タピオカ1杯16,930円の話
私は東北人である。
だが、ベビタピ(※)に入店チャレンジしていた時期もある。
※この記事を読んでいるのはりあぴぞくという前提なので「ベビタピとはなんぞや?」の説明は割愛させていただく。
ベビタピで推しメンに会うのはかなり難易度が高い推し活である。
まず当日にならないとクリエイターの発表がされない。
例え運良く予定が空いていて入店待ちの列に並べたとして、推しが接客している時間に入店できるかは保証がない。
退店していく推しと入れ違いになる可能性があるのだ。
加えて私には距離の壁がある。
遠いということは、コストがかかるということだ。
最寄駅の駐車場代800円、往復の新幹線代14,480円、バブタピ代650円、サインしてもらうブロマイド代1,000円。
計16,930円がベビタピで1杯のタピオカを買うための最低費用である。
引いた。
改めて計算したらおよそタピオカにかける費用ではない。
我ながらバカげている。
それでも私は喜んでベビタピに行った。
推しに会いたくて、ベビタピに行った。
さすがの推しも引いていた。
「予想して来たの?」
いいえ、メンバー発表を見てから家を出ました。
「なんでそれで間に合うの?」
新幹線が1時間20分しかかからないからです。
「今日は泊まっていくの?」
いいえ、このために来たのでとんぼ返りです。
「それは…フッ軽だね♪」
推しに会うためなら新幹線なぞ在来線扱いである。
なぜそこまでして推しに会いに行くのか。
答えはシンプルで、推しに会うとたちまち元気になれるからだ。
そして、我が推しを応援するメリットはそれだけではない。
推しのことを思い出すと、推しに会えない日もがんばれる。
これに代えられるものは他にはない。
お酒でもマッサージでも温泉でもディズニーランドでもない、推しからしか得られない栄養がある。
りあぴぞくの人口やルールも変わり、さすがに最近はベビタピチャレンジは卒業したが、推しがいる限り遠征はやめない。
推しに「無理はしないでね」と言われているので頻度はまちまちになるが、それでも私は私の行ける範囲で推しのいるところへ行く。
推しの驚く顔を想像して。