕日がキレイな日だけ営業する」という粋なコンセプトのカフェ。
こちらを訪れるのは2回目ですが、インスタのストーリーズで更新される「本日カフェ営業します」のお知らせを見たときの嬉しさたるや!
宍道湖畔には、歩いて巡れる撮影スポットが何箇所かあります。そのひとつ「嫁ヶ島」も撮影してみました。
もちろんこれは加工ではなくて、目で見た色そのまま。1分ごとにこんなに色が変わっていくなんて・・・
結局暗くなるまで湖畔でぼーっと過ごして、バスへ乗りました。
昼食を食べていなくて腹ペコだったので、松江駅ちかくで夕食をとることに。
徒歩で行ける美味しそうな餃子屋さん「味富」でラーメンと餃子をいただき、帰り道にあった夜まで開いているカフェ「イマジンコーヒー」でコーヒーを飲んで、宿へ戻りました。
ちなみに宍道湖の夕日はかなり人気で、観光協会が毎日の「夕日指数」をサイトで発表しているほど。天気予報が不安なときはこちらをcheckみると良いかもしれません💡
DAY2:出雲大社
さて、翌日の11月19日は出雲大社の神在月・最終日。
週末の土曜日だったので撮影はほどほどに、出雲大社をふらっとお参りしに行きます。
出雲大社ちかくのコインロッカーにキャリーケースを預けようと思って事前に調べていた「出雲大社前駅」構内のコインロッカーへ行くも・・・
大きいサイズはいっぱい!空いていない!!!(がーん!)
慌てて周辺のコインロッカーを探すと、出雲大社前のお土産屋さん「ご縁横丁」にもあると聞き、歩いて移動して無事に見つけることが出来ました。よ、よかった・・・!
かなり隠れた場所にあるのでこちらのほうが穴場で良いかもしれません。
出雲大社に訪れるのは、学生時代に日本一周旅行をした以来なので、実に12年ぶり。
おぼろげな記憶を頼りに、鳥居をくぐって参拝していきます。
神在月の看板も設置されていました。
出雲大社は境内がかなり広く、神様もいろんな場所に祀られているので、流れにそって順番にお参りしていきます。
境内をぐるりと一周お参りしたあと、隣接する「神楽殿」を見て帰ろうか…と思ったら、記憶にあった大注連縄はこちらにありました。
10年以上前に訪れた当時は、この大注連縄にお賽銭を投げ込んでいる人が多かった気がするけど、新しくなってからはかなり減っているようでした。というか、縁起が悪いことなんですね。絶対にやめましょう。
出雲大社→出雲そばランチ
この時点で11時前。
知り合いのフォトグラファーさんが、「出雲大社に行くなら、ぜひこのお店で出雲蕎麦を食べて!」とおすすめしてくれた店があったので、そちらへ向かうことにしました。
「遙堪駅」と書いて「ようかん駅」と読む難読地名(わくわく←難読地名 好き)。たった2駅なのですが、本数が少ないのでご注意を。
訪れたのは「出雲そば処 神門(ごうと)」。
人気店ということで11時半の開店時間に来ましたが、早めに開店していたようで、すぐ入店することができました。
3段になっているのが特徴の出雲そば。食レポは苦手なので割愛しますがw、とても美味しかったです。
出雲大社→日御碕灯台
帰りの飛行機まで少し余裕ができたので、出雲大社から一足伸ばすことにしました。
出雲大社前駅にあるタクシー乗り場から、海方面へ20分ほど。
まず到着したのは「日御碕神社」。
メインの目的地はこの先ですが、こちらも「神在月」で神様がいらっしゃる重要な場所なのでタクシーで5分だけ立ち寄ってもらい、お参りしてきました。
そしてそこからすぐ隣。駐車場でタクシーに待機してもらって見てきたのが、日本一の高さを誇る灯台「出雲日御碕灯台」です!
断崖絶壁沿いにそびえる、今なお現役の灯台。一度この目でみてみたいと思っていたんです!
今回はタクシーを待たせていたので上まで登りませんでしたが、展望台からの景色も最高だろうなあ〜!
本当はもっとゆっくりしたかったけど、タクシーのおじちゃんがサービスで「往復5,000円定額でいいよ!」と値引きしてくれていたので、長居するのが申し訳なくてそそくさと帰りました。
出雲大社 カフェ巡り → 空港へ
再び出雲大社前へ戻り、時間は14時過ぎ。
コインロッカーでキャリーケースを受け取ったあと、空港バスまでの時間を周辺で食べ歩きしたりお土産を買ったりして過ごしました。
初めて”神在月”に参拝した出雲。
散りゆく古刹の紅葉や、奇跡的に間に合った美しい夕日、文字数が多くなるので割愛しちゃったけど、餃子屋さんやタクシーのドライバーさんとの他愛もない会話からの素敵な出会い・・・。
なんだか神様が近くにいてくれたような、そんな特別な空気を感じることができた出雲旅でした。