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出会いかたより、別れかた

もうすぐ結婚して6年になる私たちは、お互い新しい道を歩みだそうとしている。苦しい時期が続いて、傷つけ合ってしまったけど、今はフラットに、彼が幸せになることを心から応援している

結婚することが、目的になってた。

当時私はまだ20代で仕事が楽しくて、今結婚しないと一生しないんじゃないか。いい恋愛もしてなくて、はやく落ち着きたい、手を打とう、そう焦ってた。また、仕事と愛は両立しない。愛に溺れると何かを失うんじゃないか。お金を稼ぐと奪われるんじゃないか。本当は稼げる人生なのに、どこかお金や成功を手に入れることはいけないことだと、自分にストップをかけてきた。

結婚して、夫婦が同じ方向を向くことは一度もなかった。それぞれが違う方向をみていて、それでもお互いの人生だから干渉しない。それがパートナーなんだと。結婚が目的になっていて、しっかり向き合って、信頼関係を築くことなく結婚してしまった。結婚は夫婦だけの問題でなく、親戚含めた家族ぐるみの付き合い。育ちがあまりに違いすぎて、合わなくて、息苦しくて。年明けの家族行事が、一年で一番苦しい時間に。義母と理解し合えず、一線を超えて、お互いの価値観や人格を否定し、傷つけ合ってしまった。そんな時も夫を頼り、甘えることはなく、むしろ何も知らず、守ってくれない、味方になってくれないと敵対視。夫を愛せず、どんどん家庭で笑顔を失っていく私に、たまりかねた夫は爆発し感情的になり、壁に穴が空いたり、私に手を上げたこともある。それが許せなくて、信じられなくて、人として尊敬できないと心のシャッターを降ろしてしまった

今更だけど、たくさんの時間をかけて本当はどう思っていたのか話し合う中で、やっぱり分かり合えなかった。それでも、気づいたことがひとつある。夫にとって、子どもがかけがえのない存在になっていたこと。子どもが小さい頃から深夜に帰ってくる生活が続いて、日々の向き合い方をみて、そんな風に思えなかったけど、子どもが可愛くて仕方ないのだ。彼の仕事のモチベーションで、生きる希望になっていた。

最初で最後のお願いを叶えてあげたい。

離婚協議を進める中で、圧倒的に私が有利で、勝ちは見えていた。けど勝つことがすべてじゃない。私たちは結婚生活において、お互いに気を遣って、要望をだすことができなかった。そんな夫の最後のお願いだとしたら、彼から生き甲斐を奪うようなことはしてはいけない。私は彼を幸せにすることはできなかったけど、子どもはその一端を担える。

なぜ気づかなかったのだろう?頑なになっていた心が解放されていくようで、世界の見え方が変わっていき、視界が開けていく。私がわるかった。ごめんね。色んな事がどんどん受け入れられいく。ハードな交渉も、こんな好条件ないくらいスムーズに物事が運んでいく。夫に対しても、義母に対しても、嫌悪や憎しみが消えていき、感謝が溢れる。ありがとう。

一度でも、家族になれたことがよかった。

それぞれが、新たな道を歩みだすこの時に、過去に感謝して、どんどん手放して、より自然体で自分たちらしくいられることを、祝福したい。

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